第7話 夕食!大事な話がある
カチャカチャ
パクっ
...やっぱり味薄い。
でも今日はトゥアベアのおかげで少し豪華だな。
「...ソルトちょっといいか?」
「なに?父さん」
「聞きたいんだが、1人でこのトゥアベアを倒したって本当か?」
父さん、珍しく真剣な顔だね。
「本当だよ」
ガタッ!
「そんなバカな!?」
ウルク兄さんが凄い驚いてる。これまた珍しい。
「ウルク、座りなさい」
「お母様!お母様たちは驚かないのですか!?」
「驚いてるわ。でも実際にこのトゥアベアを持ってきたのはソルトよ」
「......っ」
兄さんはおとなしく座った。
「でも、ソルトならやらかしかねないと思うんだよね」
「イルマ、なぜだ?」
「だってソルトは俺に勝てるからね」
「それは本当か?」
「うん。まだ10回に1回ぐらいだけど、俺も負けることがある」
「......俺でも20回に1回しか勝てないのに...」
父さん、なんかごめん。
「それでも1人で勝つのは難しいだろう。どうやってトゥアベアを倒した」
「普通に頑張った」
「そうか。もう一度言う。どうやってトゥアベアを倒した。すべてを詳しく話せ」
言われた通り、すべてを話した。
「なるほどな。お前は水属性の魔法が使えるんだな」
「はい」
「にしても、氷を作るなんて超級魔法だぞ」
「え? そうだったの!?」
「知らずにやっていたのか」
いやだって、[全世界図書館]で読んだのまだ上級までだし。
「......つまり、私は天才を産んだってことでいいのかしら?」
母さん、それは違うだろう。
「そういうことでいいんじゃないかな」
ウルク兄さん!? なに言ってんの!?
「...もういい。とりあえずソルトは凄いと認識しとこう」
「......父さん」
「ん?」
「不気味だからといって捨てたりしない?」
「する訳ないだろう。大事な息子だぞ」
良かった。俺はこの家族好きだしね。
「そういえば、ソルトはそろそろ誕生日だな。なにが欲しい?」
「......言ったら怒るかも...」
「そんなことないから言って見ろ」
「......貴族の学校にいかせて」
ガタッ!
今度は父さんが立ち上がった。
「な!?どこでそれを!?」
「今日の帰り道」
「...っ、タイゼック家の奴か」
「ぼくと同じぐらいの年齢だった」
「じゃあ息子のほうか。本当にあの家は親子そろって...!」
「そのタイゼック家?とはなんかあったの?」
「実は...」
まとめると、昔そのタイゼック家の奴が母さんに惚れてたらしい。でもそいつは家の権力を使って母さんを振り向かせようとしたから、母さんは全く振り向かない。
そんなことしてるから父さんがでてきて、母さんは父さんを好きになり結婚してしまった。
それ以降、ヨーベクマ家を敵対視して来て色々としてくるんだとか。
つまり悪いのはあっちなのに、なんか盗られたとイタイ勘違いをしてるアホがタイゼック家の現大黒柱。
それに影響を受けて息子も俺にいちゃもんつけてきたわけだ。
「ひどい話だね」
「全くだ」
「じゃあ、家が貧乏貴族って言うのも嘘?」
「! ...それも言われたのか?」
「うん」
「それは.........本当だ...。でもこれはタイゼック家のせいでもあるんだ」
「どゆこと?」
「あいつが、あいつらが俺らヨーベクマ家のことを悪く言うから、他の貴族との関係がだんだん薄くなっていって、今ではむしろ嫌っている貴族の方が...多い」
なるほどそりゃ大変だ。
でもこれは譲れない。
「貴族の学校にはいかせてくれる?」
「......通わせてやりたいのはやまやまなんだが、あそこは資金が多くて...」
「じゃあぼくが自分で払えればいってもいいんだね!」
「......そうだな。でもあそこは普通に通うだけでも高いし、道具や行事まで高い費用がかかるんだぞ」
「ねぇソルト、ソルトは何で貴族の学校に行きたいの?」
姉さん、それは料理が美味しいっていっていたからだよ。 なんて言えない。
「......えっと、ぼくが貴族のところでいい活躍して、みんなに認められたら、ここの評判もあがって、名誉挽回できるかなぁって」
「その事を聞いたのは今じゃない?」
「っ...!?」
うっ! 姉さん鋭いな。それだけ俺を思ってくれてんのかな。
「まぁ、それだけ行きたいってことはわかったわ」
「...じゃあこうしよう。学校に入る年の10歳までにお前が入学金を集められたら、いっていいことにする」
「本当!?父さん!」
「ああ、約束だ」
「やったー! ぼくがんばるね!」
さて、そうと決まればさっそく明日からお金稼ぎだ!!