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Variety of Lives Online ~猟師プレイのすすめ~  作者: 木下 龍貴
8章 猟師の冬は北を見据えて
108/125

覚悟は白に溶けて

「ウェンバー、魔力は!」

「ちょっと厳しい!でも、エリートですから……!」


 言葉とは裏腹に、作り出す根は細くなり、踏みしめるとすぐに潰れてしまう。


「シルフレアはガイルを守れ!」

「わかっているわ!」


 シルフレアが、剣を構える。

 だが数が多すぎる。あの多勢を相手に数人を切ったところで状況は変わらない。


「くそっ……!」


 俺もセルグ・レオンを構えるが、射撃でいくらか減らせても、焼け石に水なのは変わらない。

 ウェイザルギアが後続を鼓舞するように声を上げている。


「俺が飛び込む!ついてこい!」


 その声に応じるように、敵の隊列が膨らむ。

 崖上からはシュトーバーの声も響いた。


「ここで確実に仕留める。追いつき次第、即座に包囲を狭めて殲滅するぞ!」


 敵の動きは、これまで見た中でも、最も洗練されている。

 優位を築いたと思ったそばから、状況をひっくり返される。その終わりのなさに、気づけば歯を食いしばっていた。


 ガイルは寒さの中で走り続けた。息も荒く、ペースは上がらない。

 シルフレアは味方を守りながらの戦闘が続いて疲労の色が濃い。

 ウェンバーは度重なる魔法の行使で魔力が尽きかけている。


 そして、敵には後続がいる。数はまだ増えていく。


「カイ!ここからはどう進むの!」


 シルフレアの声が疲労にかすれている。

 俺は迫る敵を見据え、銃を握りしめた。せめてもの抵抗として、先頭のウェイザルギアを狙うが、やはり斧で弾かれてしまう。


「魔力が、すっからかんだ……!」


 ウェンバーの声が震えていた。

 伸ばそうとした根が、そのまま枯れていく。


「考えろ、まだできることはあるはず……!」


 残り少ない魔力ポーションを渡しながら、周囲の状況を整理していく。

 持ち直したセルグ・レオンから放たれた弾丸は空を裂き、鳥型モンスターを撃ち落とす。


「チッ……!」


 ウェイザルギアは、斧で弾丸を弾き返して進んでくる。

 金属音が響くたび、焦りだけが増していく。


「人間、まだ走れるか!」

「……問題ない……まだ行ける……!」


 ガイルは肩で息をしながらも、ただ黙々と、足を動かしていた。


 だけど。


 頭を少しでもクリアにできるように、深く、大きく息をする。

 セルグ・レオンの銃身は熱を帯び、手がじんじんと痺れる。


 追ってきている敵の数。銃弾を弾くウェイザルギア。戦闘には参加していないシュトーバー。

 ウェンバーの残存魔力。シルフレアとガイルの体力。出せる速度。

 リグMB01の残弾。魔法石とMPポーションの数。

 後ろの敵に追いつかれたら。乱戦での勝率は。敵の援軍に終わりはあるか。

 

「……どうあがいてもジリ貧か」


 胸の奥が冷たくなるのを感じる。

 このままだと、全滅する。


 俺はまだいい。死んだところでリスポーン地点で復活するだけだ。でも、NPCであるウェンバー、シルフレア、ガイルは死ねば消えてしまう。

 それだけは、なんとしても避けたい。そんな時、ふと案が浮かんだ。


「……作戦を変える」


 蚊の鳴くような声で呟くと、ウェンバーが振り返った。


「ねえ、カイさん……まさかとは思うけど……!」

「ああ、このままじゃ全滅だ。誰かが囮と足止めをして、この包囲を崩す」


 その言葉に、シルフレアが息を呑んだ。


「でも、いえ……!」


 ガイルが苦しげに言葉を絞り出す。


「私を置いていけ……!もとより処刑を待つ身だった。足を引っ張っている私が抜ければ……!お前たちは逃げられる……!」

「黙りなさい、人間……!」


 シルフレアはガイルに怒りの目を向けている。

 俺は静かに首を振った。


「アホか。誰がお前たちに残れって言ったよ。俺はお前たちを死なせるつもりはないぞ。それに、ガイルを助けると決めたのは俺だ。その上で、巻き込んだウェンバーとシルフレアを死なせるなんて、俺はそんなの認めない」


