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Variety of Lives Online ~猟師プレイのすすめ~  作者: 木下 龍貴
6章 プレイヤーイベントと中級猟師
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小さな打ち上げ

一番最初のプロローグを除くなら、これが最短かもしれない…

カイと猟師とプレイヤーを交えた宴会兼狩り(戦闘)談義を書いてたんですけど、蛇足な気がして削除したのが原因です笑


 その一言が合図になり、全員の足がマナウスへと向かう。俺は発動しなかった罠の解除がある為、それを終わらせてからの合流になることを伝えて森へと戻った。森に入ると残ったトラップを一つずつ確認し、解除していく。ほとんどが発動していたおかげで大した時間は掛からず1時間ほど遅れてマナウスに向かう事になった。

 ハンドメイドの1階。入り口に着くと扉を開ける。そこではすでに宴会が始まっていた。あれ、見間違えでなければあそこにいたメンバーが全員いる気がするのだが。

 すでに宴会は始まっていて、中には出来上がっている奴もいるようだ。中に入るとリュドミラが気付いたようで、手招きしながら声をあげた。


「カイ、遅いわよ!早くこっち来なさい!」

「まあまあ、今回はカイが主役なんだからちょっと落ち着いて。ほら従業員のお姉さんが驚いてる」

「あら、驚かせてごめんなさいね。それよりも、挨拶終わったらこっち来なさいよ」

「わかった。それよりも挨拶ってなんだよ」


 リュドミラたちに聞くと、あれだよと指を指される。そこには派手に飾られたお立ち台と隣には大きなテーブルが置いてあった。

 え?ここで挨拶をしろって?すでに出来上がってる奴がいる中で?これなんて罰ゲーム?ただ、ここまでの準備をしてくれたみんなの手前、何とも言えない表情でお立ち台に上がることになった。全員から声援が上がる。ちょっと、いやかなり恥ずかしい。


「さて、それじゃあそろそろそっちの受注も一区切りがついたようだし、本日のメインイベントを始めるよ。司会はハンドメイドの鉄心がするんでよろしくね~」


 鉄心が挨拶をすると全員から拍手が返ってくる。それが鳴りやんだタイミングで再び口を開いた。


「最初に今回の主役、カイから今日の狩りについて振り返ってもらいます。あ、もう酔っぱらってる人達もいるから手短で!」


 笑い声が響く中、鉄心からはどうぞと身振り手振りで示される。こんなことならカンペでも用意しておけば良かったんだが。一度周りを見回すと、全員が笑いながら俺の言葉を待っていた。とりあえず、思いつくままに話してみようか。


「今日はわざわざ俺の狩りを見に来てくれてありがとう。今回狩ったカメレオンベアはちょっと特殊なモンスターで、大体3か月くらいかけて狩ることになった。まあかかった期間はどうでもいいし、カメレオンベアとの戦闘についてはみんな見ていたみたいだから気になることは後で答えることにするよ。ただこれまでの間、ここにいる人たちには本当に世話になった。様々な面での協力、本当にありがとうございます」


 最後に頭を下げると、今日一番の拍手が鳴り響いた。盛り上がる挨拶なんてのは俺には無理だし、まあこんなところで十分に及第点だろう。お立ち台から降りようとすると、鉄心に身振り手振りで止められた。まだなにかあるのだろうか。


「ささ、それではカイには今回の狩りの成果を見せてもらいたいんだけど、いいかな」

「そういうことか。特に隠すようなものもないし、構わないよ。それじゃあっと」


 促されるままにアランの背負箱を取りに行く。椅子に載せてあった背負箱を持ってもう一度お立ち台に上る。そして先程は内容を確認することなく詰め込んだ棚を引き出した。同時に、インベントリの情報が出てくる。


「食べ物関係とそのほかの素材ならどっちが先が」

「お肉!お肉が最初がいい!」

「あたしも肉!どんなのか気になるし」


 全員に向けてそう聞いたつもりだったが、喰い気味にアイラが答えていた。それに乗っかったのはアキラか。アイラは料理人魂でアキラは食い意地だから、同じこと言っていても内面には天と地ほどの差があるけど。

