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記喪転我意 (きそうてんがい)―Lost Memory―  作者: Spumante Rock


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第9話   空白と恋心

連絡ひとつ取るだけなのに、

どうしてこんなに時間がかかってしまうのか。


気づいてしまった気持ちは、

勇気にもなり、不安にもなります。


この回では、

「送れないLINE」と「動き出す心」を軸に、

谷本の戸惑いを描いています。


静かだけれど、

確実に物語が次へ進む一歩になっています。


谷本は迷っていた、

恋心と気付いてしまうと、どう動いても

下心があると思われたら恥ずかしくなってしまい連絡できない。


一度意識してしまった以上、行動できなかった。


伊東美織と最後に別れた、あの日から

もう1週間が経とうとしていた、

LINEの文章はもう何回書き直したか記憶にない。


日が経てば、また共通点が薄れて行くのは、

わかっていたが、

もう、忘れられてしまったのでは?

と、怖くなっていた。


いつも削除したLINE

ランニングで偶然合わないかと、いつも以上に

ランニング距離が増えていった。


谷本寸 部活動の日曜日

バレーボールの練習試合があった。


昨年は1度も勝てなかった相手だが、

3年生が居なくなって、チームの力関係も変わったらしい、

ウチの得点力は格段に上がっていた、谷本のスパイク打点に届く選手はいなかった。


練習試合が終わり、

解散前に集合がかかった。


「集合!」


いろいろ試合の結果について、話しがあった後

「来週からゴールデンウィークだから、練習ない日は、遊び過ぎないように!」

戸陽高校は家族との時間も大切に考えている学校で、

連休全ての部活動は無く事前にスケジュールが分かっていたので家族で旅行に行く生徒も多い。


谷本にとって、部活が休みなら伊東さんを誘いやすい状況ができた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


朝比奈高校(伊東美織の学校)


「美織!ゴールデンウィークは家族旅行行ったりするの?」

クラスメイトの生田由依が後ろの席の美織に話しかけた。


「ウチは両親が、お店やってるから連休にはイベントは無いんだよねー」

由依がニッコリ笑って、

「吹奏楽部の先輩誘って、遊びに行かない?」

楽しそうに話してきた。


「美織は、遠藤先輩が気になってるんでしょ?」

美織は赤くなって


「そんな事、言って無いじゃん」

由依は笑いながら、


「バレバレだよーそんなの、多分吹奏楽の全員気づいてると思うよ。」

美織は恥ずかしそうに言い返せないでいる。


「わかるよ、私も遠藤先輩カッコいいと思って、軽音楽部じゃなく、吹奏楽部に入った口だから」

「私、誘ってみてもいいよ」と、

由依が自信満々に美織を誘惑した。


美織はちょっと考えて、

「ちょっとゴールデンウィークは、問題があってね…」と、濁した説明をした。


「何よ?問題って」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


谷本はランニング行く前に、

美織にLINEを送った。

------------------------------------------

伊東さん久しぶり

こないだの、お礼なんだけど。

デザイン科の課題で調べてて、

美味しそうなパンケーキのお店を見つけたんだ。

電車で移動になるんだけど一緒に行かない?

ご馳走させていただきます。

ゴールデンウィークの5月3日〜6日なら

いつでも大丈夫です。

------------------------------------------

と、送信して。


少し笑顔が漏れた。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


“空白”は、何も起きていない時間ではなく、

考えすぎて動けなくなっている時間なのだと思います。


谷本はまだ、

自分の恋心をどう扱えばいいのか分かっていません。

だからこそ、

送信ボタンを押すまでに、こんなにも迷います。


それでも、

勇気は完璧な形ではなく、

不格好な一歩として現れるもの。


次話では、

その一歩が思わぬ方向へつながっていきます。

引き続き、読んでいただけると嬉しいです。

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