 抵抗する全員を納得させる言葉を探せ。俺を置いていくことのメリットを提示しろ。

 頭をフルに回転させて、言葉を紡ぐ。


「これは、敵の仕掛けた消耗戦だ。ガイルがいることをちらつかせ、助けに来た部隊を絡め取っていくための罠だ。俺たちが捕まったら、次の部隊を釣る餌が増えるだけなんだ。でも、それでもここまでは来た。わかるか?この状況、おそらくここが最後の分水嶺なんだ!」


 ウェンバーが、崖上を見つめて低く呟く。


「……だったら、敵の指揮官を倒せばいい!」

「ウェンバー?」


 気づけば、ウェンバーは悔しそうに唸り声を上げていた。


「実はね、僕はあいつが許せないんです。そりゃさ、コボルトの中には王様を裏切った奴らがいるって、聞いてはいたんです。いつかは敵として出会うって。あんな奴がいたから、僕たちはリゼルバームに追いやられたって!あいつは敵の将軍だよ!倒せば、包囲は綻ぶんだ。追撃だって弱まる。それなら全員で逃げられる可能性だってある!」


 ウェンバーの声には、怒りと悲しみが混じっていた。

 いつもは飄々としておちゃらけた、掴みどころのない奴ではあるけど、一族の悲願を背負っているんだよな。3世代越しの思いを邪魔しに来るのが同族じゃあ怒りだって湧くか。


「でも、シュトーバーが弱いなんてことはないと思う。ウェンバーは魔力が尽きかけ。私も万全には程遠い。そこの人間を守りながら戦うのは、正直言って無理よ」


 その言葉に、ウェンバーは悔しげに拳を握った。


「……わかってるよ。でもさ……!」


 沈黙が落ちる。

 雪が風に流れ、敵がさらに迫る。俺は深く息を吸い、仲間たちを見渡した。


 囮は俺。これは絶対だ。とった作戦以外で誤算だったのは、ウェンバーが想像以上にシュトーバーを意識していたこと。そしてプレイヤーの死に戻り(リスポーン)に対する住人の考え方、その認識の甘さだ。

