第35話 テラス (カードの謎編4)
何も...やることがない
春『あんだけ大口叩いたのに、調べる部分がもうない。そして、何もわからないなんて...』
ここにはマスターキーを持っている人は誰かいるのかもしれない。
そして、その人物がお酒を飲ませた...
春『でも、あのお酒...一般的には実験に使われるから即効性があるはずなのに、どうして早乙女さんは時間差があって死んだんだ...』
舞阪『あの、春さん』
春『あ、舞阪さんどうしたの?』
舞阪『順調ですか?』
春『いいや、全然だよ。あの、聞いてきて欲しいことがあるんだ』
舞阪『なんですか?』
春『美咲さんか美羽さんに何時頃テラスにいたのか。それと、滝沢さんは何時頃ラジオ体操をしていたのかを』
舞阪『はい、わかりました』
そう言って彼女は去っていった
田中羽奏は8時頃死んだ。
死因は不明。
美羽さん、美咲さんはテラス
早乙女さんはそれを見ていた
滝沢さんは外でラジオ体操
安藤さんはその滝沢さんと話していた
春『あれ...外?ここって外に出れたっけ?』
とりあえず自室で考えることにした。
そういえば、この部屋で寝たのは最初の眠っていた日だけだった。
それ以来寝ていないので、久しぶりに睡眠をとることにした。
朝がきた。
カーテンを開け、涼しい空気を吸おうとしたら...
春『あれ、暗い⁉︎え?なんで?』
窓を開けると真っ暗だった。
いや、真っ黒の間違いだ
春『これ...夜かと思ったら木とか草かよ。どんだけここは手入れされてないんだ』
木をどかし、何とか外を覗くと
春『ここは、木に囲まれてるのか。逃げれないな...しかも、ここから飛び降りるなんて出来ないし』
外に行く方法は飛び降りるしかなかった。
ここには窓がない。自室以外...
今日は死体が集められている1階の空き部屋を調べることにした
春『今日で最後だ...今日中に調べて、明日安藤さんと話さないと』
死体が4つ置かれていた
それぞれのポケットを漁った
春『もしかしたら、何かヒントが...』
少し懐かしい手触りのものがあった
春『これって...イルミナティカード⁉︎』
このイルミナティカードはもう時が過ぎている
過去のことが書かれているはずだ
春『ここに書かれているのはもう終わったこと...だよね』
佐島アベルさんのカードには中村さんと思われる、人が目の前で倒れている絵だった。
その中村さんの絵は銃を向けられている絵だった。
田中さんの絵には、銃を持った人を見ている絵だった。
早乙女さんの絵には、コップに毒を入れている途中の絵だった。
春『なんだこれ...犯人はバラバラ?いや、犯人は共犯だ。外から見ている人がいる。でも、早乙女さんが田中さんを殺したとしたら、早乙女さんは誰に殺されたんだ⁉︎』
舞阪『春さん、ここにいたんですね』
春『え?どうかしたの?』
舞阪『あの、頼まれた話ちゃんとやりました。でも、滝沢さんが殺されていました。』
春『楓...』
舞阪『え?』
春『え、いや、なんでもない』
なんで今楓の名前が出たのだろう...もう何日も会ってないからかな...
滝沢は縄で首を絞められて殺されたそうだ。
首に酷い跡が付いていた。
美咲『これで、あと5人じゃない...最初は10人もいたのに』
僕はあと1人で終わるのかと安心していた。
もうすぐ楓に会うことができる...
安藤『そういえば、三枝春操作はどうだ?』
春『ぼちぼちだ』
美羽『あの、春さん...』
春『なに、美羽...』
美羽『呼び捨て...えっと、なんでそんなに怒ってるんですか』
春『僕は別に、怒ってなんか...』
美羽『怒ってます。楓さんに会えないからですか?それで私たちに八つ当たりを?』
美咲『美羽、まって...それは...』
春『楓...』
春がそう呟いた瞬間春の目が変わった
美羽『春さん...あの人の言った通りでした』
春『なにがだ。『俺』の何を知っている!』
美咲『美羽、そこまでにしてあげて。春はきっともうすぐ事情を知るから...』
そう言って彼女らは立ち去った。
僕は...少しずつ落ち着き、怒りも治まった。
僕は今2つのことに怒っている。
美羽さんには別に怒ってはいない。ただ、気まずいだけだ。こらが終わったら仲直りはしたい。
でも、美咲さんはあの刺された日から信用できなくなった。そして、その本人も何も言ってこないことに怒っている。
それとこの企画を考えた奴にも怒っている。
舞阪『あの、春さん』
春『な、なに?』
舞阪『私が聞いてきたことを話しますね』
彼女が言うには美咲さんと美羽さんは6時から田中さんが死んだのを発見されるまでテラスにいたそうだ。
滝沢さんは、6時から7時までラジオ体操をしていたらしい。
春『ありがとう、舞阪さん。これ以上は僕から離れた方がいいかもしれないから、僕についてこないで。』
舞阪『え?』
春『お願いだ、ここから単独で行かせてくれ』
舞阪『はい、わかりました』
テラスに着いた。
春『このテラス...周りがよく見えるな。』
テラスの横に紐がぶら下がっているのがあった
春『なんだこの紐...もしかして⁉︎』
紐は地上まで繋がっていた。
この紐を使えば、外に行くことができる。
春『これを使えば、外に行くことができるのか』
外に行くと、この場所は木で囲まれていることがわかった。
多分、物凄い長い時間の間放置されていたと思われる。
春『皆の部屋の窓も、木で囲まれているんだな...』
少しシュールな状況に笑っていた。
だか、少しおかしなことに気づいた
春『自分の部屋から外を見ることはできない。それは、木で囲まれて何も見えないから...』
僕は自室に戻った。
ただこの状況を整理していた。
春『犯人がわかった。きっとあの人らだ...』
僕は明日の朝に言うことをまとめて、寝ることにした。
春はここから起きる最悪の選択に頭を悩まされるのだった。
次回、全ての謎が明かされる時、春に最悪の選択が...




