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女神の世界と漆黒の魔剣士

作者: やのひと


「あの、本当に大丈夫でしょうか」


私は不安がどうしてもぬぐえなかった。


「心配ないわポーリー。だからそんなに怖がらないで」


この人はカツェさん。


ふんわりと微笑む姿は本当に綺麗で、身にまとっている正道協会の服もとても似合っている。


そして本気で言っているのが伝わってきた。


でもやっぱり怖い。


「でも、相手はあの方なのでしょう。怖いうわさが沢山あります」


そのどれもが本当に恐ろしいものばかり。


盗賊団を皆殺しにしたとか、名だたる探索者達をまとめて殺したとか、一番のものは勇者様を殺そうとしているとか。


「そんなに怖がっては気の毒です。優しい人なんですよ」


そんな事をしているといつのまにか目的の部屋の前に着いていた。


カツェさんは全く迷いなくドアをノックした。


「レント様。いらっしゃいますか」


しばらく待つが返事はない。留守かな。


「レント様。いらっしゃいますね」 


今度はドンドンとドアを叩いた。


しかし返事はない。


「レント様。レント様。レントさあああまあああ!!」


もはやドカンドカンと扉を破りそうな勢いになっていた。


「うるさい。いないから帰れ」


中から不機嫌そうな声がした。


「いるではありませんか。失礼します」


カツェさんがドアノブをつかむと扉は開いた。


鍵かかってないんだ。


しかし開いた瞬間トンッと軽い音がした。


「俺はいないと言ったぞカツェ」


カツェさんの頬にはうっすら傷ができて血がにじんでいた。


その後ろの壁には細い串のような物が刺さっていた。


カツェさんが無言で引き抜くと私にもそれが何か分かった。


あれは多分広場で売っているお肉の串焼きの串。


ただの木の串が壁に深々と刺さったんだ。


カツェさんが一言呟いて頬をなでると傷が消えた。


すごい。


神聖魔法をあんなに簡単そうに。


そして何事もなかったかのように部屋に入っていくので慌てて私も続いた。


薄暗い部屋でほんのりとお肉の焼けた匂いがした。


目的だったその人は粗末なベッドにけだるそうに座っていた。


年は私より少し上で多分15.6くらいに見える。


その人を表すなら黒。


その瞳が光さえも吸い込むように黒くただ恐ろしいと感じた。


「おはようございますレント様。あなたにお願いがあってまいりました」


「失せろ」


「ここにいるポーリーを助けて欲しいのです。正確には彼女の姉ですが」


「俺は忙しい」


取り付く島もないとはこの事。


でもカツェさんがこの人しかないと言うならこの人しかいないと思う。


だから私はその場で大きく頭を下げた。


「お願いします! どうか、姉さんを助けてください!」


「この子の姉は血の呪いにかかっています。あなたも聞いた事があるでしょう。あれを魔法でなんとか出来るとすれば聖女様か最高司教様くらいです。しかしお二人にお会いするなどまず不可能」


