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新世界の生き方  作者: チビーナ
5/6

5

「ハッ」


見渡すと見慣れた自室が映し出されていた。


オーディオ機器に 使い込まれたPC(相棒)


長年苦楽を共にした家電たち


今はどうやらベッドの上らしい。


「なんだ夢か」


それにしても壮絶な夢だった 


人は切り裂かれ、贓物をぶち撒けながら 命が消える瞬間を目の当たりにした


あんなもの夢で無くてどうする



「酷く喉が渇いた


 それにしても薄暗いな よっと」


身を起し、電灯のスイッチを押す。パチン



「あれ? 点かないぞ」パチンパチン


嫌な感情が押し寄せてくる。何かがおかしい。


「工事か何かだよ 驚かせんなって」


無理やりにでも現実っぽいことを口にする


あんな夢を見た後だからか 妙に胸が騒ぐ


「と、とりあえず水分補給だ」


蛇口を捻って出なかったら怖いと思い冷蔵庫をあけた


全ての食材が腐っており、ペットボトルの内容物は変色していた。


「どうなってる」バタン


異臭が酷く 直ぐに冷蔵庫の扉を閉める


そして 更なる違和感がそこにあった。


扉を閉めた時に右手の甲に黒いガラス上の球体が埋め込まれているのを確認した。


「っ! これは何だ」


つるっとして妙に冷たい用に感じられる。

傷一つ無くガラスではない素材で出来ているようだ


そして 淡く光だした。



「対象者ノ覚醒ヲ確認シマシタ」


「んわ! しゃ、シャベッター」


「対象者ノ詳細ヲ確認シマス」


ファーー


黒い球体から扇状に光が放射されると、そこに文字が浮かびだす。


================================


 名前 :斎木 瞬 (サイキシュン)

 性別 :男

 レベル:1


 HP  :1000/1000

 SP  : 227/ 227


 C.Pt :100


※初回ボーナス受取:未


=>STATUS

=>Item

=>Generate

=>etc


================================


(俺の名前だ 性別は分かるが レベル??


 HPやSPって ゲームみたいな項目があるぞ


 C.Ptってのはなんだろう)



「初回起動ヲ確認シマシタ


 対象者ニハ初回ボーナスが支給サレマス


 次の選択肢カラ選ンデクダサイ」


「うぉ!」


画面が切り替わりつらつらと文字が現れる。


================================


拳銃 (光線<<レーザー>>)        : SOLD OUT

機関銃 (光線<<レーザー>>)       : SOLD OUT

ショットガン (光線<<レーザー>>)    : SOLD OUT

スナイパーライフル (光線<<レーザー>>) : SOLD OUT


  ・

  ・

  ・

  

ずらっと 武器名と思わしき名称がびっしりと映し出されている。



「おい、なんだこれ 説明しやがれ」

(突然の事で面食らった)



「選バレシ勇者ノタメ 初回に限リ武器をヒトツダケオワタシシマス」


「そうじゃなくて これは何の現象だ 

 この右手はなんだ? なぜ武器が必要なんだ?」


「コキュートス。アナタハは神々ニヨッテ選バレマシタ」


(どうやらこの右手の黒い球体はコキュートスと言うらしい)


「新世界ニオイテ ある一定以上ノ武器ガナイト人間デハ行き抜く事はムズカシイ

 ソコデ選バレタ勇者ハココニアル武器をヒトツ選ビ戦イニ備エルノデス」


(何となく分かってきた もしあの夢の現象が現実だとすれば


 確かに人間では太刀打ちするのは至難の業だな 自衛隊等武装してないと無理だと思う


 ここは 素直に従うしかないな)


今一度、武器リストを確認する。


(光線銃か なるほどな 映画やアニメでしか見たことないが

 高火力なのは間違いないだろう)


「では拳銃 (光線<<レーザー>>) を 頼む」


ブーー


「拳銃 (光線<<レーザー>>)ハ既ニ他ノ者ガ選択サレテイマス

 他ノ武器ヲ指定シテクダサイ」


「な、なんだと!」

(よくよく見ると 武器名の右端に”SOLD OUT ”の文字が見える

 ま、待てよ!)


「おい!勇者は複数いるのか!」


「イマス 詳細ナ情報ハ開示デキナイ規則デスガ

 イル イナイに関シテハ答エラレエマス」


(お、俺だけが勇者なわけ無いか 平凡すぎるもんなぁ

 気を取り直して武器を確認しておこう)


再度、武器リストを眺めると殆ど全ての項目がSOLD OUTになっていた。


「な、無い ことごとく無い!

