第21話 古い記憶 (三枝家編8)
春の過去が明らかに...
目の前には暗闇だけがあった
?『また会ったね』
春『誰!』
目の前にいたのは鬼ごっこ中に気絶して、その時に頭に出てきた人物だった
その人物は顔にお面を被っていて正体が分からなかった
?『君にお願いがある』
春『君は誰なの⁉︎教えてくれ!』
?『僕の存在は教えることはできない。』
春『どうして!』
彼は首を横に振るだけだった
?『君はもうすぐ大事な場面に遭遇する。その時に選ばなくちゃいけない』
春『選ぶ?』
?『その選択肢で君の未来は変わる。だから、その時はちゃんと考えて欲しい』
春『どんな時なの?』
?『それは...君がちゃんと生きることができたらだけど、2ヶ月後だよ。』
春『2ヶ月後に何が起きるの?』
?『......カードの秘密を知る』
春『えっ!』
そう言って彼は消えた。
春『僕は...何を知るんだよ...』
目覚めた時には僕は横たわっていた。
もう夕方で、少しずつ暗くなっていた
朱鷺『お願い...だから...』
早崎『うるせえ!1歩でも動いたらこいつのとどめを刺す!』
春『こいつって...僕...?こんなの...前にもあったような』
そうだ、僕の両親が死んだ日だ
その日はいつも通りだった
春『お父さん、いってらっしゃい!』
楓『今日は早く帰ってきてね!』
春之『春、楓いい子に待ってるんだぞ』
この日は土曜日でお父さんは午前中で仕事が終わるらしく、午後から家族で出かける予定だった。
だけど、お父さんが出て1時間後に『それ』はきた
早崎『おらぁ!金だせえ!』
風乃『春、楓、逃げて!』
春『え、なに⁉︎』
楓『うぇぇぇん』
風乃『はやく!』
早崎『うるせぇ!』
早崎の持っていた包丁が三枝風乃の頭を刺し、風乃は倒れた
春『えっ...お母さん...?』
楓『なんで...どうして...』
春『楓、逃げるんだ!僕が...まもるから...』
早崎『妹思いの兄だな、ならこうしてやるよ!』
早崎は楓を後ろから抱きしめ、人質みたいにあつかった
早崎『父親はいつ帰ってくるんだ?』
春『そ、そんなの知らないよ!』
早崎『言わないとお前の妹は死ぬことになるぞ?』
春之『子供にそんな事して恥ずかしくないのか...』
早崎は吹き飛んだ
三枝春之が帰ってきていたのだ
春『お父さん...』
春はまだ帰ってくる時間ではないと思ったが、予想以上に時間が経っていた。
絶望のせいで時間が進むのが遅く感じていたから
早崎『こいつ!』
春之『うおお!』
早崎『嫁と一緒に地獄に落ちな』
春之は腹に包丁が刺さり、倒れた。
春『楓、行くよ!』
早崎が倒れたうちに、僕は楓の手を握っていた。
そして、何とか逃げる事に成功した。
それは相手が追ってこなかったから。
それ以来楓は大人の男が苦手になってしまった
春『何で今更こんなの生かしてくれたっていう記憶を思い出したんだろう。今もこんな状況なんだからかな...』
まだ何か春の記憶が隠されていそうだ...