その人は何も言わずにじっとカツェさんを見ていた。


まるで興味などないように。


「ですから血の霊薬エリクサ。それが必要です。そのための材料を取って来て欲しいのです」


血の霊薬エリクサ。以前でもとても手が出せない値段なのに今はもう一部の金持ちしか手に出来ない状況になっている。


それも全て魔王との戦いのせい。


「姉のためか」


その人がボソッと小さく呟くのが聞こえた。


「私に出来る事なら何でもします。だからどうか」


「必要な物はここから一番近い所ならベル火山。そこに咲く火の花です。近くにはお湯が沸く事で有名な街がありますが、ご存じのように少し前からあそこは」


「知っている」


カツェさんの言葉にかぶせるようにその人は言った。


そう。あそこは今魔王配下の七魔人セブンデイズの一人である火の魔人の配下がいる。


私達が故郷を追われて原因。


両親と姉さんと私の四人で住んでいた村はある日あいつに襲われた。


逃げる途中で両親は死んでしまった。


私と姉さんはどうしようもなくなって川に飛び込んで、ずいぶん流されたけどそのおかげであいつから逃げきれた。


そして教会の人に助けてもらった。


そんなあいつが今姉さんを助けられる薬の材料がとれる場所のそばにいる。


もちろんその街の人達も黙ってやられたわけじゃない。


探索者ギルドはあったし私でも名前を聞いた事のある探索者だっていた。


それに他の街からも立ち向かっていった人もいたし、その中にはやっぱり有名な探索者もいた。


でも皆殺されてしまった。


「お支払いできるのはこの程度しかありません。ですがどうか。私に出来る事ならどんなことでも!」


ポケットから袋を取り出して差し出した、


中身は私の全財産だけど精々大人一人が一月生活出来る程度しかない。


その人はぞれをじっと見ていたけど、すっと立ち上がった。


「丁度いい。ついでに取って来てやろう」


簡単そうにその人は言うと袋を受け取らずに出て行ってしまった。




教会で掃除をしていた私の足元に無造作に袋が投げられた。


袋を開くと中には少し赤みがかった黄色い花が沢山入っていた。


「あら、これは火の花ね」


カツェさんが一本取り出してまじまじと見ていた。


「これが火の花」


それもこんなに沢山。


「だから言ったでしょ。あの人はやさしい人だって」


慌てて外に出ると背を向けて歩いていくあの人がいた。


すぐに正面に回って頭を下げた。


「あの、ありがとうございます!」


これで姉さんを助けれる事が出来る。


「お礼! お礼をさせてください!」


結局この人はお金を受け取ってくれていない。


それ以外なら体を差し出すくらいしかない。


これでも容姿は悪くないと言われている。


私に出来る事なんかそれくらいしかなかった。


けどその人は興味なさそうに私の横を通り過ぎていった。


「ついでだと言った」










最近ようやく慣れてきた固いベッドに腰を下ろした。


手には広場で買ってきた何かの肉の串焼きが2本。


かぶりつくときつい塩味と固い肉。


正直おいしくない。


よくあるラノベとかでは「うまい! 肉汁が!」とか言うが、そんな事あるわけない。


