プロローグ
プロローグ
静まり返った校舎。そこに鳴り響いたのは、入試が終わった事を知らせるチャイムだった。
「では、筆記用具を置いてください」
ざわつく試験会場。試験監督者が、教室にいた全員に対して言った。
「これで、入試は終了です。解答用紙は裏返し、机の上に置いてください。問題用紙は持って帰ってもらっても構いません」
試験監督者が言った。スタディン、クシャトル、アダム、イブ、シュアン、瑛久郎、愛華が、今回、第300回目となる清正美高等学校入学試験を受け、そして、全ての教科の試験が終わった。後は、結果を郵送されるのを待つだけであった。
それから1週間も経たないうちに、郵便が届いた。
「速達です」
「ごくろうさまです」
由井さんが玄関で手紙を受け取る。
「スタディン、クシャトル、アダム、イブ、シュアン、瑛久郎、愛華に、清正美高校から速達よ。試験結果みたいね」
由井さんの両手には、それぞれに対して、分厚い冊子が送られてきていたものが握られていた。
「ね、ね、結果は?」
横にいるクォウスが言った。
「全員、合格!」
クシャトルが言った。みんな喜んだ。
「私達、これから、どんな高校生活を送るんだろうね」
イブが言った。
「さて、な。だけど、楽しくなりそうな予感がする」
瑛久郎が、子供っぽく言った。これからの高校生活、さまざまな苦難が待ちうけていても、自分達は、どうにかなる。そう言う感じの物の言い方だった。