48話 本音の壁
いつも読んでいただきありがとうございます。
「ごめん、居ると思わなかったから…
ゆっくり来ちゃった…」
谷本は手で汗を拭った
美織は首を振って
「私が勝手に待ってただけだから、
気にしないで。」
そう言って、視線を外し次の話題を考えていると、谷本から、
「今週末は部活があるけど、
夕方は走るから会いにくるよ、」
「ホント!それなら晩御飯食べにまたウチ来る?
久しぶりじゃない。」
「えっ…いいの?」
谷本が申し訳なさそうに承諾した。
美織は笑顔で
「OK〜じゃあ土曜日でも大丈夫?」
と、確認した。
「もちろん、大丈夫だよ楽しみにしてる」
街頭が幸せそうな二人を照らしていた。
谷本は、美織を家まで送り届けて、
また、ランニングを再開した。
嬉しさから、身体は軽く
ランニングピッチも上がっていた。
…
〜 週末の夕方 美織の家 〜
「ねぇ、今日、寸くん来るんでしょ?」
愛が嬉しそうにはしゃぐ。
「17時で部活終わるって言ってたから、
着替えたりなんかで、
18時くらいなんじゃないかな?」
美織は時計を見ながら答えた。
美織の母は、美織を見て嬉しそうに微笑んだ。
*ピンポン(家のチャイム)
「寸くんだ、」と、言って愛が玄関に走った。
17時30分だった…早くない?
「ただいま〜」
愛が走って戻ってきた!
「お父さん帰ってきた〜」
美織と母は顔を見合わせて、
「え〜!なんでこんなに早く帰ってくるのよ!」
「なんだよ…せっかく早く帰ってきたのに…
美織、反抗期か?…」
と、冗談で交わそうとするが、
冷たい空気を察して口を閉じた。
父が上着を脱ぎながら.
「なんだよ、そんなに睨んで…」
「実は今からお客さんが来るの…」
「それで、こんなにご馳走なのか…
早く帰ってきて良かったよ…」
「いや…それが、、」
*ピンポン(家のチャイム)
「今度こそ寸くんだ、」と、言って愛が玄関に走った。
「寸くん…って、愛の友達か?」
「いや、、美織の彼氏さんなんだよ…」
「え〜っ!!」
驚く父の横で、美織は恥ずかしそうに俯いた。
美織の母が、
「後から、説明するから…大人しくしてて。」
「こんばんは〜…」と、入ってきた谷本は、
父の姿に、一瞬驚いたが、
「はじめまして、谷本 寸と言います。」
「ごめんねー、お父さんが急に早く帰ってきて…」
「いいよ、全然…あっこれ、ウチの親が持ってけって…」と、
お菓子を手渡した。
「ありがとう…」
「じぁ、ここ座って…」と、美織と愛に
挟まれるように座った。
谷本は父に
「すみません、突然…」
父は笑顔で、
「大丈夫だよ、これだけご馳走用意してあるんだ、皆んな君を待ってたんだろ…」
「はい、ありがとうございます。」
谷本も笑顔になった。
5人は、しばらく話し込んだ、
谷本は事故で中学以前の友人関係に対する記憶が無い事、
学校や部活の話し、
「谷本くんも、朝比奈高校か?」
「あっ、僕は戸陽高校です。」
「…戸陽高校って、駅の近くの高校だよな。」
「はい、ウチからも近いんです。」
「寸くんのウチからだと、3分くらいだよね。」
「美織は谷本くんのウチ知ってるのか?」
「うん、一度愛と一緒に遊びに行った事があるの。」
「そうなのか…」
父はいろいろ、聞きたい気持ちを抑え、
出来るだけ、4人の話しを聞いていた。
そして東堂美津子の話しになった、
「それで…毎日LINEをくれたんだ、」
「私も毎日LINEしてた。」
「どんな話ししてたの?…」
美織が谷本に聞くと、谷本が
「学校の事や部活の話しが多かったかな…」
「そして最後にいつも…」
谷本は、〝美織に告白しろと言われた”
と、言いかけてやめた…
「私も同じ…」美織もそう言って笑った。
父親は、そんな2人見て
嬉しそうにお酒を飲んでいた。
しばらくして、
「そろそろ帰ります、ありがとうございました。」
そう言って、席を立った。
父親は、ソファーで寝ていた…
「いつもの事だから、大丈夫よ」と、
父にタオルケットをかけた。
美織と愛は、
谷本を見送った。
「今日はありがとう、楽しかった。」
「うん、明日も部活?」
「うん…また、LINEするね…」
「愛ちゃんも、ありがとうね」
そう言って、谷本は帰っていった。
「お姉ちゃん…私…じゃまだった?」
愛がそう言って、
美織を見て悪意のある顔で笑った。
「も〜、そんな事言わないでよ〜」
二人は楽しそうに、帰ってきた。
〜 翌日、美織の母と父の車 〜
早朝、いつものように
店の仕込みの為、車を走らせていた。
「昨日の谷本くんとはいつから付き合ってるんだ…?」
「最近みたいよ…」嬉しそうに母が答えた。
「どこで知り合ったのかな…?」
「何よ、気になるの?」
「そりゃあ気になるよ、
谷本くん 戸陽高校だろ…偏差値20以上差があるじゃないか…?」
「それ、偏見入ってるわよ
美織に言わないでね。嫌われるわよ…」
「あぁ…わかってるよ、ただ美織の将来を心配したっていいだろ…戸陽高校だと大学だって…」
「私もアナタの事、嫌いになりそう…」
すかさず口を挟んだ…
父親は何も言わずに、運転に集中した。
「美織の周りは、才能ある子が多くて…
結構気にしてるのよ…」
ここまで読んでいただきありがとうございました。
引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。