おいしく食べるように作られた肉だから焼肉はおいしいんだ。


野生のうさぎなんかの肉に塩をまぶして串焼きにしただけの物が現代日本人にとってそんなにうまいと感じるわけがない。


じゅわっと肉汁が、とかアホか。


現実なめんな。


けどそれでもまだこの宿の食事に比べればましだ。


固いパンのようなものと塩味だけで野菜と小さな肉が浮いているスープ。


それが当たり前。


おいしくない串焼きを1本食べたところで何やら部屋の中に羽音がする。


あれだ。夏の夜に耳の周りをブンブン飛ぶうっとうしい奴だ。


日本にいたころなら殺虫剤を手に取っていた。


でもこの世界にそんなものはない。


なら叩き潰すしかないがどうも苦手で、なかなか見つからないしすぐに見失ってしまう。


だが今の俺は目を閉じて集中すればどこにいるのか何となく分かるのである。


飛び回っている奴の動きが。


しかし邪魔するように扉が叩かれた。


「レント様。いらっしゃいますか」


無視だ無視。


集中だ。


だがまた扉が叩かれた。


「レント様。いらっしゃいますね」 


この声はカツェさんか。


カツェさんはスタイルの良い金髪美人のお姉さん。


しかもシスターとか最高じゃないか。


もっとお近づきになりたいと常々思っている。


いかん集中だ。


「レント様。レント様。レントさあああまあああ!!」


物凄い勢いで扉が叩かれている。


カツェさんうるさい。


ちょっと待って。すぐ済むから。


「うるさい。いないから帰れ」


俺の口が言いたい事を勝手に変換してしゃべった、


「いるではありませんか。失礼します」


ガチャっと扉が開いた瞬間だ。


一瞬奴の姿が見えた。


俺は手に持っていた食べ終えた串を投げつけた。


串は狙い通りに込めた魔力で奴を消し飛ばしたが、カツェさんの頬をかすめて廊下の壁に刺さってしまった。


串がかすったせいでカツェさんの頬からうっすらと血がにじんだ。


ごめんよカツェさん。


どうしよう。


女の人の顔に傷をつけるなんて最低だ。


とにかく謝らないと。


責任だって取りますよと。


「俺はいないと言ったぞカツェ」


勝手にしゃべる俺の口。


まるで自分は悪くない。扉を開けたお前が悪いと言わんばかりだ。


これは俺の意思じゃないんだよ


女神さまからもらった力のせいなんだ。


「おはようございますレント様。あなたにお願いがあってまいりました」


カツェさんは今日も美しい。


しかも最近は俺の事に慣れてきたのかスルーしてくれる。


けど依頼か。


カツェさんのお願いなら聞いてあげたいけど、今食事中だから少し待ってくれないかな。


「失せろ」


どうしてそんな変換するんだ俺の口。


「ここにいるポーリーを助けて欲しいのです。正確には彼女の姉ですが」


「俺は忙しい」


ごめんよカツェさん、


「お願いします! どうか、姉さんを助けてください!」


気が付いたら女の子が頭を下げていた。


え、誰この子。


「この子の姉は血の呪いにかかっています。あなたも聞いた事があるでしょう。あれを魔法でなんとか出来るとすれば聖女様か最高司教様くらいです。しかしお二人にお会いするなどまず不可能」


