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短編集:語らい  作者: 睦月芽楼
9/13

レッツ!森林浴!~俺は一人でゆっくりしたい~(その3)

無理やり〆るとこうなる。

「アッハッハ……!アンタバカじゃないの!?」なんだか愉快そうに笑うラミア。

「ゆっくりしたいからって獣一匹もいないような場所まで来るなんて傑作ね。」笑いをこらえてるのが丸分かりのアラクネ。

「まぁ、同情しなくはないけれど。」笑い転げる蛇と蜘蛛をなだめようとするドリアード。

「悪魔に害されれば癒しが欲しくなるのも道理です。」なぜかこの一点を譲らない天使。

さっきまでとは一転して、和気藹々と会話をする俺たち5人。

森の中でがっつり寝ていた事情を話すと警戒を解いてくれてこんなにフランクになった。


彼女ら3人は、人どころか獣も近づかないような場所=彼女らの住処、に堂々とやってきた俺を警戒して追い出そうとしていたらしい。

はじめはただ追い出す為の悪戯(蛇を顔に這わせるとか)程度だったらしいが、あまりにも俺が起きないせいでつい熱が入ったと。

こっちからすれば迷惑以外の何事でもないが、向こうにしてみれば不法侵入なんだろう。(それも、女性ばかりのところに男)

この程度で済んだのは幸運なのかもしれない。


というか、なんだこの(魔物系)女子会は。

俺すごく空気なんだけど。

「いえ、彼の者は神によって救いを与えられたが故に私がいるのです。」

「じゃぁカミサマってなかなか押し付けがましいのね。」

「神は等しく救いを与えます。もちろん貴女たちにも。」

「その救いってのはこの姿かしら?」

おい、今触れてはいけない何かに触れなかったか?アラクネめっちゃ怒ってるぞ。

「姿など些細なことに過ぎません。貴女に与えられた裁縫の技術は間違いなく神の恩恵でしょう。」

あぁ、確かアラクネって裁縫超すごいんだっけ?

よく見ればあの服もハイセンスというか、ハイカラというか、凝ってるというか。

「外見が些細なことネェ……かなり苦労してるんだケド?」あ、ラミアも怒ってらっしゃる。

さすがに助け舟を出してやるか。このままだといやな予感しかしないし。


「外見だって他とは違っても個性じゃないか?他はともかく少なくとも俺はそういう部分、好きだぜ?」

と、ラミアとアラクネを交互に見ながら言ってみた。空気が凍った。


「こんな蜘蛛に欲情するなんてとんだ変態ね!やっぱりさっさと追い払うべきだったわ!」

「へー。蛇が好きなんてなかなか見る目があるじゃないー変態。」

「ちょっと……たぶん彼は気遣ってくれて……」

「貴方様……これほどまで悪魔に毒されているとは!あぁ主よ!彼に救いを!」


あれ?女性陣ドン引き?


この後、アラクネとラミアに「変態!変態!」と罵られながら下山する羽目になった。



主人公は変態ではありません。

ちょっと優柔不断(天使も悪魔も傍に置いてる)なだけの(自称)一般人です。

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