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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
一月編 前編
478/656

478話

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……あの」

「……なに?」

「なんで、こんなことになってるんでしたっけ?」

 兄妹水入らずででっかい風呂に入ってることのことかな? それ以外ないよねー。あるわけないよねー。

 そんなこと言われてもよ。

「俺が聞きてぇよ」



「飯も食ったことだし。風呂にでも行くか」

「お前も行くんだよ」

「なんでだよ」

「そりゃあお前、露天と言えば決まってるだろう?」

「酒かよ」

 クイックイッじゃねぇんだわ。どこで知ったよその風習とジェスチャー。

「……」

 おい。犯人わかったぞ。ジーッと期待込めてこっち眺めてるお前だな?

 そもそも妹の前で異性同士で風呂入ろうとか言ってんじゃねぇ。気まずいだろ。

「いってらっしゃーい」

「なんでお前は普通に送り出すのかね?」

 久々に会ったときもこっち来たばっかのときも怒ってたくせに。

 なにがお前を変えたのか。

「いや~。もう今さらじゃないですか。姪もいるのに」

「ばぁぶぅ~。さっさといくばぶぅ~」

 クソ。叔母と姪でずいぶんもう仲良さそうじゃないか。素晴らしいねほんと。

 だが灰音。テメェはでかくなったら覚えてろ?

「ぶるぶる。父が野獣のような目でこっちを見てくる……」

「あ?」

「なんでもないでーすごめんなさーい」

「兄様。まだ赤ちゃんにそんな顔……」

「くーはっは。怒られてやんのー」

「てんめ……」

「兄様~?」

「……チッ」

 クソ。結嶺がいると下手なことできねぇ。心強い味方ができてよかったなクソガキ。

 だが忘れんなよ? いないときの扱いがどんどん酷くなるだけだからなっ。

結嶺いもうとが素直に送り出すのが嫌なら連れてけば良いだろう? 貴様も、将来の義姉と裸の付き合いとやらをするといい」

「義姉……って。確かにリリンさんはそうなりますけども」

「ん? あーちがうちがう。煙魔そっち煙魔そっち

「へ!? 私!?」

「……指さされたほうが驚いてますけど?」

 そりゃあね。俺もリリンかカナラならカナラのが絶対嫁嫁してると思うけど。本人は正妻ポジ望んでないんだよな。顔真っ赤にはしつつもさ。

 ……愛されてるのは嫌というほどわかるけど。それを含めてなんか結構ドロドロした関係に見えなくもないよな。

 片や肉体関係だけで構わない女と片や愛人で構わない女。

 そしてすでに肉体関係だけの女との娘がいて。愛人サイドは未だいたしておらずっていう。でも卒業したらヤることは予約済み。

 いや本当に我ながら最低な男だな俺。どうしてこうなったよマジで。なにを間違えたのか。

「我としても。煙魔ならまぁ才を任せても良いと思うしな。臭いは強いが、他の有象無象のが染み付くより億倍マシだろうよ」

「そ、そないなこと言われても坊の気持ちもあるしやね……」

「俺としてもお前みたいな女が嫁のが将来安心なんだけど」

「――」

 都合の良いを極めた女だし。俺みたいなクズ受け入れる女お前くらいしかいないもん。

「ただいま戻ったぞ~……って、儂のいない間になにしてるんだお前ら」

 と、ここでロッテが戻ってきたか。色々お勉強できて満足そう。

「も、もうこの話はおしまい! 坊の伴侶は追々決めたらええやろ。ちゃーんとええ見繕うつもりやし。とりあえず皆でお風呂いこ!」

「え、あ、儂も?」

「ろぅちゃんも!」

「私も?」

「結嶺ちゃんも!」

「「え、え~……」」

 と、まぁこんな感じで皆で風呂に行くことになったとさ。

 ……意味わかんねぇ。

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