地の呪い。


ああ、なんか聞いた事あるような。


確か、なんか北の方の土地の風土病だったような、ないような。


でもあれってそんな大層な病気だったかな。


さてはカツェさん大げさに言ってるな。


「血の霊薬エリクサ。それが必要です。そのための材料を取って来て欲しいのです」


地の霊薬エリクサね。


以前そんな名前の薬の話を聞いたような、気がする。


あっ思い出した。


地の病の事だね。


カツェさんてば、俺が知らないと思ってその気にさせるために大げさに言って。


呪いが薬で治るわけないじゃないか。


けどお姉さんのためってのは嘘じゃないと思う。


カツェさんがそんなウソをついたりしないだろうし。


「姉のためか」


姉と言えば友達の佐々木君には三つ年上のお姉さんがいる。


何度か会った事があるがとてもきれいな人で、料理も得意らしく佐々木君の毎日のお弁当もお姉さんが作っていた。


だがどうも佐々木君に対しての態度がまるで恋人のようで気になっていた。


ある日佐々木君が変な顔をしていたから話を聞いてみると、隠していたエッチな本が全て姉物に変わっていたと返事が返ってきた。


佐々木君はあれからどうなったんだろうか。


「私に出来る事なら何でもします。だからどうか」


女の子ことポーリーが必死な様子で頭を下げている。


やめてよお。


出来たら助けてあげたいけど、それに見合う報酬を払えそうに見えないんだよ。


無料で助けてしまうと自分も助けろとか言ってくる奴が必ずいるんだ。


「必要な物はここから一番近い所ならベル火山。そこに咲く火の花です。近くにはお湯が沸く事で有名な町がありますが、ご存じのようにあそこは」


ベル火山。今ベル火山と言ったか。


「知っている」


知ってるよ。


確かあそこは温泉が名物の街。


実はこっちに来てから満足に風呂につかった事がないんだ。


銭湯的な物はあるんだが人が結構多くてゆっくり出来ない。


だから話には聞いていたけど一度その温泉街に行ってみたかったんだ。


たしか1年程前にお湯の品質を魔法的な物で良くするために街全体で改装工事を行うと聞いた。


さすがにもう工事も終わっただろう。


ポーリーがお金を差し出してきたけど手が震えていた。


多分大事なお金なんだろうね。


こんな小さな女の子からそんなお金を受け取るわけにはいかない。


「丁度いい。ついでに取って来てやろう」


だから温泉旅行のおみやげに取って来てあげるよ。






町を包囲されてからもう100日になるだろうか。


町の出口は北と南にあるがどちらも魔物に塞がれてしまった。


特に南は巨大な獣がじっとこちらを見ている。


戦いに向かった探索者は誰一人帰ってこなかった。


何とかやり過ごそうとした者はみな潰された。


奴は普段動かずただ町の出入りをさせないだけ。


入ろうとする者も出ていこうとする者も殺された。


壁に穴を開けて逃げ出そうとした者も変わり果てた姿で壁の向こうから内側に投げ捨てられて帰って来た。


この街は食料のほとんどを他の街との交易で成り立っているからこのままでは誰も出入り出来ず近いうちに皆飢えて死ぬだろう。


「ハロム様。屋敷の貯蔵庫が」


領主様も兵を送ってくださったが奴には武器も魔法も通じずに皆殺された。


もうこの街には戦う力などないし助けも来ないだろう。


戦う力のない者が向かって行っても殺されるだけだ。


かと言って食料ももうない。


「そうか、ここまでか」


どうにもならない。


そんな頭を抱えた時だ。


耳を劈くすさまじい音とともに窓ガラスが砕け散った。


「何事だ!」


ガラスの無くなった窓から外を見るとあの忌々しい奴が悲鳴を上げて黒い炎のようなものを吹き出しながらゆっくりと倒れた。


その背から黒い炎をまとわせた小さな何かが飛び降りた。


あれは人か。


慌てて南門まで行くと人だかりが出来ていた。


だがそれがゆっくりと広がり一人の男が現れた。


それは黒。


今まで数えきれないほどの探索者に会った。


一目見て強いだろうと感じる者もいた。


だがこの男は違う。


ただ恐ろしいと感じた。


だがそれでも私は声をかけた。


震える体をごまかして、化け物を倒してくれた男がどんな相手なのかを知るために。


「失礼。私はこの街オーセンの責任者でハロムと申します。探索者の方とお見受けします」


その男は初めて私に目を向けた。


ただ目が合った。


それだけで思わず悲鳴が喉をついたが無理やり飲み込んだ。


その男は何も言わずに私の目の前までやってきた。


「お名前を伺いたい」


そう絞り出すのがやっとだった。


「レントだ。一晩宿を取りたい。明日には火山へ向かう予定なんでな」


その名を聞いた途端に冷や汗が背をつたった。


レント。その名を知らない者はいない。


「あ、あなたが、漆黒の」


気が付けば喉元に剣が突き付けられていた。


「その名で呼ぶな」


