第3話 鬼ごっこ(前編)
3話目です。
これからも引き続き応援お願いします。
春『光野さんに聞いておきたいことがあるんだ』
美咲『なによ』
春『このカードしってる?』
僕が見せたのは楓が攫われる時の朝に入っていたカードだ。
美咲『ああ、貴方にはそのカードが来たのね。』
春『これって、何を表しているの?』
美咲『私にはまだわからない。でも、ルールに書いてあったイルミナティカードって、その事だと思う』
春『あー、2つの封筒の中に入っている、イルミナティカードってものだね』
美咲『そう、それのご利用は計画的にって書いてあったけど、そのカードの意味がわからない...』
『いたぞぉ!』
『2人ダァ!』
春『鬼が2人きたよ』
美咲『私に任せて』
彼女が前線に出て構えたのは、小さい銃だった。
春『銃⁉︎さっきはそれで?』
美咲『そう、護身用に持ってきたの。私の父は警察官だから、こっそりとね』
春『鬼は二階堂徹って人と、林裕也って人だ』
徹『女1人と、女々しい男か』
裕也『でも、銃だから迂闊に近づけねえな』
美咲『きなさい、きたら撃つけど』
その時鬼2人は彼女を回り込むようにしてきた。
春『やばい、光野さんが囲まれた!』
光野さんはなんとか銃で応戦したが、もう1人には、背後から殴られた。
美咲『きゃぁっ』
動け...動け...僕の足!どうして...声も出ない。
ビビるな...
ルールとして、体を3秒間触られたら捕まえるという判定になる。
彼女はそれを活かして、暴れまわって、触れられないようにしていた。
徹『裕也の仇だ!』
徹は美咲の銃を拳で吹き飛ばした。
春『絶対...絶命だ...』
美咲『あんたは1人で逃げなさい...早く』
春『置いてけないよ...』
徹『よし、やっと捕まえた』
鬼が光野さんの足を掴んだ
ルールからするとここから3秒以内に離れないと光野さんは失格だ。
春『...動けない...仲間のピンチなのに...』
僕はヘタレだ。喧嘩などは今までせず、運動もそこまでできない。
里矢に会うまでは虐められていた。
そうやって僕が考えていると銃声が聞こえた。
美咲さんの銃を拾って、応戦してくれた人がいた。
名前を確認すると、逃亡者の向坂昇さんだった。
美咲『助かったは、向坂さん』
春『あ、ありがとうございます...』
昇『あ、兄も俊もいるから、分かり辛いから下の名前で呼んでくれ』
俊『よろしくな』
昇『ところでお前、なんで彼女が捕まえられそうになっているところを助けなかった』
春『えっと...動けなかったから...』
俊『ヘタレは役に立たないよ』
昇『美咲さん、俺たちと組まねえか?』
美咲『えっ?』
春『ちょ、ちょっと』
俊『あんなヘタレに交尾むよりも、俺たちとのほうが生存率が高まるぞ』
昇『そうそう、いこうぜ』
美咲『ちょ、まってよあんたたち』
光野さんの意見は無視に、2人は光野さんを連れて、違う場所に行ってしまった。
春『光野さん...』
僕はただそれを黙って見守ることしかできなかった。
次回も楽しみにしていてください。