 生産組は素材を見たそうではあるけど、楽しみは後に取っておくのもいいだろう。特に反対意見もないようだったので、そっちから取り出すことにした。


「さてと、それじゃあ食材からな。こんな感じか」


 そう言って取り出したのは赤身の綺麗な肉だった。素早くテーブルに皿を置いた錦に感謝しつつ、肉を乗せる。続けて獲得した食材をすべて載せていった。結果はこうなった。


≪透明熊の肢肉×2 レア度:3 重量:1≫

 マナウスの森に棲んでいるカメレオンベアの肢肉。脂肪が少なく、きれいな赤身が特徴。若干の臭みがある。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:食材


≪透明熊のロース肉×3 レア度:3 重量:1≫

 マナウス森に棲んでいるカメレオンベアのロース肉。脂がのっており美味として知られている。若干の臭みがある。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:食材


≪透明熊の心臓 レア度:4 重量:1≫

 マナウス森に棲んでいるカメレオンベアの心臓。非常に力強い味わいで歯ごたえが良い。若干の臭みがある。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:食材


≪透明熊の熊の手 レア度:3 重量1≫

 マナウス森に棲んでいるカメレオンベアの手。豊富な美容成分を含んでおり、女性に人気がある。若干の臭みがある。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:食材


 一つ一つのアイテムが出る度に歓声が挙がる。特に料理の好きなアイラや楓は楽しそうにそれを見ていた。女性陣に特に人気がありそうなのは熊の手だろうか。見た目はあれだけど美容に効果ってのはいつの時代も価値があるものだ。ゲーム内での人気については知らないけども。

 食材を改めて眺めると思い知らされるけど。このレア度を調理できるようになるのは相当先のことになりそうだな。焼肉にするだけでも一苦労かもしれない。いっそのこと、食材の一部はアイラに任せてしまうのもありかもしれない。そう考えてアイラに向けていくつかの食材を放り投げる。慌てて受け取ったアイラは困惑していたが、意図は伝わっているようだ。その口からは笑みがこぼれている。


「さて、せっかく披露したんだ。どうせならみんなも少し食べてみたいだろ?肢肉とロースと熊の手を一つずつ。これならそれなりの量になる。てことでアイラ、後はよろしく!」

「いよ!カイさん太っ腹ぁ!」


 アイラが楓を誘ってキッチンに消えていくのを尻目に、調子よく囃し立てるのは富士だ。苦笑しながら残った食材を仕舞い、今度は素材も見ていく。俺としてはこっちが気になるところではある。そして一つのアイテムに気付き震えた。周囲にばれないように装いながら、一つずつアイテムを取り出していく。


≪透明熊の爪×3 レア度:3 重量:1≫

 マナウス森に棲んでいるカメレオンベアの爪。非常に強靭で大木を穿つ鋭さがある。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:素材


≪透明熊の牙×2 レア度:3 重量:1≫

 マナウス森に棲んでいるカメレオンベアの牙。磨くと色合いが美しく、硬いため装飾品に加工されることが多い。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:素材


≪透明熊の魔核×1 レア度:4 重量:1≫

 マナウス森に棲んでいるカメレオンベアの魔核。インゴットと組み合わせることで強力な金属を作り出せる。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:素材


≪透明熊の全身皮×1 レア度:4 重量:1≫

 マナウス森に棲んでいるカメレオンベアの皮。カメレオンベアの特性を最も強く表しており、マントなどの装備に用いられる。戦闘の影響で両足部分が欠損している。カメレオンベアは普段は透明で発見が困難なことから希少価値が高い。

 アイテム分類:素材


 これは、本当に運がいいな。新たに考えていたスタイルを実現するのに欲しかったアイテムのすべてをが手に入ったかもしれない。あの手つかずのインゴットと魔核、そして皮をうまく装備に生かせば、これからの狩りが相当に捗るだろう。魔核については攻略組もかなり興味があるらしく、しげしげと眺めている。

 しばらく展示してからアイテムを背負箱に戻し、そこからは再び宴会へと戻った。もう一度全員に挨拶をして回り、リュドミラに捕まり色々と突っ込まれたので、出来るだけ丁寧に答えを返しておいた。どうもトラップの順番や戦闘方法に疑問があったらしいく長めの話になった。終わりの方には仕事に戻っていたおやっさん達も戻り、調理していたカメレオンベアの料理が出てきてにぎやかに夜を過ごした。


後は掲示板回で今章は終了になります。

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