ピクリとも動かない剣を前に必死で首を縦に振った。


漆黒の魔剣士レント。


曰く、呪いの魔剣を操る。


曰く、女神様に呪いを受けている。


だが一つだけ言うならば恐ろしく強い。


「し、失礼しました。しかし北の火山に向かうには狼の群れが」


街の南はあの化け物がいた。


そして北側には無数の狼がいる。


しかも一匹一匹が大きく強く統率がとれている。


そちらも沢山の探索者達が犠牲になった。


倒されて減ったと思ったらまたどこからか集まって倒しきれない。


群れに恐ろしく強い統率者がいてそいつを倒さない限り終わらないのではないか。


以前に命からがら逃れてきた探索者が大きな狼を見たと言っていたから多分そいつなのだろう。


「聞こえなかったのか。宿はどこだと聞いている。たかが獣の群れごときで騒ぐな」


その言葉通り次の日に彼が北門から出て行った後には、統率者と思われる一回り大きい狼とあれだけ我々を苦しめた数えきれない程の狼が全て切り殺されていた。





温泉入りにベル火山の麓にある街に行く途中でっかい猪に遭遇した。


本当におっきくて何かと思ったね。


ああ、どうやって行ったかっていうとね、俺は飛べるんだ。


飛ぶって言うか剣から黒い魔力の炎っぽいのを出してロケットみたいにね。


一つ問題があって昨日の夜は楽しみすぎてあんまり寝れなかった。


寝不足でそこに日差しもあったかくて飛びながらついうとうとしててね。


気が付いたら茶色い草原が迫ってて慌てて逆噴射。


本当にぎりぎりで剣が柄まで刺さったところでなんとか着地出来た。


全身に絶叫マシーンなんか比較にならないようなすごいGがかかったけど、今の俺は割と平気だった。


ところが地面かと思ったんだけどそれがでかい猪だったんだ。


ちょうど落下地点にそいつがいて頭に剣が刺さって、そのまま内側から焼いちゃった。


あの猪も運が悪いよね。


丁度目的地の街のすぐそばだった。


だから後始末をお願いしたらなんか街の人からものすごく感謝された。


後で聞いたんだけどあいつに街を封鎖されて食料不足になってたんだったんだって。


あと街の代表者のハロムって人に名前聞かれたから答えたんだけど。


「あ、あなたが、漆黒の」


思わず剣がでた。


「その名で呼ぶな」


ホントにやめてよ。


何だよ漆黒って、


気が付いたらみんな俺の事を漆黒の魔剣士とか呼ぶんだよ。


ひどい中二病の名前だ。


最初に言い出した奴は絶対に許さんぞ。


ギルドに行くたびにヒソヒソ言われるんだ。


あれが漆黒とか漆黒の魔剣士とか。


せめて魔剣士だけにしてよお。


何の罰ゲームだ。


「し、失礼しました。しかし北の火山に向かうには狼の群れが」


狼の群れか。


でも今の俺にとっては大した事ないと思う。


「たかが獣の群れごときで騒ぐな」


我ながら何言ってんだと思うよ。


一般人は騒ぐに決まっているだろ。


犬とか狼の群れとかはめっちゃやっかいなんだよ。


数は力だからね。


とは言うものの、以前なら腰が引けていただろうが今なら何とかなる。


大丈夫大丈夫。


任せてよ。


レベルの力でゴリ押すから。


街の人達は本当に困ってるみたいだから、何とかしてから火山に行くよ。


でもそんな事よりまずは温泉だよ。


疲れたから宿を教えてって言ったら猪のお礼だってただで泊めてくれた。


良いお湯だったし貸し切りだったから泳いじゃった。


けど食事はなけなしの食材をかき集めようとしてたから止めたんだ。


あの猪食べようよ。


魔物を食べるなんて危険だって。


うん、まあ普通はそんなんだけどね。


けど俺の魔剣で殺したから大丈夫なんだよ。


ホントホント。


女神さまの祝福がかかってるからね。


確かにそう見えるけど別に呪われてるわけじゃないんだ。


と言うか聖剣と同じなんだよ。


その結果、町の人達ががんばったらしく晩御飯は猪尽くしだった。


猪の肉って癖が強いって聞いてたけど料理する人の腕がいいんだろうね。


すごくおいしかった。


次の日に街の北側から出るとすぐに狼の群れに襲われた。


聞いてた通りなんだけど予想より多いんですけど。


あと一匹ひときわ大きい奴がいてそいつ含めて皆殺しだ。


今の俺は容赦ないぞ。


それから火山の中程で火の花を見つけたから適当に引っこ抜いてそのまま飛んで帰ったよ。


すぐに火の花を教会に投げ込んだら中からカツェさんとポーリーの声がした。


これでお姉さんも大丈夫だろ。


ポーリーにお礼をさせてくれって言われたけど、悪いけど俺の好みは年上のお姉さんなんだ。


具体的にはカツェさんとか。


それに温泉は気持ちよかったし猪はこの街の串焼きなんか比べ物にならないくらいおいしかった。


だから気にしないでいいよ。


「ついでだと言った」


そして俺はクールに去るぜ。


またそのうち行こう。

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