 どうやら、思っていたより住人はプレイヤーの死を重く見ている。

 納得させる時間はないが、3人を死なせるつもりはもっとない。なら、押し切るしかないな。


「囮は俺だ」


 その瞬間、ウェンバーが叫んだ。


「ふざけるな!一緒に戦おう!」

「ウェンバー」

「僕はカイさんを見捨てておめおめ逃げるなんて……絶対に、嫌だ……!」


 ウェンバーの声は怒りに震えていた。

 だが、その奥には、これ以上仲間を失いたくないという必死の想いがあった。

 シルフレアがウェンバーの肩を掴む。


「ウェンバー!カイの覚悟を踏みにじることは許されない!」


 その声は震えていたが、強かった。


「私たちは今、全滅の一歩手前にいるわ。不死の呪いは禁断の呪い。その発動は、本来なら絶対に避けるべきもの。その危険をカイは承知で言っている」


 ウェンバーは歯を食いしばり、拳を震わせた。


「……くそっ……!」


 ガイルは静かに目を閉じた。


「……すまない……カイ殿……」

「謝るな。このパーティーのリーダーは俺だ。俺が決定したんだ。それにガイルを助けたことは全く後悔なんてしてないしな」


 この感じ、プレイヤーのデスとログアウトからの引退がごっちゃになった理解なのか。その上で、死は住人基準で考えられてる。この辺りは単純に勉強不足だったな。

 でも、オレの考えに乗ってくれるヤツがいる以上、あとは託すだけだ。


「シルフレア、2人を頼むぞ」


 ウェンバーは唇を噛み、顔を歪めた。

 シルフレアは真剣な表情で頷く。


「待ってるわよ……!」


 いや、俺はどう考えても死ぬんだよな。


「それ、実は俺のセリフ。あとはあれか、本部にて待つ。だな」


 それだけ言って背負い箱から、リグMB01を取り出した。

 グリップを握ると銃身に青い紋様が走り、魔力が脈動する。


「行け!この川は湖畔のキャンプ地につながってる!」


 川沿いの道なき道を逃げていくウェンバーたちの背中を見送りながら、深く息を吸った。

 これで、あの3人の生き死にに俺は関与できなくなった。俺がミスれば間違いなく3人は死ぬだろうし、ミスらなくても死ぬかもしれない。

 判断が正しかったのか、不安しかない。


「……行くぞ」


 リグMB01を構えると、銃身の紋様がさらに強く、青白く脈動した。魔力弾を装填し、銃口の先に淡い光が宿る。


 敵の追撃ルートは、ここか崖の上だけ。まずはこちらを封鎖させてもらう。

 俺を射程に入れたウェイザルギアが跳躍し、翼を開いて飛び上がった。


「まずは貴様からだ、人間!」


 ウェイザルギアは二本の斧を交差させ、空中で構える。

 俺は、迷わず引き金を絞った。


「そうだよな。散々はじき返してくれたもんな。今回も、受けきれると思ってるんだろう?」


 青白い閃光が走り、魔力弾が一直線に飛ぶ。

 空気が震え、小石が、雪が弾ける。


 「これは……!」


 ウェイザルギアの斧に魔法弾は直撃し、斧にヒビが入る。


 魔力弾の衝撃は斧を粉砕し、破片が光の中に散る。そのままの勢いで弾丸はウェイザルギアを貫き、その体を崖に叩きつけた。

 次の瞬間、魔力の波紋が広がり、ウェイザルギアの身体を包み込む。


「ぐっ……ああああああああッ!」


 魔力弾の直撃の衝撃が凄まじい勢いで広がり、崖を砕いた。岩が砕けて転げ落ち、狭かった細道が崩落で埋まっていく。

 これでウェイザルギアごとルートを封鎖できたな。あとは。


「まだそこにいるんだろ!ウェンバーッ!」


 俺は叫び、腰のポーチから魔力ポーションを取り出して投げつけた。


「飲め!俺を上に飛ばせ!お前の代わりにどでかい一発かましてきてやる!」

「…!わかったッ!」


 ウェンバーは走りながらポーションを掴み、一気に飲み干す。

 その瞬間、彼の足元から太い根が伸び上がり、カイの足元を包み込んだ。


「行っけぇぇぇぇッ!」


 根が弾けるように伸び、カイの身体を空へと跳ね上げる。

 視界が一気に開け、風が頬を切った。


「ウェンバー!」


 空中で体勢を整え、カイはリグMB01をウェンバーへと投げ渡した。


