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ゴブリンに転生した  作者: 白兎 龍
第1章 ゴブリン
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プロローグ ゴブリン転生

第二位階上位

 



「うん、ゴブリンだ」



 呟いた言葉が、暗闇の中へと消えて行く。


 直ぐ隣に寝ていた俺と同じ形をした異形が、煩わしげに唸り声をあげて寝返りを打った。


 騒がしくて済まんね。



 改めて周囲を見回す。



 場所は光の刺さない洞窟の中。

 獣臭く適度な温度のそこそこに広い空間。


 どう言う訳か、暗闇の中がよく見える。


 ゴツゴツとした岩肌が剥き出しになっているが、地面には枝や葉が敷かれており、然程窮屈さは感じない。


 そんな枝葉のベットには、おおよそ小学生低学年程度の身長のゴブリンと言うべき異形が、俺を含めて30匹程転がっている。



 醜悪な顔付き。


 緑色の肌。



 やはり何処からどう見てもゴブリンだ。



 そしてーー



名前:

種族:ゴブリン

位階:1

レベル:1

性別:♂

能力スキル:『メニュー』『暗視』『雑食』『繁殖』



 脳内に表示されたステータスらしき物も、俺がゴブリンである事を証明している。



「はぁ……」



 何でこんな事になったのか……。



 枝葉のベットに横になり、目を瞑った。



 そう、昨日は確かーー





 ふと、騒音と異臭を感じた気がして、重たい瞼を持ち上げると、醜悪な顔付きの化け物が目に入った。



「ギャ、ギャギャ」



 な、なんだ!? そう言った筈なのに、俺の口から零れた声はこれまた異音。


 視界はぼやけていて目の前の化け物顔しか見えないし、音も臭いも煩わしい事以外良く分からない。

 体はピクリとしか動かす事が出来ず、驚いていた筈なのにすごく眠い。


 ーーなんだ、夢か。


 そんな思考を最後に、俺は眠りの世界へと帰って行った。





 以上。回想終了っ!



 ……勿論、それ以前の記憶は朧気だがある。


 俺は確か人間だった。

 人間の知識があるのだから間違いない。


 しかし、名前も性別も、友人や親の顔さえ思い出せない。



 昨日まで体がピクリとしか動かなかったのに、今は打って変わって自由に動かす事が出来る。


 兎にも角にも訳が分からない上に、眠い。



「……寝よう」



 難しい事は明日考えよう。



 

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