第28話 光と黒のカード (日記編6)
明かされるイルミナティカードの謎...
僕は数分間そこに立ち尽くしていた。隣の彼女の声なんか聞こえずに...
美羽『春さん、どうしたんですか?』
春『えっ...』
今気付いた彼女が隣にいることに
美羽『ボーッとしてて...何かあったんですか?』
春『いや、なんでもないよ。それよりここどこだっけ』
美羽『何言ってるんですか、イルミナティホテルですよ。今から美咲さんが下にいるような声が下から、行こうって話していたじゃないですか』
春『やっぱり、行くのやめよう。』
さっきは行って死にかけた。
ということは、行ってはいけない
美羽『どうしてですか?』
春『ここを行くのは危ない...』
美羽『美咲さんかもしれないのに、見捨てるんですか?』
春『また...出直そう。』
美羽『今しかないんです。美咲さんを助けるのは』
僕には美羽さんを止める方法ないのか...
こうなったら...
春『美咲さんじゃないよ。地下から聞こえた声は』
美羽『えっ?』
春『だって、美咲さんは...』
沈黙が流れた。
思いつかない。言い訳が...
美羽『春さん、何か隠しているんですか?』
今ここで1回戻ったと伝えたら、彼女は美咲さんが本当にいたかどうか事実を知り、本当に行ってしまう。
それを防ぐためには、unwingingのカードを使ったと言えない。
春『美羽さん、お願いだ。』
美羽『...なら、私1人で行きます』
春『ダメだ!死んじゃう!』
美羽『え?』
春『いや...これは...』
美羽『春さんは先に帰ってください。私は美咲さんを連れてちゃんと帰ってきますから』
春『えっ、ちょっと待って...』
初めの一歩が踏み出せない。
ここを踏み出せば待っているのは死のみ。
でも、何もしないでいると美羽さんが死ぬかもしれない。
春『あ、あああ...』
彼女が遠ざかっていく。
僕は何もすることができなかった。
私はすごく気分が悪い。
春さんは私に何か隠し事を絶対にしている。
美羽『私のこと、信用してくれてないのかな...』
ドアが目の前にあった。そこから、声が聞こえた。その声の主は...
美咲『私を縛って、どうする気よ』
『君に、本当のことを伝えようと思ってね』
美咲『本当のことって...私の親?』
『あれは、実は嘘だ』
美咲『えっ?』
『君を、ここまで連れてくるための口実だ。』
美咲『じゃあ、それで私は春を傷つけたの?』
『まあ、あれはよかったよ』
美咲『どういう意味よ!』
美羽『何の会話これ...』
美咲『で、本当の目的って?』
『8月20日から、不規則に隕石が降ってくる』
美咲『はっ?』
『その隕石は3ヶ月続き、3ヶ月後には地球は滅んでいる。だが、10月頃には人口はほとんどいないだろう』
美咲『そ、それがどうしたのよ、何でわかるのよ』
『イルミナティカードだ』
美咲『えっ...』
『しかも特殊だ。黒色のイルミナティカード。それは、絶対に起こる未来を予測する』
美咲『それじゃ、地球は...』
『だが、それと同時にもう1つ光っているイルミナティカードが出た。』
美咲『光っている?』
『それはなんと、その黒色のカードを回避できることが書かれていた。』
美咲『それならっ...』
『だが、そのカードはそれ以来でてこない。黒色のカードだけが、沢山出てくる』
美咲『イルミナティカードの機械って...どうなっているの?』
『イルミナティカードの機械はある日突然出てきた。未来から...』
美咲『未来⁉︎』
『イルミナティカードは実は、未来を予測するだけでなく、未来から声、物体を送り込むこともできる』
美咲『どういう意味?』
『イルミナティカードの設立者だけが出来る話だが、声などを送って助言することもできるというわけだ』
美咲『なんでそんなことがわかったの?』
『三枝春に送られたカードが、そうだったからだ』
美咲『光のカードはどうやったら出るかわかるの?』
『ああ、わかったさ。普通のイルミナティカードの出し方も』
美咲『教えて!』
『イルミナティカードは人の精神力、血などからできている。だから、イルミナティカードは人からできていると言っても過言ではない』
美咲『まさか、今まで犠牲になった人は!』
『そう、イルミナティカードの機械の中に入れられ、カードとなる』
『まだあるぞ。人の精神力が強ければ強いほど、良いカードがでるんだ』
美咲『良いカードって、赤色や青色?』
『そうだ。』
美咲『あなたは何者なの?色々なことを知っているけど』
『僕はね、10月からきたんだよ。』
美咲『少し未来から?』
『そう、その時は焦っていた。イルミナティカードとなる人物が減ってきたと』
美咲『はい...』
『そこで、ある人物に目をつけた。それが、三枝春だ』
『その時には、男の人はもうほとんど残っていなくて、彼が1番まともだった。』
美咲『そして...』
『彼を、過去に送り込み、親を殺し、次々と彼をいろんなことに巻き込み、彼の心を成長させてきた。』
美咲『鬼ごっこにはそんな意思が...』
『他人事だけど、君も彼に選んだ時その場に居たんだよ』
美咲『えっ?』
『君は約束した。過去では、春をちゃんと守ると。イルミナティカードの器になる日までは...』
美咲『私はそんなことを...春は、そのことを了解したの?』
『ああ、そして私達は、彼の記憶を消し、彼が生まれた時の時代に戻した。』
美咲『今までの出来事にこんな裏があったなんて...』
『僕の言うことを信じるの?』
美咲『あなたはそんな嘘をついているとは思えないしね。そんな嘘をつくくらいなら、私を生かしてる理由もなさそうだし』
美羽『私...やばいこも聞いちゃった...』
少しだけ、春について明かされました




