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新世界の生き方  作者: チビーナ
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グロ中尉


「・・・あっ な、なんだ・・」


視界がぼやけ、まだ焦点が合わない。


必死に状況を掴むべく集中する。


徐々に周りの状況が分かってくる。


同じように連れて来られたのだろう人が所狭しと倒れて居た


今自分が居るところはベルトコンベアのような場所に置かれている。


幅は2メートルほどだろうか。


そのようなレーンがいくつもあり、その上には同じように人が居る。


「うっ・・・」


肩を貫いた痛みが思い出したように痛み出した。


だが不思議と出血は多くない。出血多量で死ぬことは無いだろうが。


動き回るには無理のようだ。



どれくらい個々に居たのかわからないが


自分達のように連れてこられるという事象は見受けられない。


あの襲撃から直ぐに連れ去られただろうことから考えて。


相当長い間意識を失っていたのであろう。



ゴゴゴゴゴゴ 


ビィィィンビィィィン



いつか聞いた音だ。あの襲撃の時と同じだ。


すると、周りの人間たちが目を覚ましていく。



「うぅ ここどこ?」


「肩が・・・あぁ」


「ママぁ どこおおお?」



徐々に覚醒し始め、全ての人間が目を覚ましていく。


ドゴンッ ゴゴゴゴゴ


ベルトコンベアが前方に動き出した。


前方には限りがあり。そこに中世ヨーロッパの甲冑のようなのを被った者が立っていた。


順番にその者の前に誘導される。


甲冑の目が赤く妖しく光だし、対象者を観察すると


左側にあるコンベアのあるレーンに突き落とした。


同じような作業が永遠と続く。そして自分の番になった。


赤く妖しく光を見るとなんだか 体が浮くような感覚に陥る。


眠っているようなフワフワとした感覚だ。


そして右側のレーンに突き落とされた。



「えっ どうして」



今までずっと左側に誘導してたはずだ。


定員が一杯になった? でも次の対象者は左側に流れた。


どんどんと視界が遠くなっていくが。右側を進む人間は現れない。



(なにかとんでもないことが起きてる。)



考えていると小さな部屋に到着した。


何も無い10畳くらいの広さだ



「これは珍しい」



不意に声が聞こえた。



「皆が目覚める前に覚醒しているとはのぉ」


「はいバルゼン様


 シュプールの粘液により深い眠りに着いた筈


 覚醒の波動を与えないと起きることは困難です」


「へぇ~~ ホント珍しい人間だねぇ ハハハ」


(覚醒の波動?何言ってんだ

 あの変な音のことか?)



「だ、誰だ てめぇら!」



「こちらは統括者バルゼン。


 此度の人類大粛清の指揮を執られておられます。


 私は観察者ウェルキム」



「僕は執行者フェルス 名乗っても意味は無いけどねぇ ハハハ」



「人類大粛清・・・だと・・・


 な、なにをいってr」



「言葉のとおりだ人間


 私の言葉は理解できるであろう?


 そのように喋っておる


 お前は特殊ゆえ貴重なサンプルだと思ったのでな


 ここに誘導させてもらった」



「本当は才能のあるものだけが選ばれるのだが・・・くくく

 

 本当に面白いサンプルだよ

 

 さてそろそろ始めるとするか」



パチン



バルゼンと名乗った男が指を鳴らす。


左側の壁が透明になり、ここよりも何倍も何十倍も大きい部屋が映し出された。


左側に行った人たちだ。


ざっと見ても 万単位で人間がいるのは確実。



小さい穴から無数の怪物が現れ、近くに居る人間を長い棒状のもので貫かれていく。


「ングォ! ぎゃああああああ」


壮絶な叫び声が その場に打ち棄てられると 床に飲み込まれていく


目の前に小さな女の子が居た。


「ママぁ!助けて!

 ひっ!」


大人でもいとも容易く貫かれたのだ。子供など更に柔らかいであろう。


一瞬で宙に浮いた。


「マッ・・マ マンマ ママぁ・・」


ドサッ 恐怖に顔を引き釣らせながら 命が消える瞬間を見た


「やめろ! やめてくれぇえええ!」


必死に立ち上がった。


「やめろって 言ってるだろぉ」


バルゼンと呼ばれていた男に向かって走り出した。


バシーーーーン


体が痺れた。バルゼンの胸元の黒い水晶玉から青い光が自分を襲っていた。


「あ、あ、ああ」



「君には期待しているよ


 どのように世界を動かしていくか」



ウェルキムが語りかけてくる。



「このような仕打ちを許してほしい


 これも人類の為なのだから」



ザッシュ!


 手の甲が貫かれた。


 体中を走る青い光で痛覚が鈍っているのだろう。


 痛みは無いが衝撃は大きい。


「さて、第2ステージだ


 ある程度の人類文明を破壊。


 いくとするか」


一瞬の光と共に消えていった。


徐々に俺の目は暗闇に支配されていく。


永遠とも思える時間の中 ただただ殺戮が行われていく。


惨殺と悲鳴のオーケストラ を 聴きながら。







この日、世界から90億の人間の命が消えた。

マイペースに趣味感覚で続けていけたらと思っています。

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