第17話 帰ってきた日常 (三枝家編4)
足音の正体は...
楓『ふたりとも、いくよ!』
私達は大声を出した。
足音の正体が味方だと信じて...
春『やっぱり聞こえるんだよ!』
美咲『でも、隣は壁よ?』
朱鷺『何か...壁を壊せるものは?』
春『美咲さん、銃なかったっけ?』
美咲『私護身用に持たされてるけど、こんな壁破れないと思うけど...』
朱鷺『やる価値はあるわ』
銃を壁に向かって撃ち続けた。
春『なにこれ...空洞?』
楓『春兄...?』
端っこに3人が固まっているのが見えた。
そこに楓がいた!
美咲『えっ、人?』
朱鷺『優也...みつけたわ』
優也『お、お姉ちゃん...』
美羽『えっ、えっ⁉︎』
楓『どうしてこんなところに?』
春『それは後で、今はここから逃げよう!』
楓『...カードの通り、外に3人の人がいた。なんだろうこのカード...』
朱鷺『あなた達は連れて行かれたのね』
美羽『あの...』
春『あ、ごめん名前を聞いてなかったよ』
美羽『須佐...美羽です。』
美咲『須佐って...』
春『まさか...君って須佐太郎って兄がいるよね?』
美羽『どうして兄のことを...』
朱鷺『須佐太郎は私達と旅館に連れて行かれたの。そこで死んだわ』
春『そんなハッキリ言ったら』
美羽『そんな...お兄ちゃん...』
美咲『美羽ちゃん...』
楓『美羽ちゃんはお兄ちゃんの事が好きだったんだね』
美羽『帰ってくるって言ったのに...ばかぁ...』
1歩間違えれば楓もこうなっていた。
僕は...この事件の犯人を見つけ出さないといけないと改めて思った。
イルミナティホテル
須々木早苗『社長...3人が逃げ出しました。』
社長『計画通りだ。次は【彼】を解放しろ。そして、【彼等】の家に送り込め』
春『やばい、学校に遅刻する!』
楓『春兄がいつまで経っても寝てるからでしょ』
僕たちの日常は帰ってきた。
あれから1ヶ月カードは送られてはこなかった。
ただ1つだけ変わったことがあった
美羽『お兄さん...早く食べてください』
僕の家にもう1人女の子が住み着いたってことだ。
美羽ちゃんはお兄さんと2人で暮らしていたが、お兄さんが死んでしまい住む場所がなくなったので僕達の家に住むことになった。
美羽『お兄さんが早く食べないと、私達は食器洗うことができなくて、遅刻しますから』
楓『美羽ちゃんの学校遠いから、先行けばいいんだよ』
春『そうそう、楓なら遅刻しても平気だから』
楓『春兄...いくら私でも許さないからね』
僕の日常は戻ってきた。
だけどこんな日はすぐに終わった...
ここからが三枝家編の話に入ります。