第2話 天才!兄弟たちとはひと味違う
俺が目を開けれるようになってから1ヶ月が経った。
今は暇なときに[全世界図書館]でこの世界の知識を詰め込んでいる。赤ちゃんだから寝ないといけないかも知れないけど、現代日本人からしてみたら10時間も寝れば十分だ。
それと、もうひとつ暇なときにやっていることがある。それは [魔力操作] だ。俺はこの世界で魔法を使えるとわかりGPの1割を使って全属性の魔法を使えるようにした。
で、よくネット小説にある <小さい頃に魔力を操作すれば将来、天才級に魔法を使える> というのができるかも知れないから試しているのだ。でもこれは成長しないとわからないから一種の賭けともいえるな。
「ソルト~!!お姉ちゃんが会いに来たよー!!」
ギュゥー!!
最近、姉のアミリスがよく会いに来る。
見た目は母さんに似た美少女だが、少しブラコンでいつも俺のところに来てはギュゥーってしてくる。
「ほらソルトがいやそうな顔してるぞ」
姉さんの後ろからイルマ兄さんが顔を出して注意してきた。
ん?いや、姉さんかわいいから大歓迎だけど?
「そうか?なんか嬉しそうな顔にも見えるけど...」
そう言ったのはウルク兄さんだ。
「嬉しいに決まってるじゃない!」
なんか兄弟たちが集まって来た...。
「じゃあ、俺も...」
「ちょっとイルマ!?」
「...ソルトが明らかに嫌そうな顔してるぞ」
うちは俺を入れて4人兄弟だ。
上から 長男のウルク兄さん 長女のアミリス姉さん 次男のイルマ兄さん そして3男の俺 となっている。
ウルク兄さんは17歳。顔よし、頭よし、性格も面倒見がよく、剣の扱いもうまい、ザ・イケメンだ。父さん譲りの長い茶色の髪を後ろでひとつにまとめている。
アミリス姉さんはさっきもいったが美少女だ。髪も母さんと同じ金髪で、すでに腰のあたりまでのびている。魔法は兄弟の中で一番うまいらしい。年齢は14歳だったはず...。
最後にイルマ兄さんだけど、顔は良いし、性格も優しい、でも体を動かすことが好きで剣の勝負では10歳なのに、すでに兄さんも、父さんもこえている(らしい)。イルマ兄さんの髪は短くさっぱりしていて、やはり茶髪だ。
...?あれ?俺何でいきなり兄弟の説明したんだ? て言うか誰に説明を?
......深く考えるのはやめよう。考えたらダメだと思う。何でか知らないけど。
でもまぁ、このながれだと俺の髪は茶髪だろうな。
「ソルト様~。そろそろおねんねの時間ですよ...ってあれ?皆さんいらしたんですか! でもソルト様はこれからお昼寝の時間なので部屋からでていってください」
「ああ今出るよ」
「じゃあまたね!ソルト!」
「しっかり寝て早く大きくなれよ!」
...いったか。......! あ、おしっこしたくなって来た...。
オギャーオギャー(棒)
「ん? ソルト様どうしました? ご飯ですか?」
少し強めに...
オギャーオギャー!!
「あ、大きくなった...じゃあ違いますね。ではおトイレですか?」
オギャ...
「お!止まった。じゃあおトイレしましょうね」
フフン!どーだ!俺はイエスとノーだけでも自分の意思を伝える方法を見出だしたのだ!!
そういえばこの家のトイレはスライムを住まわせて不純物を処理している。それでお腹いっぱいになったスライムからスライムゼリーをもらってお金などにかえるらしい。
これはどこの家でもできるわけじゃない。うちの母さんが[魔物支配]のスキルを持っているからできることだ。 俺もできるようになりたいな。
「それにしてもソルト様はすごいですね。絶対に人の言葉を理解してますよね!」
「そうね」
「うわ!?ビックリしたー。いきなり出てこないでくださいよ!サラヌギ!」
サラヌギがまるで影から出てくるかのようにヌゥッと出てきた。
「あら、ごめんなさい。でもこの子には警戒しないといけないわよ」
「...でもこんなかわいいのに...」
「別に悪い意味だけじゃないわ。どっちにしたってこの子のことは私たちが責任を持って育てる。それが私たちの仕事だから」
「...ええそうね。立派な大人に育てましょう!」
......そうか。警戒されちゃうか。神様は好きに生きて良いといってたけど、問題事はメンドくさいな。これからはもう少し慎重に動こう。
て言うか漏れそうなんだけど...! とりあえずトイレに連れてって!!