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「大変だ!魔熊が出た!」
「こんな所に魔熊だと!」
商人は我先にと強い冒険者に護衛を依頼しだした。
「冒険者様!魔熊から守って下されば依頼料を増やします!」
「俺じゃ相手にならねぇ。他を当たってくれ!」
「そんな!依頼を放棄するのですか!」
魔熊を倒せない冒険者達は我先にと走って逃げてしまった。
冒険者が逃げ、商人とそこ商人を護衛する腕に自信のある冒険者が残るだけとなった。そこへ魔熊が3体列に突っ込んできた。
「三体何て聞いてねぇぞ!俺達はこの依頼やめさせて貰う!」
「冒険者様!私は、私はどうすればいいのですか!」
「さぁな。街の反対側まで走ればどうにかなるだろうよ」
それを聞いた途端に商人達は荷車に飛び乗り、冷や汗をかきながら馬を急かして走り去っていく。
そこに残ったのは俺だけだ。
「兄ちゃん!早く逃げろ!一人で魔熊三体は無理だ!」
「門番さん!助けて!俺を中に入れてくれ!足を怪我して動けないんだ!」
「何!しょうがねぇ緊急事態だ入れてやる!」
俺はその場で座り込んでいる。そこへ門番さんがやって来て俺に肩を貸してくれる。
「急ぐぞ!あいつらは足が速い!痛ぇけど我慢しろ」
「ありがとうございます!」
上手くいったな。後ろからは魔熊が俺達二人に全力疾走してくる。
「お礼は後だ!走れ!走れ!走れ!」
俺達は二人三脚の様に足を揃え、必死に走り、街の中に無事入ることができた。俺達が中に入ると同時に門は勢いよく閉まり、俺達は地面に倒れ、大の字に寝そべった。
「ハァハァ、なんとか、なったな」
「ええ、なり、ましたね。ハァハァハァ、ゲホゲホ」
門番さんはむせている俺に水を持ってきてくれた。
「ほらよ」
「何から何までありがとうございます」
「いいってことよ!これも門番の仕事のひとつだ」
「さて、これも門番の仕事だから付き合ってくれよ?」
「いいですよ?何ですか?」
「兄ちゃん身分証は持っているか?持っているなら見せてくれ」
「あーそれがそのえーと」
「さっきの騒ぎで落としたのか?」
「いえ、さっきではなく、森でゴブリンに襲われたとき落としちゃったんです」
「そういうことか。無くしたんならしょうがねぇ。仮身分証を発行しようじゃねぇか」
「良いんですか!ありがとうございます!」
「ああ、その前にこの水晶に手を置いてくれ」
「はい。喜んで!」
俺は手を置くと水晶が赤色に光った。
その瞬間、門番さんの顔に影が差す。
「兄ちゃんもう一度してもらっていいか?」
あーこれなんかやっちゃったのか?もしかしてステータスに何かあるの?
ステータス
名前 ソウイチ カンダ
種族 人間
性別 男
年齢 28
レベル 20 Next 1500
攻撃力 150
防御力 125
魔力 100
生命力 150
体力 250
俊敏 150
筋力 180
スキル
ナノマシン治療
不老
ゲームメニュー
チート
頭チル オン
パーフェクトクリーン オン
再生 オン
不壊 オン
称号
魔物を放つ者
装備
高級スーツ ヘッドフォン
革靴
称号が増えてるし、魔物を放つ者が絶対に原因だ。
魔物を放つ者…人前で魔物を放ち迷惑や危険を与えた者に付けられる犯罪を示す称号。
ヘッドフォン先生!助けて!
『125558CC523』
直ぐに打ち込む。
チート『完全偽装』
このチートを使って称号とチートの欄を消し、ステータスも全部50にして、レベルは5にしておいた。
この間五秒であった。
「おい、兄ちゃん?早く乗せてくれ」
「ん、ああ、犯罪も何もしていないのに赤く光ったからびっくりしていたんだ」
再び手をのせると青く光った。それをみた門番さんはやっぱりみたいな顔をして
「壊れてたようだな。よし!兄ちゃん手間かけさせて悪かったな。仮身分証は発行してやるぜ。明日には仮身分証の有効期限がきれるから新しく身分証を作って来てくれ。その時に500G払ってもらうぞ」
「わかった。ありがとうおじさん!」
「おうよ。あと、俺はおじさんじゃなくてバリスってな名前だ。命の恩人の名前くれぇ覚えてくれよな」
「わかった。バリスさん。忘れる事なんてできませんよ」
「そいつぁよかった。じゃあゆっくりしていけよ」
俺は内心ほくそ笑みながらバリスさんに手を振ってその場を後にした。