第3話 ゴブリンの武器
第二位階上位
5日目の早朝。
今日も今日とて情報収集だ。
ボケているかも知れない長老ゴブの話によると、この森はクラベラ大森林と言うらしい。
深部にはドラゴンなどの強い魔物が生息しているが、浅い場所には強い魔物は殆どいないとの事。
俺達がいる場所は、浅層の少し奥の比較的安全な地域。
人も通らないし強い魔物もあまり出て来ないエリアらしい。
あまりと言う所が不安の源泉だが、まぁ人里と魔物の領域の境目なら多分安全なのだろう。
話は此処まで。
長老ゴブがボケたので、他の若ゴブを起こして狩りに向かおう。
◇
今日は昨日と同じくウサギ狩り……の予定だったが、どうやら狩った獲物はただのウサギではなかったらしい。
ーー額に小さな角が生えていた。
気付かなかっただけで昨日の奴等にも生えていたのだろうか?
二ゴブの体力の都合上、一日に狩れる数は3匹まで。
それ以上は俺単独で2匹が限界だ。
獣はこのウサギ以外に、黄色いネズミややたらと大きな角の鹿、硬そうな殻が付いた猪なんかがうろついている。
今狩れそうなのは、ウサギかネズミか蛇くらいの物だ。
狩った獲物は全て3ゴブで分けた。
他の若ゴブ達は狩りをする身体能力か知能が無いのか、昨日と変わらず木の実や虫を取って食べていた。
パッチテストをして俺が良いと言わないと死ぬぞ! と毎回の様に脅していたので、今のところ毒を食って腹を下した奴はいない。
◇
翌朝、6日目となる今日、新しい武器を作った。
昨日水飲みのついでに河原で拾った黒曜石らしき石を削り、それを蔓草を編んだ紐で木の棒に括り付けた簡単な作りの槍だ。
これでようやく石器時代になった訳だ。
その他に、木の棒を紐で繋げた簡易防具も作ったので、若ゴブの中で一番体格が良くなっていた彼に装備させた。
他より一際小柄だが頭の良い彼女には、ボロ布を使った簡単な投石器を渡した。
あまり距離が離れると命中率には期待出来ないので、一応素手の投石方法も教えておく。
これで簡単な武装を終えたので、今日は大物を狩りに行こうか。
ゴブリンの武器
石器。