第8話 相談!稼ぐためにお願い
今回から(まだほんの少しですが)文字数増やそうと思います。
これからは1話1話が充実した内容にできるように頑張ります。
さて、稼ぐとは決めたものの...どうやって稼ぐかな...。
必要な入学金は金貨16枚。
この世界の通貨は<カフォン(k)>で、1kで10円の価値だ。
さらにカフォンの上に<ヨフォン(y)>がある。こっちは1yで100,000円ぐらいの価値がある。
払う時の硬貨は金額が低い順に、鉄貨,銅貨,銀貨,金貨,小白金貨,大白金貨,聖金貨となっている。
それぞれの硬貨の価値は、
鉄貨=1k 銅貨=10k 銀貨=100k 金貨=1y 小白金貨=100y 大白金貨=1000y 聖金貨=10000y だ。
うーん...聖金貨なんて縁があるのかさえわからない。
まぁとにかく俺はあと5年で俺は16yをためないといけない。
平民の1家族が1年に稼ぐのは3yらしい。そう考えると意外に大変だと思う。
...とりあえずアルバイトにでも就くか。
「んーっ! やっぱり外は気持ちいいな」
アルバイトとなれば、街にいかないといい条件のところはなかなかないだろう。
だが、俺の家は街から離れた辺境の地にある。そのため、馬車を使っても街に着くには3日かかる。
(ちなみに、この世界は日本と同じで24時間=1日、12ヶ月=1年、春夏秋冬はどの国でもあるらしい)
だから、馬車に乗るお金と街である程度暮らせるぐらいのお金を稼がないといけない訳だが...。
「どうやってだよ......」
今日は稼げそうな話を集めるか。
~~~~~~~
~~~
~
結局、近くの村に行ったり、旅人や旅商人に聞いたりしたところ俺でもできて、軽く早く稼げるのは
・タイゼック家で下働きとして働く。
・村の小さな病院でお手伝いとして働く。
・魔物を狩ったりして手に入れた珍しいものを旅商人に売る。
この3つぐらいだった。
1つ目はタイゼック家の旦那が街に用事があり、いなくなる1週間ほどメイドなども何人か連れて行くのでその代わりとして下働きを雇うらしい。これはあまり気が進まないが、この日数で給料は結構いい仕事だから候補に入れた。
2つ目は近くの村の病院で看護婦が妊娠して働けないのでその代わりに医者の手伝いをする仕事だ。来た患者の数によって給料は違うが、来た患者の数の金額+手伝ってくれたお礼金もあるので、成果を出せば意外にいい金額かも知れない。
そして3つ目だがこれは少し危険だが、レアだったり強かったりで市場になかなか出回らない素材を売ればだいぶいい稼ぎになる。その上、その商人の馬車に乗せてもらえば街にも行けるので、あまりこない街行きの馬車を待つことなくすぐに行ける。
うーんどれにしよう。
......そうだ! 最初の1週間タイゼック家で働いて、その後信用出来そうな旅商人がくるまで村で医者の手伝いをして待とう。で、魔物狩りは空いた時間にでもして集めて行こう。そうだなこれがいい。こうしよう!
あとは父さんが認めてくれるかどうか。
▽▽▽▽▽▽▽▽
夕飯
▼▼▼▼▼▼▼▼
「父さん、お金稼ぎの件なんだけど...」
「ん?やっぱり無理だと気付いたか? そうか、残念だったな」
「いや、ちがー」
「でも大丈夫だぞ、平民の学校もしっかり教えてくれるからな。もしかしたら貴族だからって最初は友達ができないかも知れないけどそのうちー」
「だから違うってば!話聞いてよ!」
はっ! 思わず大きな声出しちゃった。
みんなを...驚かせちゃった。
「ソルト...?」
姉さんが心配そうに見てる。
「ごめん。大きな声出して...」
すると兄さんたちが大きく息をはいた。
そこまで驚くか? まあいいや。
「貴族の学校に行くのを諦めた訳じゃなくて...誕生日の次の日から1年間外で暮らそうと思って...」
「何で?」
そう聞いたのは母さんだ。冷静にも見えるけど声は震えていた。
「それは...」
俺はタイゼック家で働くところから説明した。
「ソルト、お前昨日の話覚えてないのか? しかも、その年で1人で生活するなんてできるわけないだろう」
「ウルク兄さん。でもとりあえず、それで過ごしてお金稼がないと」
「それ以外の方法はないのか?」
「ない......と思う。父さんダメかな? 1年後には帰ってくるからさ」
「タイゼック家で働くってことは、またあの息子にいじめられるぞ。悔しいがあそこは権力がでかい方だ。もしかしたらいじめよりひどいことになる可能性だってある。タイゼック家で働くことだけでもやめるってのはダメなのか?」
「街では1日に使うお金がわからないから、少しでも多くしておきたいんだ」
「......そうか。わかった。ソルトが自分で決めたんだ。必ず来年には帰ってこいよ」
「! わかったよ父さん!ありがとう!」
「!? お父様! 何言ってんだよ! この年で外で暮らすなんて何が起きるかわからないぞ!?」
イルマ兄さん...どうせダメって言われる、と黙っていたんだろう。凄い動揺して、言葉がいつもと違う。でもそっちの方が似合ってる。
「ソルトなら大丈夫だろう。だってこの年でトゥアベアに勝ったんだからな。そこら辺の大人より強い。第一、お前に勝てるときがあるのだろう? 剣術だけでも大人並みだ」
「それはそうだけど...」
みんなその言葉でなんとか納得してくれた。
よし頑張ろう!
でもその前に誕生日だな。