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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
アノン語る幕間 原初壱花、その一生
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587話

(お仕置き……お仕置きって……)

 仮に、今ここでお仕置きをしたとして。果たしてそれは罰足り得るのだろうか。

 当然とぅーぜん否。

 彼女は大概は喜ぶよ。少なくともさっき見たことやそれに類似する行為ならばね。

 とはいえ、ここで何かしなければ区切りにならないのも事実。

 なので。

「せい」

「……んきゅ!?」

 パチンっとお尻を一叩き。思わずといった感じで変な声出たねぇ。刺激が強かったかな?

「…………」

「あ、あの~……――っ!」

「はぁ……はぁ……」

「ぅ……」

 振り返る彼女の顔は赤らんで、そして瞳は潤んでいると。

 まぁね。予想通りよね。彼女の性癖からして。

「ごく……」

 普通であれば。ここで雄を解放したいだろうねぇ彼。でも許されない。何故ならば。

(い、いかんいかん。下に母さんたちがいるのにできるわきゃない)

 静かぁ~にすればわんちゃんできないこたぁないだろうけど……この二人激しいからなぁいちいち。秒でバレるだろうさ。

「…………」

「ぇ、ちょっと……」

 けれど、そこに考えが至らないくらい盛り上がってんだよねぇ彼女。

 だから体を起こして彼に体を預けて小指を絡めるなんてやらしいことできんだ。あぁもうやらしい。

「才様……お情けを――」

「……! い、いや! 無理!」

 あくまで誘いだけれど。彼に対して大量のフェロモンをぶちこんだもんだから一気にカーっと熱が昇ったようね。お顔真っ赤っか。あっちのほうはチョモランマ。

 こんな状態でよく襲いかからなかったね。よしよししてあげたいくらいだよ。

 でも残念。そこに誉めてくれる人はいないし。なにより。

「ご、ごめんなさい!」

 激しく突き放されて悲しいわよよよってね。

「お叱りのところやのにはしたなくも求めてしまいまして……。これからは身の程を弁えます故どうかお許しを……」

「は、はい? いやちょっと……そこまでしなくても……」

 ちょっと突き放しただけで恭しく頭を下げられて懇切丁寧に謝罪されたら困惑するよねぇ。子供なら特に。ふふ。あわあわして可愛いね。

「もうしばし……お捨てになるのは……」

「す、捨てって……っ。なに言ってんすか!」

 突拍子に思うだろうから彼女視点で補足しよう。

 例えば武家やら豪族貴族の類いで考えればわかりやすい。君主や上の立場の人間の一声で身分の低い者。特に昔なら男尊女卑だから立場がすこぶる低くなるわけよ女って。

 そしてなぜだか彼女は彼との関係にのみその時代のレベルを持ち込んだりするもんだからこんなややこしいことになってるわけ。

 いや本当。ウケる。

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