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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
一月編 前編
462/656

462話

「よう。久しぶり……ってほどでもないか」

 年が明けて、朝早く学園を出て結嶺との待ち合わせ場所へ。

 クリスマスもだけどこの時期も場所によっちゃあ人が溢れるもんだからわざわざ人が少ないとこまで電車で来たよ。すぐカナラんとこ行くのにさ。

 でも、さすがに学園内で数日消えるのは色々とマズいし。

 かといって人目のつくとこでゲートん中入るのもヤバイ。

 学園内でゲートばんばん開いたり向こうに行ったりしても咎められないのは学園長のお陰なんだろうな。

 いつもありがとうございます学園長。

「ふふ。はい、そうですね。喜ばしい限りです」

 久しぶりとも思わない程度の頻度では会ってるしな。去年だけでも三回くらい。そんで今も年明けてすぐだし。去年……いや、一昨年から考えるとこんな気軽に俺たちが会えるなんて奇跡だよ奇跡。

「あ、忘れぬうちにご挨拶を」

「あ~そうか。言う相手がいないからいまいちピンと来ないんだよな」

 そういや帰省してるヤツらから漏れなくメール来てたけど、そういうことだったんかな。返さないとうるさそうだしあとで確認しとこ。

「兄様。今年はちゃんと言えますね。明けましておめでとうございます」

「ん。おめでとう。じゃ、挨拶もしたことだし。行くか」

「はい。今からドキドキします」

 こいつはすでにプロに混じって他の星に行ってるから初めてじゃないだろうけど。一般的な感覚からしたらグレーだもんな。

 ……ま、グレーなことは黙ってんだけどさ。

 学園長がお偉いさんから許可取ってくれてるけど一応他の人には言わないようにと言い含めてはいる。

 だから結嶺が口を滑らせるとちょっとヤバイことにはなるんだよな。

 こいつがそんなヘマするとは思えないってのもあるけど。やったらやったでそんときゃそんときだし、リリンもいるからなんとかなんだろ。

 ってことで完全に人の目がなくなるとこまで行ってから向こうへ行くとしますか。



「ここ……が?」

「あぁ」

「なんだかまるで……いえ、なんでも」

 困惑顔でキョロキョロしてるしてる。

 うんうん。わかる。わかるぞ。ゲートをくぐると、そこはまるで地獄みてぇな場所だからな。

 だって赤い空に黒い雲。この時点でビジュアル悪いのにさらに地面も赤い。そんで極めつけが和風のお屋敷。

 完全におとぎ話のやべぇ場所だもん。そら困惑どころかビビり散らかすわ。

 いや本当。ここにいきなり放り出された俺よく発狂しなかったな。半ば人間やめてたとはいえさ。

「地獄みたいだろ?」

「……」

 答えが帰ってこない。

 でもな義妹いもうとよ。

 沈黙は是ってことも……あるんだぜ?

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