未知との対談~味付けに悪魔を添えて~
今更ながら、キーワード設定をしていないのに見つけてくれる人に感謝。
あらすじ
・目が!目が~~!
・裁きの雷火直撃
・親方!光の中から女の子が!?
あらすじ終わり
殺伐とした空気から一転して急激に和みムードになったような気もするけれど、理解が追いつかないので呆然としていた。
え?なに?俺この女の子?に説教されてたの??
「ええと、大丈夫ですか?」
夢魔さんに押し倒されていた女の子がその場に座り上目遣いでこちらを心配している。
あ、あぁ。大丈夫だよ。と生返事を返しておいて夢魔さんがどこへ消えたのかが気になり目で探した。
そしたら、まるで自分の家のものかのようについ先ほどまで寝ていたベッドを折りたたみ始めた。
「いつまでこんな安っぽいベッドを広げておくつもり?そんなに私と一緒に寝たいの?それともその先――」
言ってることがまともな間に黙らせようとしたが無理だったので聞き流した。
と、不本意ながらベッドが押しのけられ、3者向かい合って座ることになった。
向かい合ってと言うよりは、夢魔さんと女の子がにらみ合ってそれを俺が眺めているって方が正しいかもしれないけど。
「で、あなたはいったいなんなの?私の楽しい時間を壊しちゃっていったい何様?」
あ、発音が違う。俺には『貴方』だけどこれは違う『あなた』だ。たいそうご立腹でいらっしゃる様子。
「私は天使です。彼の者を悪魔から救いにきました。」
・・・・・・・・・・・・・・・
文字通り沈黙した。
一瞬ではあるが、荘厳な教会に等しいくらいの静寂が空間を支配した。
夢魔さんが何かを言い出そうとするのが見えた。
厄介なことになったら困ると思い夢魔さんを押し倒して(黙らせるには非常に効果的)天使に話しかける。
「俺は救いなんか求めてもないし、実害も受けてないんだが。」
「いえ。神はすべてに等しく救いを与えます。悪魔に害を受けてるあなたには天使の加護が与えられるべきであると判断され私が使わされたのです。」
文字通り天使のような笑顔で語りかけてくる天使。
これで俺が夢魔を押し倒してさえなければなかなかいい絵になるんだろう。
夢魔?俺の下で顔を赤くしながら目を閉じてるよ?
「ところで、あなたはその悪魔にそのまま何かするおつもりですか?よろしければ私もお手伝いいたします。」
「何もしないし何もしないでくれ!絶対に面倒なことになる!」
「ねぇ・・・まだ?いつまで焦らすの……?」
「何もしないから黙っててくれ!」
「よろしければ私がその悪魔を黙らせましょうか?」
「頼む、あんたも何もするな・・・」
「え?もしかしてここから私に攻められたいの?」
いろんな意味で寝技といえば夢魔の得意分野で、それはマウントポジションの取り合いでも発揮されるらしい。
いともたやすくひっくり返され、今度は俺が夢魔に馬乗りされてしまった。(こいつらの名前って、『下に寝るもの』って意味じゃなかったか?)
その瞬間、天使が膝を立て立ち上がる。
「今お助けします!」「できるものならやってみなさい!」
今更だがここは普通のワンルームマンション。
人外の二人が何かをして無事とは思えない。
何か・・・何とかして二人を止めないと俺の明日がやばい!
と思考が逡巡したところで気づく。今二人は取っ組み合いをしている。
夢魔は俺の上に馬乗りで。
その正面に腕を組み合う形で天使。
つまり、見えてます。
急に俺のほうが恥ずかしくなってきた。
二人を弾き飛ばす勢いで起き上がり部屋の隅へ逃げた。
「どうかなされましたか?体調が悪いのですか?」
「なに今更顔を赤くしてるのー?白い布切れくらいで。」
神様、あんた絶対俺で遊ぶ為に天使を使わしたんだろ。
路線が行方不明になってきました・・・