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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
アノン語る幕間 原初壱花、その一生
552/656

552話

「「…………ちょっとたんま」」

「……? う、うん」

 二人顔を見合わせて、すぐに背を向いて考察ターイム。

 有意義な話し合いが起こるとも思えないけど。ま、見てみよう。

「なんで女子が話しかけてくるんだ? しかも学年で良い意味で一番の有名人が」

「知るか。俺が聞きたいわ。確かに派手なのに絡まれる星の元に生まれてるけども。……ところで悪い意味で学年一の有名人って誰?」

「男なら俺。女なら伊鶴」

「超納得」

 片やアフリカ系だけでなく平気で遅刻してくる男。片や髪は染めるわ、下品な内容を大声で話すわ、絡まれたら倍返し当たり前のバイオレンスガール。

 うんうん。そりゃ目立つね。そしてそんな二人に絡まれる地味な男も大変だ。なんなら幼馴染みにも目立ちそうなのがいるしね。まるでどこぞの主人公みたい。ウケる。

「とりあえず、こんなチャンスは滅多にない。女子に近づけるんだし、お誘い受けて良いよな? 才もタイプだろ? 黒髪美人」

「……」

「……?」

 チラリと目を向けて改めて夕美斗ちゃんのルックスチェック。

 背は女子にしては高め。背の低い男子程度には高く、手足もスラッと長い。胸は大きすぎず小さすぎず体のバランスを損なわないサイズ。顔立ちはキリッとしていて男受け以上に女受けが良さそう。かといってキツい印象がないのは表情が固くないから。

 確かにこれだけの材料があれば彼の好みの範疇には入ってたろうね。つい先日までなら。

「いや……俺は別に……」

 彼女を知ってしまったからね。彼のストライクゾーンは狭まってしまったのさ。だからといって困らないけどね。彼以外は。

 彼が困る理由? 愚問ね。オカズに困るから、だよ。

「相談? は、終わった?」

 彼が目を向けるもんだからもう良いのかと思ったんだろうね。口には出してないけど結果を催促してるよ。

 昼休みの時間は短いからね。表には出さないけど焦ってるのさ。

「あーいや……とりあえずなんで急に――」

「って話もしたいけど、それはランチと一緒ってことで」

「うん。良いよ。そりゃ急に話しかけたら困るよね。ごめんね」

「いやいやいや。女の子とランチなんて滅多にできないし、嬉しいよ。しかもこんな美人となんてさ」

「ふふ、ありがとう。お世辞でも嬉しいな」

(ナンパしても下心見えすぎでフラれるもんな。見た目もイカちぃし。にしてもこいつ……和宮内はなんで俺たちに――ん? 和宮内? あれ?)

 と、目の前の同級生の名字を思い出したようだね。その姓がこの前出会った女性が深い繋がりを持っている財閥。その一族ということを。

 話しかけられてパニくってたから気づくのが遅くなったみたいだけど。でも、ある意味気づかない方が良かったかもね。だってさ。

(も、もしかしなくても和宮内こいつの目的って……俺?)

 時間を置いてわざわざ接触してきたんだ。不気味過ぎて震えちゃうね。

 特に彼は小心者だから、さ。

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