第8話 ゴブリンの進化
第三位階中位
名前:
種族:ホブゴブリン・リーダー
位階:2
レベル:1
性別:♂
能力:
『メニュー』『暗視』『雑食』『繁殖』『指揮』『武具加工』『防具加工』『道具加工』『槍術』『斧術』『回避』『黒の精霊神の加護』
取得可能能力:
『加工』『毒耐性』『麻痺耐性』『逃走』『突進』『気配察知』『熱源察知』『堅殻生成』『腕力上昇』『耐久力』『治癒力向上』
目が覚めると進化していた。
場所は洞窟の中。時刻は夜の様だ。
どうやら戦いの疲労でぶっ倒れたらしい。
他の皆も周囲で雑魚寝している。
俺の直ぐ左では、大柄で筋肉質な野生っぽい顔、もといゴブリンっぽい顔の少年が大の字になって眠っており、
右には、小柄で微妙に可愛い顔、もといゴブリンっぽい顔の少女がくっ付いていた。
名前:大鬼
種族:ホブゴブリン・ファイター
位階:2
名前:賢鬼
種族:ホブゴブリン・メイジ
位階:2
「おぉ……ダイキ君とケンキちゃんか……」
どうやら進化したらしい。
俺の顔がどうなってるのか気になるが、おそらくゴブリンっぽい少年の顔なのだろう。
ふと手元を見ると、肌に不可思議な紋様がついているのに気が付いた。
肌の色も他のゴブ達と違って黒くなっている。
「……まぁ、良い」
ステータスには取得可能スキルと言う物が増えており、ざっと見た感じ……食べた物か倒した者の能力を取得出来る様になるらしい?
他には、自分で学んだスキルとかも取得出来るのかね?
「……武器でも作るか」
体には今までの比ではないくらいに力が溢れている。
全能感とでも言おうか?
気が高まって仕方なく、今は眠れそうにない。
◇
11日目、朝。
老ゴブ達の所に3ゴブで顔を出すと、長老ゴブが逝ってしまいそうな程に興奮し始めた。
そのまま昨日狩った大猪の肉を使っての宴が始まり、俺とダイキ君、ケンキちゃんの前に老ゴブ特製の濁酒が出された。
見た目全然美味くなさそうだったが、ダイキ君とケンキちゃんが美味い美味しい言ってるので飲んでみる。
「……ほぅ?」
感じたのは濃厚な甘み、次点で酸味。
正直あまり美味くは無い。
だが美味い。
鬼だからだろうか?
もう少し改良したらもっと美味くなる筈だ。
宴は昼まで続いた。
夜までじゃ無いのは、単純に老ゴブと若ゴブの体力のなさ故だ。
「ダイキ君、酔って無いよね?」
「酔っテ無イぞ」
ケンキちゃんは小柄なので、酔い潰れてこそいないもののクラクラしている。
3ゴブで表に出ると、早速夜なべして作った武器と防具を渡した。
ダイキ君には加工スキルを使って作った刃が大きい手斧と盾を。
ケンキちゃんにはクロスボウを。
どちらも、石製と木製と言う大した事ない武器。
防具は、大猪の毛皮を加工スキルで鞣して作った服だ。
ギリギリで3ゴブ前用意出来た。
「有難ウ……ソの……」
「?」
何やらダイキ君が困った様な顔をしている。
それを見兼ねた様に、ほろ酔い顔のケンキちゃんが話し掛けて来た。
「……名前」
「あぁ、そう言えば……」
俺、名前無かったな。
そうだなぁ……。
「……俺は……」
黒いから黒鬼かな?
ゴブリンの進化
ホブゴブリンに進化