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記喪転我意 (きそうてんがい)―Lost Memory―  作者: Spumante Rock


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45/50

45話 最後の友達

いつも読んでいただきありがとうございます。

看護師に連れられて、病院ロビーまで来て

椅子に座った

看護師さんも隣りに座り

東堂美津子の事を話してくれた。


看護師さんは、東堂との出会いは

東堂が骨折して病院に来た時、


精密検査で白血病の疑いがあった時、

検査案内をした看護師が彼女だった。


東堂は背も高く、男勝りで気が強い

スポーツ万能でいつも運動会ではヒーローだった。

それが怪我して検査したら、

別の病気が見つかって、入院した。


その後、抗癌剤の影響で髪の毛が抜けたり

…病気について教えてくれた。


「美津子ちゃんは我慢してしまうの…

強い子だと思った…

病気は治ると信じてた、髪の毛も今だけ…

病気が治れば元に戻るから平気…

いつもそんな感じだった。


それがね、小学校、中学校と学年が上がると

周りが見えるようになってくるでしょ。


恋愛だの部活だの

周りが…羨ましくなっちゃったみたい…」


看護師さんの声が、震えた…


少し間を開けて、息を吸い込んで

看護師さんは続けた。


「いつの間にか、

友達は病院に来なくなったの…


それは、美津子ちゃんが

遠ざけたみたいなの…

連絡は最小限

返信はするけど、

積極的な連絡はしなかったわ。

どんどん、LINEも来なくなって、


私、美津子ちゃんに聞いたの

友達を読んでも良いんだよ、学校の話しとか聞いておかないと学校通う時大変だよ、


美津子ちゃんは、

そうだねー、学校通う事が決まったら行動する〜、って言われてね。


大人な対応なのかな…?

もっとわがままでいいのにって…

いつも思ってた。


それがね、谷本くんから会いたいって連絡くれたでしょ…

そうしたら、子供みたいに喜んでしまって…」


看護師さんは声を振るわせ、

涙を流して説明してくれた。


「谷本くんが、連絡くれる1年くらい前

事故で意識不明で、ICUに入っていたでしょ?」


「はい、東堂も知ってたんですよね…聞きました。」


「そう、同じ中学の同級生が意識不明で運び込まれたって聞いて、美津子ちゃんICUに行くって言い出したの…


流石にそれは出来なかったから、


毎日、様子を伝えたの…ごめんネ」


谷本は静かにクビを振った。

面会時間が終わり暗くなってロビーは

涙を隠すには好都合だったが、泣いている事は隠せなかった。


「谷本くん、ホントに来てくれてありがとう!

倒れる日まで、毎日谷本くんの話しばかり…

良く聞かせてもらったわ…


中々、好きな子に告白出来ないでいるって…」


「私は谷本に、告白させる為に再会したんだと思うって、毎日言ってた…」


「ホント普通の女子高生よね…」

そう言うと、看護師さんは泣き崩れた…


しばらく、二人はロビーで泣いていた。


〜 その日から数日後 東堂美津子の葬儀 〜

参列者の一人として、

美織と美織の母と愛ちゃんと参加した。


小学校、中学校の同級生であろう参列者が

沢山来ていたが、誰一人分からなかった…


幸い声を掛けてくるような場面もなく、

長居しないよう退席した、


後ろの方から、東堂のお母さんが走ってきて

「伊東さん!」美織の母を呼び止めた…


「伊東さん、ホントにありがとう!」

「美津子が亡くなる前に、美織ちゃんと谷本くんを連れて来てくれて…

短い人生だったから良かった、

なんて言えないけど、

2人と会えた事は絶対良い思い出になった、

美織ちゃん、谷本くん

最後まで、LINE友達してくれてありがとう。

美津子たのしそうだったよ…」


そう涙ながらに頭を下げて、

催事場に帰って行った。


谷本と美織は顔を見合わせた…


えっ…


「寸くんもみっちゃんとLINEしてたの?」

「美織も東堂さんとLINEしてたの?」


美織の母は

その様子を見て微笑んでいたが、

その目に涙が流れていた。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。

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