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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
一月編 前編
436/656

436話

『起きろおらぁ!!!』

 うるさっ。

 朝っぱらからなんの連絡かと思ったら荒っぽいモーニングコールかよ。

『おうこら返事せんかいワレェ!』

「起きてますよ。なんなんすか」

『朝飯は済ませてるな? 着替えは済んでるな? コロナちゃんは今日も可愛いな?』

「大方済んでますけど……。最後絶対いらないッスよね?」

『一番大事まであるわこのばかちんがいず』

「さいですか。それで用件はモーニングコールっすか? だったらもう切りたいんですけど」

『んなわけないだろばかちんが! こっからが本題じゃい!』

 ……なんか、今日当たり強いな。機嫌でも悪いのか? それならおとなしく寝てるなりしてりゃいいのに。

「じゃあなんなんすか? 俺、このあと出かけるんで早く切りたいんですけど。てか、知ってますよね。そっちに行ってるだろうから」

『もちのろんまかのろん。ちょーどそのことについて連絡してんのよ。不甲斐ないテメェの代わりに色々とお話をしてデートプランも大雑把に決めてやったぞ感謝感激崇め奉れ』

「あ、マジっすか。そりゃありがたい」

 適当に連れだしゃ上機嫌になるだろうけど。段取り決めてくれてるならそっちのがやりやすい。

 最悪。一時間二時間散歩して昼飯食って帰るのもあり得たし。

『やっっっっぱりかこの甲斐性なし! おたんこなす! 女たらし! ロリコン野郎!』

「興奮しないでくださいよ普段からうるせぇんだからそれ以上はもう公害ですよ。あとロリコンはあんただ」

『へぇんだ。リリンちゃんを汚しといてよく言うわ紳士失格ロリコン

 あんの野郎余計なことしゃべりやがって……。

 つーか。

「あいつ俺たちより年上だしロリじゃないでしょ? 仮に手出しても合法ッスよ」

『うるさい黙れ! リリンちゃんはまだまだ未成熟な美少女だい!』

「なにを言うのも勝手だけどこっち基準で二百は越えてますからねあいつ」

『あーあー聞こえないー! ロリババアさいこう!』

 しっかり聞こえてんじゃねぇか。てか許容範囲かい。相変わらずなんでもアリだなあんた。

「で、話はそれだけ?」

『いんや。まだ』

「じゃあ手短にお願いします。先輩と話すの疲れるんで」

『ハッキリ言うねこのクソ後輩やろう。じゃか簡潔に。まず艶眞ちゃんは先に駅に向かってるから後輩は時間空けて待ち合わせする男女をきっちりりな』

「はぁ~? 待ち合わせって同じ建物にいたのにまた面倒な……」

『だまらっしゃい。雰囲気ムードに気を遣え』

「そんなの気にしなくてもあいつは――」

『甘えんなよゴミ』

 また声色が厳しく。なんなんだよ本当に今日は。

『後輩にとっては都合の良い女なんだろうよ。んでも彼女本気じゃんか。後輩のどこに惚れる要素があんのか私にはわからないけど。でも彼女は本気ってのはわかる。尽くしてるのもわかるしそれだけで幸せ感じてるのもわかる』

 ……な、なんか。これって……。俺今説教されてる? なぜに?

『だから応えなよちゃんと。振るにしても付き合うにしても。利用してきたぶんの。振り回したぶんの。尽くしてもらったぶんの。そういうの返した上で彼女の気持ちに拒否でもなんでもちゃんと応えなよ』

「……わかってますよ。だから今日出かけようとしてるわけですし」

『デートしただけで幸せになっちゃうチョロインなのはわかるけどせめてデートプランくらい考えとけクズ男。エスコートしろバカ』

「いやそれは女性経験もないもので」

『言い訳するな。せめて精一杯あの子をもてなせつってんだよ。あと、夜の経験はあるじゃねぇかぶち殺すぞ』

 ……あぁ~なるほど。この人が怒ってる理由が大体わかってきたぞ。

 ようはリリンに手を出したこととカナラを誘ったは良いけど適当にしてたのが気に入らないと。

 まぁでも、端から見れば一方的に俺が悪いわな。カナラのことを熟知した行為だとしても。

 となれば釈然とはしないけど、先輩の言葉は甘んじて受け止めよう。

 よくよく考えれば確かにカナラへの扱いはちょっと酷いかもだし。

「とりあえず。カナラは駅で待ってるんですよね? それならもう切って向かいますから」

『おめかししてるからちゃんと誉めてやれよ』

「わかりましたよ」

 それくらいはやりますよ。

 ……誉め言葉のボキャブラリーもバリエーションもないけどな。

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