【二人の剣士と青い竜】
「二人の剣士がいた。
彼らは道すがらあった他人同士ではあったが、同じ迷宮に踏み入るものとして意気投合した。
そして二人は、未だかつて誰も発見しえなかった秘境の滝に到達し、そこで青い竜を見た。
恐ろしく強大な飛竜に追われ、迷宮を彷徨う二人はしかし、決死の覚悟で大敵に相対する。
猛吹雪を打ち出す奇怪な化け物は、迷宮全土に魔法をかけ、二人を呪いで苦しめた。
銅の剣士は呪いに倒れ、銀の剣士は単独で竜を切り結ぶ。
美しい純白の剣技は竜の尾を断ち翼を落としたが、なおも竜は猛り狂い、銀の剣士を踏み潰した。
その時、神の光を湛えた銅の剣士が立ち上がり、飛竜の爪牙を搔い潜って駆け抜けた。
彼が銀の剣士に触れたとき、彼から流れ出た血が黄金に輝き、銀の剣士に流れ込んでいく。
銀の剣士は再び目を開き、ここに二人の剣士は並び立った。
赤き剣と白き剣が凍てつく猛攻を打ち破り、鱗を突き破って首を切り落としたのだった。
二人は英雄として街に受け入れられ、誰もが彼らを称賛した。
二人は巨万の財貨を得て、長寿に暮らした。
この地に伝わる神々と歴戦の勇者たちが、彼らに力を与えなさったのである。」
皺だらけの老人はそう語ると、紅色の酒をあおり、息をついた。
迷宮で狩りをする狩猟者たちは、例外なくこの伝承を知っている。
魔物の生態や迷宮の構造が明らかでなかった古代の話に、みなが心を躍らせた。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
楽しんでいただけたなら幸いです。感想、評価などお待ちしております。
短い作者評を別作品にて公開します。ありがとうございました。




