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ライフアーク  作者: トカゲ
第一章 ライフアーク 
1/25

01

2071年、世界はVRMMO時代に突入していた。

VR技術が世間に広まり価格も安定した事で数々のVRMMOがサービスを開始しては廃れ消えて行く。


俺の手の中にはそんなVRMMOの一つである【ライフアーク】の説明書があった。

このライフアークというゲームは職業が無い代わりにスキルとステータスを自由に弄る事が出来る事が売りのゲームだ。

数百を超えるスキルを自分で探しだして選んでキャラを造っていく。その自由度が評判を呼んでプレイヤーの数は100万人を突破した巨大なVRMMORPG、それがライフアークだ。


説明書を簡単に捲ってみるとスキルの事が書かれたページがある。

なんでも最初に初期スキル3つを選んだあとは街でクエストを消化しないとスキルを入手できないらしい。

このゲームはレベルが上がっても勝手にスキルを覚える事は出来ないみたいだ。クエストの報酬やイベント、店での購入でしかスキルを入手できないらしい。


「まぁ、そう言う事はやりながら覚えて行けばいいか。」


俺は説明書を閉じてVRゲーム専用のヘッドギアを被る。

ヘッドギアから音楽が流れてきて、しばらくしたら俺の意識は薄れて行った。


・・・


目を開けるとそこには白い空間が広がっていた。


『ライフアークにようこそ。まずはキャラクターの設定をお願いします。』


何処からか声が聞こえる。瞬間、目の前に本が出現した。

筆ペンが何時の間にか手に収まっており、どうやらこれで名前やステータスを入力するらしい。


「名前は……クロでいいかな。」


理由は黒髪だから。

適当に名前を入力した後はステータスだ。

ステータスは【力】【速】【体】【器用】【運】の5項目になっている。

その6項目に初期ポイントの15を割り振っていく。

因みにこのポイントの割り振りでキャラクターの体型が決まるらしい。


「器用貧乏なのもアレだし、速さ特化のキャラでも作るか。」


俺は【力】と【速】と【器用】にそれぞれ5ポイントずつ割り振っていく。

【体】が無いと防御力とHPが紙になるらしいが、まぁ何とかなるだろう。


決定ボタンを押すと目の前にマネキンが現れる。身長は自分と同じだが、痩せすぎている感じがした。無駄な肉が無いというか何と言うか。多分【体】にポイントを振っていないからだろう。

もう一度決定ボタンを押すと、また声が聞こえてきた。


『容姿をスキャンします。1分程お待ちください。』


俺はVRMMOというか、VRゲームは初体験なんだが、このヘッドギアというものは大変高性能な物らしく赤外線とかそんなので顔を正確にスキャンしてゲームに取り込むことができるらしい。

因みに身長とかまでは測れないらしく、事前に身長はヘッドギアに登録しておく必要がある。

これは正確じゃなくてもいいが、あんまりデタラメを書くとゲーム内で歩くのも大変になるらしいから、ちゃんと入力した方が良いだろう。


『スキャンが終了しました。容姿の変更をしますか?』


スキャンが終わったようだ。正面のマネキンが自分の顔になる。

ここでそのままの容姿を選択すると、現実と同じ顔でゲームをプレイすることになる。(体型はステータスによって少し変わるが)

まぁ、少しは弄ろうかな。ゲームなんだから、少しは違う自分になりたい。

それにこれは多人数で遊ぶゲームだ。何かあった時にそのままの顔を使っていたら困る事もあるだろう。


俺は髪を肩辺りまで伸ばした。後は目を少しツリ目にする。

それだけで随分と印象が変わるものだ。これで黒スーツでも着たらヤクザに見えるな。


リアルとは違って無駄のない引き締まった体に少し威圧的なツリ目をしたマネキンは少し怖い。まぁ、今からこれが俺の分身になるんだが。


「うん、仮にも戦闘メインで行こうと思っているんだし、これ位が丁度いいよな。」


決定ボタンを押すとマネキンが光となって消えて代わりに鏡が出てきた。

鏡を見てみると、そこにはさっきのマネキンの姿が。


(おぉ、なんかさっきまでは怖かった容姿も自分の顔だと思うと親近感が沸くな。)


マネキンは裸だったが、今の俺は服を着ている。多分初心者装備だろう。

うん、中々冒険者っぽくて良い感じゃないか。


『スキルの設定をお願いします。スキルを3つお選びください。』


自分なりのカッコいいポーズを取っているとまた声がした。

今度はスキルの設定らしく、本に色々なスキルとその説明が浮き上がる。

初期スキルは30種あり、ここで選択を間違えると序盤は苦労するらしい。

まぁ、初期スキルはどれも使い勝手が良いから、変な取り方をしなければ大丈夫みたいだが。


「えーっと【片手剣】と【腕力上昇】に【速度上昇】っと。」


俺は戦闘特化で行くつもりなのでスキルを決めるのも楽だ。

防御を無視しているからスキルも絞られてくるし。

因みにスキルにもレベルがある。ある程度上がると違うスキルに進化したりもするらしい。


決定ボタンを押すと本と鏡が消える。

どうやらこれで設定は終了のようだ。


『お疲れ様でした。これで初期設定を終了します。あなたにとってここが良き世界であることを願っています』


目の前に大きな扉が現れる。ここを通ればゲームスタートなんだろう。

俺は扉を開けるべく歩き出した。



クロ(男)

レベル1

力 6+1

体 1

速 6+1

器 6

運 1


装備

木の剣(片手剣)

冒険者の服一式(全身装備)


スキル

片手剣1【片手剣を使用できるようになる】

力上昇1【力が上がる】

速度上昇1【素早さが上がる】


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