片角の巫女と空白の書架

　４つの異世界と接続し、それ由来の８つの異能が地球人類にも出現し始めてから２８年。

　親を喪くし、他にはない特殊な異能を持つ少年、上倉緒織（かみくら　おうり）は、自らの異能の正体を知るために旧知の『魔女』の薦めで異世界人と異能を持つ少年少女が通う学園へ入学する。
　そこで出会った魔人の少女ティア。本来あるべき角の片方を持たず、力の無さゆえに棄てられた天涯孤独の少女は、緒織の特異性を知り興味を抱く。緒織もまた、似た境遇を持つティアのことが放っておけずあれやこれやと世話を焼く。

　地球人、異世界人を問わず騒がしくも気のいい友人たちとの学園生活。その中で二人は学園が主宰する競技会の全制覇を目指すことに。
　その裏で、学園の枠を越え５つの世界全てを巻き込む幾つもの思惑が蠢き始め――