第19話 2人の犠牲 (三枝家編6)
朱鷺はどこに...
優也『春さん...どうすれば...』
春『優也君、ちょっときて』
楓『どこいくの?』
春『ちょっと男同士の話かな』
優也『春さん...どうしたんですか?』
春『僕達だけで行こう』
優也『正気ですか⁉︎』
春『みんなを巻き込みたくないんだ、カードに書いてあったように刺されていた男は多分俺たちか、敵だ』
優也『じゃあ、それが敵とかけて行くってことですか?』
春『そう、行ける?』
優也『僕には...自信がないです』
春『...大事な家族なんだろ?家族は失ってから気付くんだ...君も一回味わったはずだ』
優也『家族...』
彼はそれから数分間返事をしなかった
1人で考えていたようだ。
朱鷺姉だけが今の僕の家族なんだ。
もし朱鷺姉を失ってしまったら...
いやだ!そんなの!なら...助けるしか...
でも...僕に...できるのか...?
春『優也君、いや優也!僕と行こう...君の家族を助けに!』
優也『はい、春さん!いえ、春!』
僕達はみんなに気付かれないように外に出た。
優也『場所は分かるんですか?』
春『あのカードの建物には窓があった。そこから、イルミナティホテルが見えたんだ』
優也『ということは...そこの近くってことですね!』
春『急ごう!』
朱鷺『で、どういうわけ?』
私は今壁に手錠で縛られており、足だけが少し自由に動かせる状態だった。
朱鷺『誰の命令?あなたの意志?何のために?』
早崎颯人『何でそんなこと言わなきゃならねえんだよ』
朱鷺『あなたのせいで、私の父さんや母さんが...』
早崎『お前に楽しいショーを見させてやるからな、楽しみに待ってろよ』
朱鷺『楽しいショーって...』
優也『朱鷺姉!』
春『みつけた!やっぱりあの角度から見えるのはここしかない!』
早崎『きたな...今日のメインパーソンが!』
朱鷺『危ない!』
そう彼女が叫んだ時、僕の視界がぼやけた
春『なにこれ...』
視界がぼやけたのではなかった
視界が血まみれになり、見えなかったのだ
優也『あれ...なんで...』
目の前にいた優也の腹や肩にナイフが刺さっていた
春『いつの間に...』
早崎『お前らも知ってるだろ...《これ》』
それは...青色のイルミナティカードだった
春『まさか...そのカードは...』
早崎『そうだよ!ナイフだよ!』
次の瞬間カードを投げてきた
僕は何とかそれに避けることができたが
早崎『フェイントだ!』
それは囮になっていた
春『うあっ!』
肩に刺さった。
今までにないくらいの痛みがきた
これほどの痛みがあるとは思えなかった
早崎『もう終わりか!』
彼に蹴りを入れられ、僕は吹き飛んだ!
ポケットに入れていた、朱鷺さんのイルミナティカードや携帯が吹き飛んだ。
春『朱鷺さんだけでも...うあっ...』
朱鷺『あなた、早く私を攻撃しなさい!私だけにして!』
優也『朱鷺...おねえちゃん...』
彼はバケツを持ってきた
春『な、なんだそれ!』
それの中身を朱鷺さんにぶっかけた。
早崎『これはな、オイルだよ。そして、俺の右手にはライター。何か分かるよな?』
優也『えっ...』
早崎『お前の親と同じで、焼いて殺してやるよ!』
朱鷺『や、やめなさい...あなたまで被害が来るわよ』
早崎『俺はすぐに車で逃げる準備をしている、だから平気だ』
僕はなにも動けなかった
ただ朱鷺姉が死ぬ瞬間までを見守ることしかできない...
また家族を失うのか...
大切な人を...守れない...
だって、肩は上がらないし、お腹も痛くて立てないし...どうしようもないじゃないか!
少し時間稼ぎをするくらいだよ...
そんなんじゃダメだ...
やっぱりあのカードのように、僕達は刺されて死ぬんだ...
未来は回避...できないのか...
朱鷺『優也!今の内逃げなさい!』
そんなの嫌だ...
その時ある言葉が頭に浮かんだ
『あなたは大事な人を守れる人になりなさい』
朱鷺姉...
優也『朱鷺姉に手を出すな!僕が...相手してやる!』
春『優也...』
僕の目には彼はどうやって立っているかわからないけど、気持ちがすごく伝わった。
彼なら...この状況をなんとかしてくれるかと...
春『俺も...何かしないとな...』
優也『うああああ!』
早崎『おせえ!』
早崎の蹴りで優也は吹き飛んだ
だが、また立ち上がり突進した
早崎『しつこい!おまえから殺す!こい!』
優也『僕は...助ける!』
朱鷺の体にかかったオイルが、優也の足元に行き、優也はそれで転んだ
早崎『お前も炙ってやる!』
優也の体に火が引火した
殺してやるってセリフ多かったけど...大丈夫かな?




