第16話 足音 (三枝家編3)
楓達の閉じ込められている場所は...
美咲『春...大丈夫?』
僕は恥ずかしながらショックが大きくなかなか立ち直ることができなかった。
春『時間が経てば...』
朱鷺『貴方は...どうやって家族を失ったの?』
春『家族...楓!そうだ、こんなことしている場合じゃなかった』
美咲『やっと元気出したわね。もうすぐ須々木早苗が刑務所から出るわよ。尾行しましょ』
春『もしかしたら、楓がいるかもしれないからね』
朱鷺『きたわよ』
彼女は出てきた。
僕達には気付かず、そのまま歩いて行った
春『いこっか』
美咲『これってストーカーよね。一応私の父警官なんだけどなぁ...』
朱鷺『面白い冗談ね』
春『結構行くね』
そのまま歩いて20分。
着いた場所は...
春『ここって!』
朱鷺『...』
美咲『イルミナティホテルじゃない!』
朱鷺『しってるの?』
春『僕と美咲さんが出会った場所で、鬼ごっこをした場所なんだよ』
美咲『タイムリープしてなかったら...組織の人に殺された場所...』
春『地下に行ったみたいだよ』
朱鷺『地下なんてあるのね』
美咲『地下に行ったら...』
春『どうしたの?』
美咲『ああ、春は知らないのよね。戻ったから。死体があるのよ』
朱鷺『死体...。多分このゲームで死んだ人とか...』
春『エレベーターがあるよ。』
美咲『地下...30階⁉︎』
朱鷺『そんな広いの』
春『何か...声が聞こえない?』
朱鷺『声?』
春『うん、隣から...』
美咲『隣に何もないわよ』
楓『さっきの水中の場所より天井は低いね』
美羽『死にたくないよ...お兄ちゃん...助けてよぉ...』
優也『美羽さん、僕が付いてますから。必ず守りますから』
楓『優也君って、優しいよね』
優也『姉が...変になったから』
美羽『お姉ちゃん?』
楓『私も春兄がいるから、ということはみんな兄弟がいるんだね』
優也『あ、僕のさっきの言葉忘れてください。僕の家の話ですから』
楓『う、うん。でもどうしようか...』
優也『あ、そういえば美羽さんのカードまだ見てないですね』
美羽『私のは...これ』
その絵には、人が3人と、その隣にまた人が3人で固まっている絵だった。
楓『どういう状況?』
優也『何か仕切りみたいなのが見えるから、多分僕達のことを表していると思う。』
美羽『じゃあ、もう一つ...は?』
楓『私たちをさらった犯人か...もしかしたらここは地上で、外はただの道路とか...』
優也『この壁の外が?』
そう言って彼はドアを『コンコン』と叩いた。
楓『何か...いい音がするね。』
優也『なんで表せれるんだろう...』
美羽『くうどう...?』
楓『そう、空洞みたいなここの外には何もない感じが』
優也『じゃあ、ここは地下で他は何もない場所ってことかな?』
美羽『足音!』
楓『えっ!』
何か歩いてくる音が聞こえた。
話し声も...
優也『誰...でしょうか』
楓『一か八か大声出してみる?』
美羽『こわいよ...』
優也『大丈夫です、美羽さんのことは僕が守りますから!』
美羽『...優也君...』
楓『こんな時に、いちゃいちゃしないでよ』
私は苦笑した。
よかった、まだ私達には余裕がある。
追い詰められてなんかない。
3人いればきっと何か...できるはず!
果たして楓達に近づく足音は...?