第20話 レッドベリー (三枝家編7)
今回は少し短いです
春『優也!』
優也『あ、熱い...うあああ』
僕は目の前の優也が熱さで炎のダンスをしているようにしか見えなくて、ただボーッと立つことしかできなかった
春『今...僕にできることは...』
朱鷺『優也!優也!』
早崎『弟の方が先に逝くって姉としてはどう感じるんだ?』
朱鷺『許さない...貴方は絶対に...』
春『何か...火を消すものは...』
そういえばここは工事だ。
今はもう使われていなくて、前は機械がたくさんあったらしい
そうだとしたら...
春『あった!』
僕はみつけた《それ》を優也の方に向かって撃った
優也『はあ、はあ』
早崎『消化器か...』
朱鷺『覚悟しなさい』
僕の目の前にまたしても突然不可解なことが起きた
朱鷺さんが自由になっていた
早崎『お前、どうやって!』
朱鷺『彼女らのおかげよ』
楓『春兄勝手に行かないでよ!』
美咲『あなたたち何考えているのよ!』
美羽『私たちを置いていかないでください』
春『みんな...どうして』
美咲『そんなの、朱鷺を助けるためよ!』
早崎『調子にのりがやって...こいつがどうなってもいいのか!』
春『優也!』
優也が人質に囚われてしまった
僕らが楓達の方を見ているうちにやられた
早崎『お前ら1歩でも動けば、ナイフで切ってやるからな』
春『あの、美咲さん...』
小声で話しかけた
美咲『なに?』
春『銃で撃てないか?』
美咲『私の銃は人に当たっても少し痛いくらいだけど、もし外したら傷だらけの優也が危ないわ』
春『やっぱり...』
美咲『でも、当ててみせる...だから春そのうちに彼を倒して』
春『ありがとう、信頼しているよ』
美咲『ま、まあ私だから絶対に当ててみせる!』
彼女は少し照れていたのが分かった
これなら大丈夫そうだ
美咲『いくわ!』
彼女の弾が早崎の肩に当たった
早崎『いてぇ!なんだ!』
その時優也は一瞬だけ解放され、朱鷺さんが助けた
僕は...あいつを動けないようにするだけ
春『っ...肩が...さっきのナイフの傷で上がらない...』
早崎『このクソ野郎が!ガキが!』
熱い
お腹が熱い
自分の腹部は血で真っ赤になっていた
タイトルのレッドベリーってのは、腹部が赤いって意味です