 良さそうな武器は全てがSOLD OUTじゃねーか!」


 辛うじて残ってるのは



 クロスボウガン

 ※矢の自動補充付き 


 茨のムチ


 俺のナイフ<ボロン>

 ※秘伝付


 白銀の剣Ⅰ<イェーガー>

 ※秘伝付




「使えるのはクロスボウガンと剣かな。


 てか"俺のナイフ"とか完全に遊んでるだろ!


 なんだよ秘伝付って「おいこいつを見てくれ」的なものか!


 「す、凄く大きいです」って敵さんがうろたえるってか?


 やかましーわ!」



「ス、スゴイ流石ハ勇者。性能ヲ見抜クトハ!」



「頼むからそこは否定してくれ!お願いだから!


 てか、なんでこんな武器項目があるのに殆どSOLD OUTなんだ?」


「アナタノ覚醒ニハ余リニ時間ガ掛カッタトイウコトデショウ」


(またわけが分からないことを。あの夢のような事件が起きたのはたしか

 2032年の10月。。。ちょっと待てよ 今は何時だ?)


「なぁ おい!今何月だ?」


「10月ニナリマス」


「脅かしやがって何が時間が掛かっただ!

 あまり時間は経ってないじゃ「2033年ノ10月デス」ないか ん?!」



話しに割り込んできた言葉が唯事じゃないことを示していた。



「に、2033年だと!ということは1年も俺は眠っていたのか!」


「ハイ ドウイウワケカ貴方の覚醒ニハ時間ガ必要デシタ」


どういうことだろう あの壮絶な地獄から1年以上も時間が過ぎている。


喉が渇いているだけで肉体的なダメージは無い あぁもういいや


「何か驚きの連続でなれて来たぞ。


 つまり、俺が眠っていた1年間の間に殆どの勇者は覚醒し


 初回ボーナスの装備は悉く持っていったと。

 

 今あるのはその残りであり、初回ボーナスは1つずつしか存在しないと」



「ハイ ソノ認識デ問題アリマセン」



(ということはこのしょぼそうな武器から選べと


 光線銃に比べてしまえば ボウガン なんて 役に立ちそうにもない


 レーザーサーベルもSOLDOUTか まぁ無難だよなぁ)



 白銀の剣Ⅰ<イェーガー>



さっきからこの項目から目が離せない。

遠距離攻撃のクロスボウガンの方が役に立ちそうではあるが。


不思議と 白銀の剣 惹かれていく。


なぜ残っているのか 上の項目が酷すぎて見るに耐えられなかったか。


(よし、これにするか)


「白銀の剣 を たのむ」


「了解シマシタ」


空間が白く輝き 光の先から 1つの剣が出現した。


鞘に収まっているが刃渡りは1.8mほどあるだろうか かなりの長い刃だ



「秘伝ガ開放サレマス

 攻撃スキル:バッシュが開放されました

 パッシブ :獲得経験値2倍が開放されました」



「秘伝開放ニヨリ 俺のナイフ<ボロン> ヲ無条件でスキル化シ解放者へ渡サレマス」


コキュートスが言い終わると武器リストの項目が光出した。放射上の光は瞬に向けて伸び出した。


「ま、待て 俺はそんなもの要らない!」


否定するも光は瞬の体を覆った。


(あ、熱い!力がみなぎってくる!)


「俺のナイフ<ボロン>の所持により ALLステータスが+10加算サレマス。

 マタ、ナイフノ秘伝が開放サレマス」


「パッシブ:移動力2倍(所有者のMAXスピードが上がります)が開放されました。

 パッシブ:獲得経験値2倍が開放されます。

      既に所持している為、獲得経験値3倍が開放されました。


 小型ボウガン<自動補充>を獲得しました。」

 

目の前に光が集結し 小型ボウガン が 出現した。


拳銃のように引き金を引くタイプのようだ。ホルスターも付いており邪魔にならないように工夫されている。



「”コキュートス”と念ジル事デ ステータス画面ヲ表示デキルヨウニナリマシタ


 目の前ニ出現サセルことも網膜ニ映し出して確認スル事も可能デス」

 

 

「ユニークジョブ開放ト共ニ 初回ボーナス付与ノ儀ヲ終了シマス


 ヨキ人生ヲ歩まれんことを」 

 

会話が終わると同時にコキュートスからの淡い光は消えた。


心を落ち着かせるべく、そっと瞼を閉じたのだった。



------------------------------------

================================


 名前  :斎木 瞬 (サイキシュン)

 性別  :男

 固有JOB :不老


 レベル :1


 HP   :1010/1010

 SP   : 237/ 237


 C.Pt  :100


=>STATUS

=>Item

=>Generate

=>etc


================================


のんびりマイペースに続けていけたらと思います。

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