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ゴブリンに転生した  作者: 白兎 龍
ホブゴブリン
10/12

第9話 ホブゴブリンの日常

第三位階中位

 



 12日目、夜。


 今の時期が春か夏かはわからないが、比較的温暖な気候のこの森は、夜でも寒くなりすぎず、すごしやすい。


 とは言え、夜には危険な魔物が活発に行動するらしいので、拠点から出る事はない。



 若ゴブ達と老ゴブ達はどうせ明日の朝まで目覚めないだろうし、それぞれの部屋に運んで寝かせておいた。



 さて、昼から夜にかけての成果を確認しよう。



 先ずは昼。





「ダイキ君、頼んだ」

「オう、任せロ」



 ダイキ君は紐で纏めた木の束を、少し重たそうに担いだ。


 ホブゴブリンになって色々と強くなったが、単純な筋力パワーではダイキ君の方が強いので、荷物持ちはもっぱらダイキ君の仕事だ。


 勿論俺も木の束を担ぐ、量は少ないがな。


 ケンキちゃんは周囲の警戒役だ。


 分かっていると思うが、ダイキ君には念の為、敵が来た時は木を捨て、直ぐに武器を構える様に言ってある。



 これで、近場にある繊維質の木は取り尽くした事になる。

 これらの木は基本的に早く育つので、紐が足りなくなる頃にはまた元気に育ってくれている事だろう。



 数回の往復の間、遭遇した兎や蛇、鼠、小さな鳥なんかの小動物は、全てケンキちゃんがクロスボウで仕留め、回収しておいた。


 クロスボウはしっかりと使えている様で安心した。

 弦を止めておく部分の磨耗が激しいので、幾つか予備スペアを作っておかなければ。



 獲物はそこそこの量があるし、猪の肉も多いので、しばらくは肉に困らずに済みそうだ。



 紐の材料を集めた後は、木材と石の回収だ。



 武器作りには必須の素材なので、手早く集めよう。





 日が暮れるまで素材集めをしたので、洞窟の広場の半分が、山と積まれた木や石で埋まっている。


 最初は、ひたすらに紐を編む作業。


 道具加工スキルのお陰で、自分でも驚く程に作業スピードが早かった。

 そのまま全てやってしまおうかとも思ったが、紐を編む作業は他の同胞達も出来るので、別の仕事にシフト。


 ダイキ君とケンキちゃんに木の繊維を剥ぐ仕事を任せ、俺がやるのは石を研ぐ作業。


 手斧の石や槍の穂先なんかを作り、しばらくやった所で、やめた。


 夜も大分深まって来たし、取り急ぎやるべき事は何も無い。


 わざわざ徹夜してまでやる様な事でも無いので、二人の作業もやめさせて、今日はもう寝るとしよう。



「ダイキ君、ケンキちゃん、今日はもう寝るよ」

「分っタ!」

「モう良イノ?」

「また明日やるから」

「うン!」



 明日は作業の日だな。



 

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