「あとで返せよぉッ!」


 ウェンバーは驚きながらも両手で受け止める。


「うん!」


 自然と口が綻び、すぐに引き結ばれる。落下しながらセルグ・レオンを構えた。

 着地と同時に、敵の影が迫る。


「来いよ。お前が真打なんだろう?」


 銃を撃ち、魔法石を投げ、足元の石を蹴り上げて掴み、敵に投げつける。パルクールを生かして木の幹を足場に跳躍し、枝を掴んで方向転換する。

 縦横無尽に動きながら、追撃を食い止める。


 敵の機動力は高い。そりゃあコボルトだからな。その速度は俺を超えている。

 さらには、シュトーバーの護衛だろう鬼人が木々の合間を抜けながら刀を振るい、ゴブリンは弓を引き、上空からはハンマーを持ったホークマンが襲いかかる。


「はぁっ……しつっこい!」


 銃弾は鬼人に撃ち込み、拾った石をゴブリンに投げつけて体制を崩す。斧の一撃をくらうが、蹴り飛ばして距離を少しでも稼ぐ。

 気づけば、激しい雪が降っていた。

 敵は止まらない。


「……くそっ……!」


 右肩から胸にかけてダメージエフェクトが走り、右手が思うように動かない。

 魔法石は残りわずか。

 ポーションと投げナイフはとうに尽きた。


 敗北は確定しているが、それでも、最後まで足掻く。


「たかだか人間一人に、いったいどれだけ時間をかけるつもりだ!」


 シュトーバーの声に、ずいぶんと苛立ちが混じっている。

 声色の圧に押されるように、敵が一斉に動いた。


「……来いよ」


 腰の竹筒から最後の魔法石を取り出す。


「これで……!」


 敵が一斉に飛びかかる瞬間、魔法石を地面に叩きつけた。

 一拍をおき、閃光が鬼人たちの目を灼く。


「今だ……!」


 飛び込もうとして転がり込んできたホークマンを足場にして跳躍。鬼人を飛び越し、背負箱をその場に落とす。

 ゴブリンの放った矢が首に刺さるのを気にせずに突っ込む。


「悪いが、盾にさせてもらうぜ」

「なに……!」


 シュトーバーが驚きながら剣を構える。振るった剣はゴブリンごと、俺を切ろうとしていた。


「うおおおおおおッ!」


 最後の力でゴブリンを押し出し、足蹴にして跳ぶ。

 ゴブリンが真っ二つに切られ、返す刃で俺を狙う。


「俺のほうが!早い!」


 シュトーバーの肩を踏みつけ、銃口を眉間へ突き立てた。


「しゃああ!約束は果たしたぜ!」

「ふぬぅううああぁ!」


 乾いた発砲音が激しく降る雪に吸われる。

 確かな手応えがあった。シュトーバーの身体が大きく揺らぐ。


「ぐっ……!」


 それでも、倒れない。そして、俺の視界はゆっくりと空を向いた。

 指一本動かせなくなった体は踏ん張ることもできず、そのまま仰向けに倒れた。

 左肩から右の腰まで、深々とエフェクトが走り、ポリゴンが爆ぜている。


「ったく、頑丈すぎだろうが」


 視界が白く染まり、身体が光の粒子に変わっていく。

 風が吹き、雪が舞う。

 静かに、目が閉じていく。


「……頼むから……生きてろよ……」


 その時


「うおおおおおおおおおおおおおおん!」


 とても遠く、聞こえるはずのないところから、ウェンバーの遠吠えが響いた気がした。

 雪原に響くその声は、深く、悲しい余韻を残していた。



 光の粒子となって消えた次の瞬間、カイは森の拠点に立っていた。

 マナウス騎士団の森ルート――クエスト開始地点の一つだ。

 息を吸う。肺に冷たい空気が入り、現実へ引き戻される。


「……さて、と」


 すぐさまUIを開き、クエスト欄を確認する。クエスト失敗の文字はない。まだ続行中だ。だが、挑戦可能回数の欄は赤く染まっている。


挑戦可能回数:0


「……やっぱり、戻れないよな」


 移動ポータルへ走り、手を触れるが、光は反応しない。クエスト空間へはもう入れない。

 緊張と不安を解くように、拳を握っては開いてを繰り返す。


「今、どの辺だ……!」


 自分はもう手出しできない。

 ウェンバーたちがどこまで逃げ切れたのか、どれほどの距離を稼げたのか。想像するしかない。


 斜面を抜け、崖の合間を越えて、泉のほとりまで。

