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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
アノン語る幕間 原初壱花、その一生
566/656

566話

(初めてはあんま覚えてないけど……その後のは割りとこの人も良い感じというかノリノリだった気がするんだよな。だから不感症とかそういうんじゃないだろうし。さっきからの様子を見ても……俺を……え~……悪くは思ってないだろうからそのあたりは良いとして。だったらなんなんだろ?)

 記憶をほじくり返して彼女との営みの日々を思い出してみる。

 そして一つ気づいちゃったわけよ。

(そういやずっと俺からシてたな。誘われたりはしたけど。でも今日はずっとやられっぱなしで……え、そういうこと? まさかそんな単純なことなわけ……)

「……ぅ。ぐすん……」

「…………」

(いや、試してみよう。それでダメだったらあれだ。お互い様ってことでうやむやにしよ)

 たとえ今からすることで彼女を怒らせたり困らせることになったとしても。目の前……というか腹の上で泣かれるよりも。罪悪感を抱かれるよりマシってね。

「……泣きたいのはこっちなんですけど」

「……へ?」

「押し倒されて、散々○されて、それでイマイチだったとか。花菜さんから見ればガキに見えるかもですけど、これでも男なんで。プライドくらいあるんですわ」

「…………」

「正直、傷ついてんすよ」

「……! ご、ごめんなさい……」

(やべ。方向性間違えたかこれ)

 後悔先に立たずってね。

 さらに涙を溢す彼女に動揺しつつ。彼女は彼女で気が動転し過ぎて彼のつたない演技に気づかずでちぐはぐだなぁ~この二人と思う今日この頃。

 けど、まぁもう引けないよね~。どうあれさ。

(あぁもう! とにかくヤりきるぞっ!)

 なので、続行。

「……傷つけたお詫びしてください……よっ」

「……!」

 襟を掴んで今度は彼が彼女を押し倒す。さっきと逆だね。

(や、やべ。勢いつけすぎた)

「だ、だ――」

 大丈夫かと聞こうとしたけど。やめたみたい。

 ゴンって彼女の頭が床にぶつかったからそう聞こうとしたけど。それでもやめた。

 だって今の彼女、さっきと打って変わってい顔してるんだもの。そんな顔見たら鈍い彼だって確信に至る。こんなわかりやすいサインがあれば気づけるさ。

 まぁ、この場合さらにわかりやすいサインがあるからなんだけどね。

 ほら、《《まだ最中》》だから。

(や、やっぱこの人……される方が良いんだ……。結構キツい態度とったけどそれ以上に――)

 と、ここはカット。少し品がないよ。その合わせは。

 それよりも、さっさと彼女の機嫌を良くして上げなきゃね。

「あ、あんだけ好き勝手したんだから。今度は俺の番で良いですよね?」

「……………………」

(坊の番……さっきみたいなことを今度はしてもらう……?)

 この後を想像して。瞳が溺れて。涎が滴る。

 発情した獣は下品なものだね。どんなに美人でも本能に呑まれれば意地汚く見える。

 けど。今は良い感じに働いてるから結果オ~ラ~イってとこだね。

「は、はい……。心よりのお詫びを込めて……この身でもって慰めてください……」

「……ごくり」

 搾りカスと言っても差し支えない今の彼を、完全にその気にさせちゃったんだから。

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