第5話 鬼ごっこ(探索編)
前編、中編と来たら後編かと思いきや、まさかの探索編です。
私はいつからこうなったのだろう
あいつと別れてから、向坂兄弟に変な場所に捕まえられて、手と足を縛られるなんて
美咲『いい加減、手と足の縄取りなさいよ!』
俊『嫌だね。お前のこと一回助けてやったんだから、俺たちがピンチの時は囮にするからな』
昇『あんまり大声出すと鬼が来るぞ』
美咲『チッ...』
私は抵抗できないまま、自分の死を待つことしか許されない状況だった。
春『くらえ!』
僕は鬼にガラスの破片を投げた。
マイケル『あぶねえだろ、じっとしてろ!』
春『いやだね』
気づかなかったが、喫煙所の周りにはイライラしてる人が多かった。
まあ、僕達が喫煙所のほうで喧嘩しているようにしか見えない状況だったから
『おい、ガキ!はよ喫煙所からでろよ!』
『お前ら迷惑なんだよ!警察呼ぶぞ!』
春『あのー、僕達に気にせず、この中に入ってタバコ吸ってていいですよ』
僕がそう言うと、鬼を押しのけて、喫煙所の中に入ってきた
『全く、迷惑なんだよ』
『近頃のガキは...』
春『ちょっと、お借りしますね』
僕がそう言うと、喫煙所の中に大量の煙と火が上がった
マイケル『火⁉︎火事⁉︎』
春『未だ、煙で見えないうちに...』
マイケル『そう簡単には、いかせねえ!』
春『くっ...もっと火が必要か...』
僕はそう言って、さっき無理やり取ったライターを灰皿に向かって火をつけた。
マイケル『まさか、さっきの人煙はそれか!』
春『そうだよ、僕が自分で灰皿に火をつけて、タバコの残り香の人煙を出したんだ』
マイケル『このガ...ゲホッゲホッ』
春『視界が悪い...だからこそ逃げれる!』
マイケル『いかせねえ...』
春『絶対...逃げてみせる...ゲホッ』
僕はガラスの破片を拾って、鬼に向かって投げた
マイケル『うおっ、あぶねえだろ!』
春『やっぱり取られるか、でもひるんだ!今だ!』
マイケル『やばい、しまった!』
喫煙所からでたら、煙で野次馬がたくさんいた
春『作戦通りだ』
野次馬達のおかげで、僕の居場所が分かり辛くなり、鬼からなんとか逃げることができた
春『やった...逃げきっ...』
二階のトイレの個室に入って、安心したせいなのか、煙のせいなのかわからないけど、僕は目の前が真っ暗になり、気絶した。
俊『煙?』
私はまだ鬼に見つかってないことが、とても幸運に思えた。
昇『俺ちょっと、見てくる』
俊『気をつけろよ』
美咲『ちゃんと状況報告しなさいよ』
俊『お前、そんな状況なのに態度がでかいな。少し痛めつけないとダメなのか?』
美咲『な、なにすんのよ、私になんかしたら殺してやるんだから』
逃してしまった
マイケル『くそ、あのガキ...やられた...』
昇『やばいなー、火が』
マイケル『あいつは...逃亡者の...』
昇は肩に違和感を感じた。
誰かに触られたような感じが
昇『え?』
マイケル『捕まえた。お前の負けだ』
美咲『あいつ遅いわね』
俊『は...はあ!』
美咲『どうしたのよ』
俊『あいつ...死んでる...』
美咲『ええ⁉︎ここやばいんじゃない、逃げないと、いや、逃げさせなさい!』
俊『俺の弟を殺したヤツは...誰だ...絶対に許さねえ』
美咲『あ、あんた冷静になりなさいよ』
俊『許さねえ...お前はそこで待ってろ』
美咲『ちょ、ちょっと、せめて縄外してからいきなさいよ!』
私は縄で手と足を縛られてる状態で、1人になってしまった。
マイケル『くそ...まだ収まんねえ...あのガキにやられた分が』
俊『もしかして...お前か。俺の弟を殺したヤツは』
マイケル『お前、あいつの兄か。殺したのは俺じゃない、これを企画したやつだ。俺は仕方なく殺したまでだ』
俊『殺したも同然だ!』
俊はマイケルに殴りかかった。
マイケル『お前、そんなに俺に捕まりたいのか...返り討ちにしてやる』
マイケルはガラスの破片を持ち、俊に斬りかかった
俊『うわぁっ、なら俺も使わせてもらう』
マイケル『そうか、俺に勝てると思ってるのか』
俊『許さねえ!!』
マイケル『遅い!』
俊の一撃を華麗に避け、腹のど真ん中にガラスを刺した。
俊『なんだこれ...俺...死ぬのか...』
マイケル『弟は急に捕まえたから流石に反応は違うが、絶望した時の顔は同じだな。ハッハッハッハ』
俊『...せめて...同士討ちだ!』
俊は最後の力を使い、マイケルの頭にガラスの破片を刺した。
マイケル『お前...うああああ』
1回喫煙所の周りには、火と煙と2人の戦いの鮮血がある状態になった。
美咲『...転がりながらなら、なんとか動ける感じにまで縄が弱まったわ』
私は体が痛いのを我慢し、転がって縄を緩くして、ついには縄が取れた
美咲『私はこれで自由よ!』
腕時計を見ると、残り時間は20時間だった。
死因状況を見ると驚愕した。
死亡者(逃走者)ジョン、向坂俊、向坂昇
死亡者(追跡者)相葉薫、二階堂徹、西山光、林裕也、佐藤舞、マイケルだった。
生存者(逃走者)三枝春、光野美咲
生存者(追跡者)雙龍概、田中功、小林修
美咲『あいつ...生きてたんだ。』
私は少し安心した。
美咲『な、なんで安心したのよ私』
それより、鬼の数が少ない
もしかしたら、頑張れば鬼を全員倒すことが...
