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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
一月編 前編
472/656

472話

「ほな、悪い子も反省しに行ったことやし。改めてゆっくりしたってな」

「……はい」

 今の間。わかるぞ。行ったんじゃなくてお前が飛ばしたんだろって言いたいんだよな?

 でも助けてもらったし、なんかただ者じゃない雰囲気もあるし、お面怖いしで言い出せないんだよなきっと。

「なんかあったら私にでも他の子にでもうたらええから」

「はい。ありがとうございます」

 ふむ。前に会ったときは俺とも久しぶりだったし、カナラも制服だったからここまでかしこまることもなかったんだけど。

 やっぱ着物にお面つけて、さらにはこの場にいる新年を祝う鬼たちから伝わる些細な緊張感とかが相まってるんかね。

 メズキほどでないにしろ、一応最初からいたからね、うるさくておっかない鬼さんたち。

 それがメズキが飛ばされた瞬間冷や汗かきはじめたら感化もされるよな。

 でもな、結嶺。お前忘れかけてるけどさ。こいつ、最初に会ったときは制服だったんだわ? つまりさ。

「結嶺。一応こいつ俺と同級生だからお前より一学年上、なんならほぼ飛び級のお前のが上だからな?」

「……はっ!?」

 いや本当に忘れてたんかーい。

 貫禄すげぇし実際年上だけども。

「あ、す、すみません……仕草とか話し方とか所作とか綺麗でつい」

「ふふ。気にせんでええよ」

 うわ~。若干恥ずかしがってる結嶺の顔見てスイッチ入ったな?

 お面つけてても顔がほっこりしてるのがわかるぞ~。

「とりあえず、立ち話もなんやから。ほら、座って座って」

「あ、は、はい。お隣失礼します……」

「どうぞ~」

 ……ほほう。こりゃいいね。発育の良い金髪美少女と小柄な黒髪美女が並んで座って華やかだこと。

 それでカナラがお面はずしてたら完璧なんだけど、一応素顔は雪日やメズキには見せてるっぽいっちゃぽいが他の人にはあまり見せてないらしい。あの二人以外だとゼロではないけど知らない人のがずっと多いんだってよ。

 本人曰く、醜女ブス見ても誰も喜ばんってことらしいが……実際問題他のヤツらの顔見ても大差は……あるけど。目の大きいヤツもいるし、そこまで気にしなくても良さそうなもんとは思うんだよな俺は。

 かといって、無理して外せってのも違うよな。こいつはこいつのペースでやっていけば良いさ。

「――本当にしっかりした方ですね。物腰も柔らかくてそれでいて気品があって。なんだか兄にはもったいないです。兄は数年会わないうちに実力はつけましたが色々なことを人任せにしたり、他の言動も乱暴だったり適当だったりしますので」

「え、えぇ~? 坊も結嶺ちゃんもしっかりしてはるよ?」

「しっかりしてたら艶眞えんまさんやロゥテシアさんに頼りきりにならないはずです。兄はもう少し自立したほうが良いと思うんですよ」

「それは……あ、あかん。そしたら色々と口実がなくなってまう!」

「いったい兄のどこをそんなに……。いざというとき頼りになるのはこの前よくわかりましたけど」

「い、色々あるんよ色々! そ、そういうモノなんよ。こ、こういうのは」

「……」

 なぁ~んかほんの数十秒意識はずしただけで仲良くなってない?

 まぁ俺って共通の話題があるわけだし、仲良くなるのに越したことはないから良いんだけどさ。

 ただ結嶺よ、お前俺のことちゃらんぽらんなヤツって思ってるんだな。

 間違ってはないけど、妹にそう思われてると悲しいぞ。微妙に。

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