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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
最終章
629/656

629話

「ほう? 既に底を見せた君が今さら私を止められるとでも?」

「……」

 学園長が魔帝になるために当時の魔帝を何人かしばいたのは知ってる。その中で当時最も実力があるって言われてたのがこのおっさんってことも。

 そんときから何年も経ってるし、当時からして底を見せてるとは思えないが……。このおっさんは初見殺し以外通じないとなれば学園長の力を見せるのは正直望ましくないんだよなぁ~。

 だから、この人にビビって引いてくれるのが一番良い結果なんだが……。

「……? ……? ……っ」

 って、おい。コロナ。お前なにして……。

「ふん!」

「え、あのどうし――あいたっ!? え!? なんで!? なんで私!!?」

 う、おーい。なんでお前学園長蹴りいれてんだーい。

「ふん! ふんふん!」

「痛い! や、やめっ。やめてくださいって!」 

 追撃まで。

 お前、なんでそっちに!

「あ! し! の!」

「は、はい?」

「あ! れ! あーしーろぉ!」

 おっさんを指差して……お前……そういう。

「あ、あーしろ? こ、こーし……ろ? とか?」

「自分が相手したいみたいっす」

「あ、天良寺君! だ、大丈夫ですか!?」

「えぇ、まぁ……」

 投げられたってのが功を奏してダメージはそこまでないもんで。殴られてたらもう少しヤバかっただろうけどさ。

「そ、そうですか。よかった。それで、相手したいってつまり……いたた」

「ふん! ふん!」

「コロナ……もうやめてやれって……」

「ふん! ふん!」

 聞きやしねぇ。まぁ子供がじゃれてるくらいの力加減だしほっときゃいいか。

「コロナが、その人とやりたいって」

「そう……ですか」

 最初ビビってたけど俺がやられるのを見て一気にやる気になってくれたし。それに、たぶんリリンやアレクサンドラすらこれを見越してたはず。

「わかりました。やはりこういう風にしなければならないんですね。ミスター・デュアメル。天良寺君。二人の試合の場を設けましょう。そして――」

「勝てば私は彼女を手に入れ、彼は例の件を帳消し……といったところかな?」

「それが手っ取り早いかと」

 この展開を。

 だから止めたんだけどな。初見殺しのために。

「二人とも、よろしいですか?」

「私は構わない。そして、彼に選択肢もなければ拒否権もない。受けるしかないんだよ」

「……わかってますよ」

「あぁ……だが心苦しいな」

「……? なにがでしょうか?」

「彼女が出るんだろう? 未来のフィアンセをいじめるのは気が引けるなぁ~」

 とか言いつつ。あんたスゲェ良い顔してるよ。

 薄々気づいてたけど、結構サディストなんだな。あんた。

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