美咲『いやいや、こんなこと考えていると取り返しのつかないこと起きるからやめよう』
それより、イルミナティカードの存在を知りたい。
これはなんなのか...何に使えるのか...
美咲『2つあるし、1個くらい開けても平気だよね』
そのカードの絵は...
2階の中央広場に私と同じ髪型の女の子と、男の人が一緒に何者かに捕まえられている絵だった
美咲『これを意味することは...』
もしかしたら、このホテルにその謎があるのではないかと思い、私はあいつを探すことと一緒にホテルの探索をすることにした。
美咲『先ずは、1階から...』
1階には人が沢山いた。
火事らしきことが起きていたのだろうと私は考え、そこを後にした。
美咲『ここが入っては行けない場所...』
私は入ってはいけない、1階倉庫についた
美咲『もしかしたら、謎がここに...』
でも、私1人でなんとかなるのか?
否、1人じゃ危険がありすぎる。
美咲『ここは...あいつと一緒に行こう』
そう考えた時、物凄い光が出た
目の前に便器がある
ここがどこか理解するのに、少し時間がかかった
春『ここに隠れて...気を失っていたのか...』
腕時計を見て、死亡者を確認した。
春『あのマイケルって人死んだのか...』
もしかして、自分が殺したのかと疑問を持った
春『まさか...俺が...人を殺した...』
頭に浮かんだのは、ニュースに出てる自分
テロップには高校生が殺人事件⁉︎ということが書かれていた。
春『もしそうだったら、楓に迷惑がかかる...』
仕方なかった...正当防衛だ...こういうことを考えた奴が悪い...
春『でも、ガラスの破片を投げただけで、あいつは受け止めた』
春『だから死んでないはずだ。』
でも、疑問があった。
どうして、向坂兄弟と一緒にいた光野さんが生きてて、兄弟が死んだのか
春『光野さんだけなんとか逃げ切れた?』
わからない...本人に会って確認しないと!
その瞬間光が出た
春『これは...追跡者にだけ与えられたもの。居場所がわかるってやつだ!』
ここはトイレの個室、逃げ場がない
春『やばい、早く出ないと』
全速力でトイレから出て、1階に降りると、彼女とあった。
春『光野...さん』
美咲『みつけた!』
僕達は、プールの更衣室に隠れた。
春『あのさ、聞きたいことがあるんだけど』
美咲『なに?』
春『あの兄弟は?』
美咲『わからない。でも、弟がやられた時、兄が返り討ちに行ったきり、帰ってこなくて死んだ』
春『そうなのか...それと、ごめんなさい!』
美咲『なんで謝るの?』
春『あの時、何もできなくて...』
美咲『別に過ぎたことだしいいわよ、何もされなかったし』
春『う、うん』
美咲『あのさ、確かめに行きたい場所があるの』
春『でも、今は危険じゃ...』
美咲『そこは、入ってはいけないところだから、鬼も来ないわよ』
春『それって、もっとダメなんじゃ...』
美咲『私は、このまま何も知らずに終わるのは嫌なの。絶対にこのカードの謎を突き詰めてやるんだから』
僕は彼女が持っていたカードの絵が一瞬だけ見えた
春『中央広場に、男と女の人が捕まっている絵か...』
美咲『ああ、これ?これの謎を知りたいの』
春『わかった、僕も行くよ。絶対に君を死なせたりしないから』
美咲『あ、ありがと』
1階倉庫...そこは、嫌な感じがした
春『なんか、この倉庫の前なのに、もう嫌な感じがするね』
美咲『いくわよ...』
中は至って普通の倉庫だった。
春『机とか椅子が多いね...』
僕は机とかをいろいろ動かして、手がかりになるものを探した。』
美咲『バカ、動かしたら来たっていう証拠になるじゃない』
春『あ、ごめん...』
その時、金属音がした。
美咲『あれ...これ...下に下がってない?』
春『あ、本当だ。エレベーターである感覚だ。』
倉庫の扉の反対側が空いた。
そこには、監視カメラの映像が見れるテレビと、一枚のメモの紙があった。
春『なにこのメモ』
美咲『どれ?みせて!』
春『えーと...言うね。』
メモ
製造機の開発に成功した。
これで助けることができる。
被験者達で実験し、運命の危険度や回避方法などを調べよ
美咲『なによこれ...どういうこと?』
『ふたりとも、ペナルティです』
春『誰⁉︎』
美咲『どこから声が出ているの?』
声は男の人の声で、少し年を取っていそうな感じだった。
『2階中央広場に転送します』
その瞬間嫌な音がした。
春『うぁぁぁぁ、なんだこの音...耳が痛く...』
美咲『この音...前にも⁉︎』
痛みで悶絶している間に、僕達はいつの間にか中央広場にいた。
春『手と足が縛られている...』
腕時計は見れる状態だったので、見てみると...メッセージが来ていた。
メッセージ
2階中央広場に、三枝春と光野美咲が行動不能で待機している。
追跡者にチャンスを与える。
春『なんだこれ...』
美咲『絶対絶命ね...』
僕達の目には、鬼が2人来ている光景が映った。
次回の鬼ごっこ(後編)は26日か27日更新予定です。