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遥か高みの召喚魔帝  作者: 黒井泳鳥
十二編
400/656

400話

「……やぁ。久し……ぶり」

「あぁ」

 試合当日になり、共に試合場に立って相対すると早速挨拶。

 挨拶されたらこっちも返さなきゃってなもんで返すけどさ。試合直前だっていうのに相変わらずだな。御伽よ。

 良く言えば自然体。悪く言えば緊張感がない。

 ま、こいつの場合感情がいくらか欠如してるし。仕方ないっちゃ仕方ない部分かもな。

「少し、意外……かな。その子で来るとは思わなかっ……たよ。なんなら、全員で来る……かなって。期待してたんだ……けどな」

「期待に添えず悪いが、こいつらに協調性はない。だから共闘ができないんだよ」

「んー♪」

 頭撫でられて上機嫌になってるが、誉めてるわけじゃねぇぞ?

 ロッテはともかくリリンとお前は一対一サシか一対多は強いけど。多対一になると片ややる気が削がれ、片や俺以外に合わせる気がないっていう。

 お前らの場合そもそもの戦力スペックが高過ぎるから良いけど、実力伴ってなかったら欠点でしかねぇからな?

「ふぅ~……ん。それは……残念。でも、僕が相手でやる気がないとかじゃ……なくて。良かったよ」

「……」

 ん~。それに関してはなんとも。

 少なくともリリンはやる気がなかったよ。

 これ、本人には言わないほうが……良いよな。

「でも……。そっか。それなら……少しだけ余裕ある……し。試しちゃおう……かな?」

 ん? 試す?

 試すって安全エリアから出ること……か?

「E組の人たち……よく出るじゃ……ない? だからやってみたくて」

「あ、そう」

 戦術を試すんじゃなく、ただやってみたかっただけと。

 むしろお前のがなめてないかそれ?

 ……いや、こいつの神誓魔法はハマればマジでどうしようもなくヤバイ。

 何せ年齢が逆行するからな。

 まだ詳しくは知らないけど、少なくとも抵抗しなきゃ一瞬で子供にされちまう。

 抵抗したとして。できたとして。それがいつまで持つかもわからない。

 俺に対してならリリンは問題ないつってたけど、《《コロナに使われた場合はなにも言ってない》》。

 その上でコロナで相手するべきつってたから何かしら目的があるんだろうけど。

 リリンの知力を多少投影したからって発想までコピーできるわけもなく。ベースは俺なもんでまったくわからん。

 ちょっとは察しよくなってるけど、それでも限界がある。

 ……けど、もうここまで来ちまったしやるしかないわな。

「頼むぞコロナ」

「……ん」

 名残惜しそうにしつつも試合は初めてじゃないしちゃんと前に出て偉いぞ。

 さて、あとはアナウンスを待つのみ。


『一年A組御伽氷巳、一年E組天良寺才の試合を始めます』

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