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ライフアーク  作者: トカゲ
第一章 ライフアーク 
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魔力使いとしての修行を開始してから現実世界で1カ月が過ぎた。

ライフアークでは時間圧縮技術を使っていて1時間を体感時間で24倍にしている。

健康とかの問題で最大でも3時間しか遊べないが、それでも体感時間で72時間も遊べる。充分だと言えるだろう。


つまり俺は約90日もの間ライフアークで魔力使いとしての修行をしていることになる。


90日…言わなくても分かると思うが3ヵ月だ。

3ヵ月も殆ど同じ場所で魔力操作のスキルを使い続けている。

正直キツイがそのおかげで魔力操作のレベルだけは既に50の大台に到達していた。

因みに今の俺のレベルは12で他のスキルでの最大レベルは片手剣の9だ。


体感時間で3ヵ月も遊んでいれば普通ならレベルも20代後半、早い人なら30代に突入している頃だろう。

最前線で戦っている攻略組と呼ばれる人達は今の上限レベルであるレベル70に到達した人も少なくないと聞く。

今では制限が掛っていて行く事が出来ない一部のエリア以外は攻略サイトに情報が紹介されていた。


もうすぐ大型アップデートがあるらしいし、もしかしたら新大陸発見や上限レベルの解放があるかもしれないな。

まぁ、俺にはどっちも関係ないけどね!


だって俺は今も変わらず魔力操作の修行しかしていないのだから。

勘違いされては困るので言っておくが最初の【右手に魔力を移動させる】という修行は直ぐに終わる事が出来た。

思ったより時間は掛ったが大体2時間位で移動させるコツみたいのを覚える事が出来たのだ。

しかしそれが終わった後すぐに【両手に魔力を均等に移動させる】という課題を出された。

それが終わると次の課題が……そんな事がずっと続いているのだ。


今は【魔力を糸状に伸ばしてそれを針の穴に通す】という訳のわからない修行をしている所だ。訳が分らない修行だがこれが中々に難しい。


まず靄の様な魔力を糸のように細める事にかなりの集中力がいる。

それを針の穴に通すのはかなりの苦行だ。


「…これって本当に意味があるんですよね?」

「勿論だ。それが出来たら魔力操作の修行は終わりだから頑張りなさい。」


オズの言葉を聞いて俺のやる気が燃え上がった。現金な物である。

さっきまで苦戦していた魔力を糸状にする作業を簡単に終わらせて針の穴に挑む。

針の穴に魔力の糸が通ったのはそれから20分後だった。


・・・


「よし、では魔力使いになる為の最後の修行を始めよう。」


そういうとオズは一冊の本を渡してきた。

スキルブックである。


「それは【凝固】のスキルブックじゃ。魔力を少しの間だが固まらせる事が出来るようになる。それを覚えたら修行は完了じゃ。」


オズはそういうとイスに座って本を読み始めた。

これは修行といって良いのだろうか?

それとも今度はこのスキルを使った修行の日々がまた始まるのだろうか?

また3ヵ月も同じスキルを使い続けるのは嫌だ。

そろそろ普通に冒険したいんだよ!


まぁ、それはともかくこの凝固のスキルってやつは魔力操作ができるプレイヤーなら絶対に欲しいスキルだと思う。

このスキルがあるだけで防御も攻撃も……ある程度だが罠だって仕掛けられる。

自由に魔力操作を行えなければ宝の持ち腐れになるが、あの地味で厳しい修行を乗り切った俺ならば充分にこのスキルも使いこなせると思う。

まぁ、まだレベルも低くてMPが少ないから頻繁に使う事は出来ないかもしれないけれど、色々な使い方が頭に浮かぶ。


「お前なら凝固のスキルも使いこなせるだろう。しかしまだ魔力使いのスタート地点に立っただけという事を忘れてはならん。精進する事じゃ。」

「はい!頑張ります!」


俺は早速スキルブックを使って凝固を覚えた。

ワクワクが止まらない。俺無双が始まろうとしている…かもしれない!


試しに凝固を使って右手に刃を造ってみようとするが、出来たのは木の板のような厚みのある魔力の塊だった。

これは慣れないと刃みたいな武器を造るのは難しそうだ。しばらくは盾とかハンマーとかを造って凝固と魔力操作のスキルに慣れる事に専念しよう。

俺もまだまだだな。ちょっとショックだ。


「中々難しいだろう?しかし焦る事は無い。お前の道はまだ始まったばかりだ。近道なんか何処にもない。しっかり一つ一つ頑張っていけばいい。」


オズはそう言うと、もう話す事は無いと言わんばかりにイスに座り、本を読み始めた。

この3ヶ月間、いつも見てきた光景である。


ポーンという音と共に【魔力使いの称号を入手しました】というメッセージが俺の頭の中に浮かぶ。


「今までありがとうございました!」


俺はオズに向かって深くお辞儀をした後外に出る。

こうして俺は魔力使いになることができた。

これからこのスキルを使って頑張っていこう。魔力使いの称号に負けないように。



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