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よくある転生の話は、神様とかに出会ってチート的なイベントがあるものじゃない?
アニメとか漫画とか、小説とか…そういう風だったから。
でもね、実際はない。
私だけがなかっただけ?
ほかの転生者にはきちんと説明サービスあるのかな…。
目の前には、ポップアップ?らしきものが一枚。
『貴方は転生しました。
性別は反転し、前の人生で苦手だったことが強化されます。』
いや、具体的に何が強化されているのか、さっぱりわからない!
くぅ…っ、まさか生まれ変わって最初にするのが、ポジティブに目の前の情報を受け止めることだとは!
前途多難な気がしてならないぞ!
そう思って視線を動かそうと頭を少し振ろうとした。
あれ…振れない…というか、重っ!頭重すぎる!
びくともしない頭に、思わず手を動かした。
ん?
んんー…?
視線に飛び込んできたのは、ぷにぷにな物体。
子供…いや、赤ちゃんの手?
まだ関節があるのかもわからないくらいぷにぷにしていて…。
って、私の手か!
え!?
―…あー…つまり、赤ちゃんだから頭が重い…というか、もしかして首が座っていない…?
なんだか理解できた気がして、ぴたっと身体を揺さぶるのをやめた。
だって、疲れた。
なんだこの身体、めちゃくちゃ疲れる。
まぁ、生まれたばかりかどうかはわからないけど、体力なさそうだもんね、赤ちゃん。
く…っ、眠たくなってきた…。
睡魔…やば…………ぐー…。