 あの地形なら、戻ってくるのは早くても数時間。

 追撃につかまるなら、半日かかることも考えられる。


 できることのなさに拠点をうろつき、見つけたベンチに腰を下ろして空を見上げた。


「……頼む頼む頼む。生きて帰ってきてくれ」


 あとは時間が過ぎるのを待つしかない。

 ここ数年で、この時ほど時間が遅く感じたことはなかった。


 ちらり、ちらりと視界の端に時計が映る。

 数分が数十分に感じられる。


 焦り、後悔、反省。

 胸の奥で渦巻き、落ち着かない。


――そして、数時間が過ぎた。


 諦めの文字が頭をよぎり始めた頃。


「カイさ〜ん! たっだいま~!」


 お調子者のいつもの声が、拠点に響いた。


「ウェンバー!」


 振り返ると、ウェンバー、シルフレア、ガイルの三人が立っていた。

 だが、その姿は。


「うわぁ…」


 全身はボロボロ。

 装備は一部が壊れ、全身傷だらけで、雪にまみれている。

 そして何より、ガイルは左腕の肘から先を失っていた。


「ガイル……!」


 思わず駆け寄ると、ガイルは苦笑し、残った腕で胸に手を当てた。


「……カイ殿。おかげで……命拾いをした。心から感謝する」


 その言葉に、俺は予想以上に苦しくなる。


「俺がもう少し上手くやれていたら、ガイルは腕を失わずに済んだかな」

「違う。貴殿が時間を稼いでいなければ、我々は全滅していた。この腕だけで済んだのは……カイ殿の献身の賜物だ。どうか、この厳しい任務をやり遂げたことを誇ってほしい」


 ガイルの声は静かで、揺るぎなかった。


 アナウンスが聞こえる、クエストは成功したようだ。

 だが、俺にとってはどうだろう。間違いなく、このVLOにおいての、最も大きな失敗だった。

 その後、ガイルは駆けつけた騎士団員に連れられていった。


――夜


 凍りついた小さな池のほとり。

 かつてシルフレアと出会い、3人パーティーが結成された場所。

 焚火の前に、三人で座っていた。


 火の揺らめきが、三者三様の表情を照らしている。

 時間がたったことで、クエスト成功の安堵も感じてはいるが、それ以上の思いがある。


 その思いを最初に口にしたのは、シルフレアだった。


「敵に追い詰められた時に、恐怖を感じたわ」


 焚火を見つめたまま、ぽつりと呟く。


「あの時と同じ。姫様の護送を失敗した時と……。あの後、私は二度と失敗しないと誓った。それなのに」


 声がかすかに震えている。


「私は弱い。それを改めて痛感したわ」


 俺はゆっくりと頷いた。


「俺もだな」


 焚火の薪がパチリと爆ぜる。


「慢心していた。目論見も甘かった。なによりも強さが足りなかった」


 ウェンバーが鼻を鳴らした。


「……僕は、強いんですけど」


 彼は拳を握りしめ、悔しそうに言った。


「あの将軍(うらぎりもの)にこだわりすぎました。魔法の使い方もペースもおかしくて、わがままも言っちゃった。まあ同族が敵にいるのは、今だって許せないけど」


 焚火の火の粉が舞う。


「でも……僕はコボルトエリートです。次はもっとうまくやります」


 ウェンバーはじっと俺を見ていた。


「だから、次に大事な戦いがあったら、その時はできる限りの準備をしましょう。みんなで協力して、絶対にやり遂げよう!」


 シルフレアも頷く。


「同感ね。今日を教訓に、私はもっと強くなるわ」


 二人の顔をゆっくりと見渡し、拳を差し出す。


「ああ。シュトーバーは生きている。探し出してリベンジといこう」


 ウェンバーが笑い、拳を突き出す。


「もっちろん!」


 シルフレアも拳を合わせる。


「ええ」


 焚火の火だけが揺れる静かな湖畔で、三人の拳が重なった。

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〉空中で体勢を整え、カイはリグMB01をガイルへと投げ渡した。 ウェンバーでは?ガイルは川下っているタイミングでしょう
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