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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
最終章
643/656

643話

「――ふぅ、ひとまじゅはすぉれなりに満足」

「だったらさっさとどけ」

「ぁん」

「喘ぐな」

「尻を叩くからだろうが。まったく。ふケベなヤツめ」

 うるせぇ。他にちょーどいいもんがなかったんだよ。《《体勢的に》》。

「はぁ、これでしばらくは我慢してくれよ? 欲求不満さん。あむ」

「とかなんとか言いながら指舐めてるそー。無意識か? お前のが欲求不満らろ」

「…………うるさい」

 そうですよ無意識ですよーだ。

 仕方ないだろ。《《こっちに関しては貧乏性なんだよお前と同じで》》。

「ふひゃひゃひゃ。未だに名残があるな~? 人畜生ぉの」

「歯がねぇから笑い方変だぞー。ついでに顔も変だし言葉も変」

「ん? なんだ歯がある方が良いのか?」

「……少なくとも終わった後ならな」

 さっきまでなら……うん。ないほうがアレだけど。

「《《クハ》》。我としても……少なくともシテいる間は自分のは無いほうが良いな。が、お前に関してはあるほうが良い。やはり刺激は強くないとな」

「うん。知ってる」

 アレだけ抱えられるわ指定されるわすりゃ嫌でもわかるわお前の趣味くらい。

 スケベめ。

「ふぅむ。ナニを考えているかはわかるが、先の自らを省みると良い。棚上げにもほどがあるからな」

「うるせぇバーカバーカ」

「今度はお前が引っ張られたか? コロナ辺りに」

「バーカ」

「……あ~なるほど。お前はその減らず口を塞いでほしいんだな?」

「んなわけあるかバーカ。寝言は寝て言え」

「照れるな照れるな」

「寄るな」

「おいおい。終わった途端に冷たいじゃないか。なんだ? 賢者タイムってやつか?」

「そんなもんはお前のせいでとっくに消えてる」

 単純にお前がさっきよりも落ち着いてるから俺もクるものがないだけだっての。

 それに、シようと思えば何回でも――。

「ん……おい。落ち着いたんじゃ」

「余韻を味わうのもまた趣があるだろう?」

「お前に情緒を嗜む心があることのが驚きなんだが?」

「最近できた」

「へー」

 人でなしに心って芽生えるんですねー。しかもそんなにあっさり突貫工事で。

「もう先ほどもっと濃いのをしたんだから二回も三回も十回も二十回も同じだろ。なぁに。それ以上はしないさ。あいつにも多少悪いと思うしな」

「お前に罪悪感ってあるんだな」

「最近できた」

「へー」

 人でなしの分際で以下略。

 まぁ、でも。そのくらいなら良いか……とか思ってたら《《手前までしちまった》》わけだけど。

 さすがにこれ以上は理性を強く持とう。

 俺の心の良心のためにも。

 あーあと。後始末も忘れないようにしないとな。

 残り香でカナラが当てられるのも可哀想だし。

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