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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
十二編
404/656

404話

「……………………ふぅ」

 なんとか深いとこに俺たちを植え込めた。

 けど、本当に少しだけ。

 こりゃ常に意識して侵食を続けてないとすぐに元に戻っちまうな……。

 てか。

「我らどちらかでもコロナに干渉し続けねばすぐに焼き潰されそうだな」

 リリンの言う通り。侵食するためにコロナの存在なかを覗いてみたけど。まだかなり危うい。

 時間経過で御伽の魔法は途切れてるが、関係なく自分のマナに耐えきれる器じゃない。

 マジで俺と似た状況だよ。

 ……いや、俺の場合は内へ内へ入り込んで密度がどんどん高まって結果的に使わなきゃ生活に支障はねぇよなって感じだけど。コロナの場合は生きてるだけで自分を焼いちまう。圧倒的に俺よりもヤバイ状態だわな。

 でも、もう大丈夫だろ。これからは俺たち……つか主にリリンがコロナに干渉してマナを押さえ続けてくれるはず。

 リリンの言う殻――あの鎧も入り込んだときどういうモノかわかったしな。

「さて、と。んじゃそろそろ――」

「どうやら……終わってる……感じです?」

 っと、避難が終わっていったい誰が話しかけてきたのかと思えば……。

「学園長……。どうもッス」

「また警報が出たと聞いて急いで戻ってきたんですが……」

「残念ながらもう終わってる。遅すぎるぞ紅緒」

「あ、あはは……。こ、これでも急いできたんですよぉ~……。すみませんでしたっ」

 いやそんな土下座までしなくても……。

 まだリリンが怖いんですか? もう年末ですよ。今まで何度もやりとりしてんでしょ? 俺の知らないとこで色々と。いい加減に慣れてください。

「とにもかくにも。解決してるなら良かったです。……少々施設の損害は手痛いですが、ワールドエンドからの被害が演習場一つの火事で済んだんですから。安いものです」

「……ちなみに金額とかはどれくらいになりそうですか?」

「聞きたいですか?」

「やめときます」

 土地やら親父の数少ない財産やらは査定してる最中だけど。どうせ大した金額になんない。ここで変に金額聞いたり弁償しろとか言われても困るだけ。ここはさっさと退散しよう。

「じゃ、じゃあコロナもこんなんなので。俺たちはこれで」

「はい。既にメールで伝えてますが、一応こうして顔を合わせたことですし口頭で。予定は変わらず場所だけ変えるつもりです。このリーグ戦が終われば冬休みなので、その間に工事をしようかと」

「そ……ッスか。ずいぶん手早いッスね」

 まだコロナが暴れてから一時間も経ってないんだけど?

 リリンへの対応もそうだし、マジで仕事が早いよなこの人。

 ……もしかしたら、ワールドエンドだからってのが一番影響あるのかもだけど。

「では私も他の仕事があるのでこれで――」

「!」

 って、言った途端消えた。

 え、は? まったく反応できなかったし、今どこにいるかもわからねぇ……。

 またあの人とんでもないことをサラっとやっていったな。

 でもリリンがテンションあげてないってことは……。

「なぁリリン。今学園長が何をしたかわかるか?」

「ん? まぁ、種はな」

 さすが。それで?

「対応できるか?」

「フム。少なくとも影を展開する前に四肢のいずれかは飛ばされるかもな。速さだけなら一級品。そうさな……ロゥテシアのヤツならばコツを掴めば捕まえるくらいはできるんじゃないか?」

 いやお前の手足飛ぶって大惨事。

 そういえばロッテと初めて会ったときもお前の――。

「は? ロッテが? てかコツって……」

「近々試すと言っていたろ? アレだ」

「いやどれだよ」

 お前はなにかわかってるかもしんねぇけど俺にはサッパリなんだぞ。説明くらいしろっつの。

「そのうちわかるだろ。ヤツも我々に近づくつもりなんだよ。勘が良いし。ちと血を嗅げばすぐに来るさ」

 小難しい表現をするな。意味は大体わかるけど解釈のプロセスがダルいわ。

 スッといえスッと。

「そんなことよりも。さっさと戻るぞ。煙魔がくたびれる」

「それはいかん」

 年齢的にはおばあちゃんどころじゃねぇし。早く合流して安心させてやらねば。

 年よりは労らないとな。日本人的に。

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