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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
十二編
416/656

416話

(まったく。あんな顔晒して棄権するなら最初から来なければ良かったのに)

 観覧席から才と里桜の試合を眺めてたマーヤ。

 勝敗はわかっていたので、結果に驚くことはなかったが、それでも気になることが一つ。

(あの犬の契約者。白金髪プラチナブロンド白銀髪シルバーブロンドの子と比べたらあんまり強い印象なかったけど。かなり器用な真似ができるんだ。まぁでも、かれとその周りって短期間すうじつで別人みたいに成長するから私の推察なんて当てになるわけないか)

 ロゥテシアの今まで見せなかった器用なマナの使い方に感心を示す。すぐに自分たちにはできない芸当と判断して興味は失せるけれど、ロゥテシアに称賛の気持ちがあるのは変わらない。

(本当に、彼はすごい。ワールドエンドが二人にそれに及ばずとも近いのがさらに《《二人》》――)

「おっと」

(この件は頭の中だけでも危ないかな。自重しましょ。そもそも一人はどうやら表向きは違うみたいだし)

 マーヤは誰に対しての警戒か思考を切り、席を立って帰路につく。

 ……彼女はどこまで、何を知っているのだろうか。



 試合も終わったし、特にやることもないから真っ直ぐ部屋に戻ってきたけど。嬉しいことが一つ。

 あの甘ったれモードのコロナがグズることなくあっさり、素直に離れたんだよな。

 ひとしきり甘えて満足したってのもあるだろうけど存在うちの繋がりとか、コロナの成長やら色んな要素が噛み合っての行動ってのがわかる。

 このまま聞き分けのいい利発な子に育ってくれたら良いなと思うわ。

「ん? あいつめ。受験で忙しいとかほざいてた割にインしてるじゃないか」

「……」

 ゲームの知り合いでもログインしたのかな? ま、俺には関係ないけど。

 今ゲームに勤しんでたら明日に影響がーって言わなくてもいつだってリリンは完璧なコンディションだからな。

 ……いや、俺のせいで弱くなっちまってたときはあるか。け、けど今はそんなことも一切にないし。今はいつだって絶好調……のはず。

 てか、なんだかんだあと残り一戦か。リーグ戦も。一年生での試合も。

 しかも相手はリリンが自分からやると言った2Aの人。

 そういやどんな契約者なんだ? 自分が出るつってたしリリンなら知ってると思うけど……。

「なぁリリン。明日の相手ってどんな人?」

「知らん」

「いや知らんって……お前が相手するつったんだろ?」

「ん? あぁ。戦闘面での話か」

「他に何があるんだよ……」

「どんな人と聞かれたら性格うんぬんと思うだろう」

 なるほど。たしかにそりゃ俺が悪い。謝んないけど。

「で、どんな相手?」

「フム。コロナはわからんが少なくともロゥテシアはどうしようもないな。先手を取らねばそのまま一方的にやられてもおかしくない程度の能力がある」

 嘘だろ? ロッテが一方的になる可能性があんのかよ。

 そんな質のマナ持ってるヤツなんてこの学園にはもういないと思ってたんだが……。

 そもそも感じたことないし。

「で、結局どんな能力なんだよ」

「明日になればわかるだろ? それか動画でも探せばいい」

 は? ロッテがやったら負ける的な気を持たせる言い方して結局教えてくんないのかよ。

 まぁいいけど。大事なことは一つだけだし。

「そんなヤバそうな相手だけど。お前は勝てんだろうな?」

「フン。当たり前だろう? 児戯同然だよ」

 はいそうですかい。それなら相手さんのことは明日の楽しみにしてるの。

 ……ところで、こいつの世界に児戯なんて概念って……あるのか?

 年功うんたら無視の弱肉強食実力がまんま階級みたいな世界だったと思うんだけど。

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