第1話 誕生!ソルト=ヨーベクマ
オギャーオギャー
「奥様!生まれましたよ。元気な男の子です!」
「この子が私のー」バンッ!!
「「「生まれましたかお母様!!」」」
扉が勢いよく開き、男女の子供が3人、駆け込んできた。
「あら?いつからそこにいたの?」
「いや、俺は止めたんだぞ?」
次に入ってきた男性はそう言いながらも生まれた赤ちゃんの方を見てそわそわしている。
「そんなことより男の子?女の子?」
唯一の少女が母らしき人に聞く。
「男の子よ」
そう言って母は赤ちゃんをみんなに見せた。
「わぁー!!かわいいなぁ!これは将来有望だね」
「当たり前だろ?イナプスの子だぞ?」
「ウフフ。あなたの子だからですよ」
そこに甘い空気が流れる。こうなる原因を口にした小さい方の少年はみんなににらまれ「思ったこといっただけなのに」と、うじうじ言っている。
この砂糖をそのままがぶ飲みしたような状況にしびれをきらした背の高い少年は母に聞いた。
「お母様この子の名前は何ですか?」
「名前? そーね... じゃあソルト、この子はソルト=ヨーベクマよ」
「ソルト...。うん!これからヨロシクね、ソルト!」
そう言うと少女は、ギュゥーと赤ちゃんを抱き締めた。
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パチッ
見知らぬ天井だ。
言ってみたかったんだよね! まだ話せないけどないけど...。
ええと...?体は寝返りしか動かない。手は少し動くな。足も少しだけなら動く。って言うか手も足もちっさ!!かわいいんだけど!
...それよりお腹空いたな...。
(あのー。)
あら?声がでない。...つまり泣くしかないと。
オギャーオギャー(棒)
「あら!ソルト様どうされました? あ!目があいてるじゃないですか!? あ、その前にご飯ですか!? おトイレしてしまいましたか!? それとも欲求不満ですか!?」
...何言ってるんだこいつ。せっかくかわいい見た目してるのにもったいない...。
「こら!赤ちゃんに何言ってんの!?」
ひゃ!!誰ですか!?何で下の布取ったんですか!?
「おトイレじゃないわね。ご飯かしら?奥様を呼びましょう」
いきなりそんなとこ見られて...。 もう俺お嫁にいけない!!
「呼んで来ましたよ!!」
「入るわよ」
わぁ...! キレイな人だなぁ! 女神様ですか?
「まぁ...! 目が開いたのねソルト! 私があなたのお母さんですよ」
え! お母さんですか!? じゃあもしかしたら俺って結構いい顔してたりして...!
「ごめんなさいね。最近、仕事が忙しくてずっと側にいられなくて...。でもその間このメイドたちが世話をしてくれるわ」
「イリアムですよ!ソルト様」
「サラヌギと言います。よろしくおねがいします」
残念な子がイリアム、責任とってもらうのがサラヌギ ね! ヨロシク!!
俺は二人の指を握った。
「「「キュン!!」」」
「この子ヤバいですね...!」
「私の子が破壊力抜群なんだけど...。あ、ご飯だったわね」
...やっぱり哺乳瓶はないか...。いや、これも生きるためだ! だからこれはしょうがない。しょうがないんだ。
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さて、お腹もいっぱいになったし、ここの常識を学びますか!
俺がGPを使い手に入れた[全世界図書館]はすべての世界の本が全部、頭の中で読めるというものだ。
さらに[完全言語理解]はどんな言語も話せるし、聞けるし、読めるし、書けるというもの。
どんな言語もというのは、たとえ豚だろうと、宇宙人だろうと、どんなものとでも言葉さえあればコミュニケーションをとることができる。
つまり俺はこの年齢から勉強ができる!
これだけでもすでに最強チートなのにGPはまだ2割ぐらいしか使ってなかったから、10倍マジヤバい。
ま、それはおいといて、勉強しよう!