第6話 鬼ごっこ(後編)
後編です。
2人はこのピンチな状況をどうするのか...
目を閉じると変な音と、叫び声が聞こえた。
それはきっとパニックで耳がおかしいのだろうと思う。だって、絶望的な状況なんだから。
目を開けたら、少し離れたところに、鬼がいた。
きっとその鬼達の走る音なんだろう。
座っているせいか、とても音がよく聞こえる。
だけど、この音はどっかで聞いたことがあった、少し懐かしいような...
ってば!
『ねえってば!』
美咲『ねえってば!』
春『な、なに?』
美咲『急に黙らないでよ、どうするのよこの状況。』
春『ごめん考え事してた。多分どうすることも...』
美咲『ここで諦めるの⁉︎私は嫌よ、絶対に逃げ切る』
春『でも...』
美咲『考えるのよ!そうしないと、私達の家族も危険なんだから!』
春『家族...』
僕にはある1人の人物が浮かんだ
楓!
春『そうだ...僕は逃げ切らないといけない。楓を守るために!』
僕は周りを見回した
この2階中央広場には、噴水とベンチがあるだけで、広いスペースがある。人は少しだけいる。
ちょうど僕達は噴水の壁に背もたれて、捕まっている。
『いたぞ!』
『やった!』
美咲『きたわね...』
功『本当に動けないようになってる!』
修『やったな功!』
功『じゃ、遠慮なく捕まえるか』
春『まった!』
修『な、なんだよ。命乞いか?』
春『俺たちにだけ与えられた物を君たちは知っているの?』
功『な、なんのことだ!ハッタリか?』
春『イルミナティカードのことだよ』
僕はなんとかして、ポケットからイルミナティカードを取り出すことに成功した。
美咲『あ、あんたなに言って...』
春『美咲は黙ってて。』
美咲『よ、呼び捨て...性格変わった?』
修『それがどうしたんだよ』
春『これは、俺の指示通りに爆発したりするんだ』
功『はあ?そんなわけないだろ』
春『さっきはそれで、【俺】は火事を起こした!』
修『そういえば、1階で火事が起きたって...』
春『だから、お前達が近づいたら爆発させる!』
功『ちっ...でも、お前達も死ぬんだぞ!』
修『お前ら2人で最後、俺たちはもう1人残っている。だから、どっちにしろ俺たちの勝ちだ』
美咲『そ、そんな...あんたら来るの早過ぎよ。考える時間もなかった...』
春『でも、お前達も死ぬんだぞ!』
功『くっ...』
修『待った功、あいつの言うことは信じるな』
美咲『ごめんなさい...私があなたをあんなところに連れて行かなければ...』
春『大丈夫だ、心配しないで。これで、終わらせる』
僕はイルミナティカードの絵を見た。
その絵は何も書かれていなかった。
春『...っ』
どういう意味だ。
今まで絵が書かれていたのに...
俺の推測が正しければ、何か書かれているはずなのに。
修『功、もう捕まえようぜ』
美咲『...やめて、触らないで!』
功『そうだ、爆発させればいいじゃないか』
何か...打開する方法は...
誰か...僕は捕まえられてもいい、光野さんだけ助かれば
修『お前、あの強気な性格はどうした?もう力尽きたか?』
春『くっ...』
美咲『私が...連れて行かなければ...』
功『もう終わりだ』
功は僕達に向かって、手を出した。
その瞬間暗闇になり、物凄い音と、煙と、熱と、水が僕達2人にかかった。
美咲『な、なにこれ⁉︎』
男2人の叫び声が聞こえた。
僕の目には功と修が下に落ちていくのが見えた。
春『...下⁉︎』
僕達の視点が下に向いた。
その時、下に噴水があるのが見えた。
その噴水が近づいてきている。
いや、僕達が近づいているんだ!
春『まさか...僕達は、1階に落ちている⁉︎』
頭に痛みがきた
服がとても濡れていた。
状況を理解するのに、少し時間がかかった。
あの時僕達は下で火事が酷くなっていることに気付いていなかった。
嫌、気付いていた。僕は目を閉じた時の音の正体に気づいた。2人の足跡なんかじゃなくて、人々の悲鳴だったということが。
僕達が捕まる瞬間に、火が酷くなり、ここの電気がやられて停電になった。
そのあとは、床が崩れ、鬼2人が下に落ちた。
そのあと、後ろの噴水が崩れ、その時に僕達2人の体に、熱と煙と水がかかった原因だった。
そして、その噴水が僕のクッションになり、ほとんどケガがなかった。
春『あっ...光野さんは⁉︎』
暗闇の周りを見渡すと、隣に人が見えた。
女の人...もしかして...
『誰ですか?手と足縛られてて...頭おかしいんですか?』
別人だった...じゃあ、彼女はどこに⁉︎
縄が水で濡れたせいか、緩くなりとることができた。
春『鬼2人は...うわっ!』
鬼2人は、目の前にいたが、血だらけで倒れていた。
腕時計を見ると、行動不能状態になっていて、失格となっていた。
春『光野さんを...探さないと!』
その時、後ろに大きな穴があることに気付いた。
その穴を覗くと、電気が通っているように見えた。
なぜなら、pcなどがたくさんあったから
次回鬼ごっこ編の最終編です。