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記喪転我意 (きそうてんがい)―Lost Memory―  作者: Spumante Rock


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44/48

44話 走った理由

いつも読んでいただきありがとうございます。

時計の針が17時を指した頃だった

東堂美津子からのLINEに目を通した。


東堂→谷本

やっぱり、ちゃんと早く思いを伝えて良かったでしょ…

私は、あなた達2人が

病室に来てくれた時から気付いてた…

2人は両思いなんだって、

良かったね。

ホント羨ましい…私も恋とかしたかったよ…

明るい未来を想像して

生きて見たかったよ。


谷本が今の所私の最後の友達…

会いに来てくれた事感謝してる。

毎日、くだらないLINEに

付き合ってくれてありがとう!


谷本の恋は上手く行ったけど、

私のLINEにも、

これからも返信貰えたら嬉しいです。


明日…




…で、送られてきた。

谷本は、東堂の意識が戻ったんだと、

時計を見て、走りだした。

各務台病院まで、走れば30分で行ける…


面会時間は18時までだから間に合う。


そう思って、病院まで走った。

ギブスが取れた足に痛みはなかった。


谷本が病院に到着したのは17時30分

間に合う。


急いで病室に向かう。

ナースセンターで、看護師さんに声を掛けた。

「東堂美津子さんからLINEをもらって、

会いに来ました。」


いつもの看護師さんが、

気付いて来てくれた。

看護師さんの様子を見て少し胸騒ぎがした。

「東堂美津子さんは、

昨日お亡くなりになりました。…」


谷本は膝から崩れて座り込んだ…

「えっ…だってLINEが…」


看護師さんが落ち着いた口調で説明してくれた。

東堂美津子の死は、昨日の早朝4時頃

ご両親に見送られ、天国へと旅立ったそうだ、

結局、以前来た時以来

意識が戻る事はなかったそうだ、

さっき届いたLINEは、

遺品整理で、スマホを外に出したせいかと考えられる、

ずっと病室に置いてあり充電もなかったそうだ、


いつも電波の無い病室で、美津子が送信して

看護師が、病室を出て通信していた。


つまり、最後のLINEを書いた後に、倒れたようだ。

その後、看護師さんにスマホを渡す意識は無く今日遺品整理で、

充電された時に電波が繋がったと推測される。


東堂美津子は、僕達と同じ高校2年生だった。

一緒に過ごした時間は、

小、中学校に通った時間だけ…

卒業式の事故で、同級生の記憶を無くしても、

東堂美津子の事は覚えていた。


それでも、僕は東堂と過ごした記憶は

1時間も無い…

なのに、LINEで交わした文字以上に、

東堂を信頼していた事を実感した。


僕は東堂にとって良い友達だっただろうか?…


「大丈夫?」看護師さんが手を差し出した。


谷本にとって、

東堂の死は、受け入れ難い記憶になっていた。


ただ、イヤな事は忘れたいのに、

東堂美津子の事は、忘れたくないと

心から思えた…

イヤな事は忘れるんじゃなく、

受け入れることが、大切なんだと

今更になって気がついた。


看護師さんに支えられ、

なんとか病室横の椅子に座った。


看護師さんに問いかける

「さっき東堂さんからLINEを、もらったんです、

意識が戻ったのかと思ったら…まさか…」

看護師さんに、送られて来たLINEを見せた。


看護師さんの目に涙が溢れた…

「美津子ちゃんの倒れた日、

誕生日の1日前だったの…」

「最後、明日…って書いてあるから、

多分、谷本くんに祝って欲しかったのかもね。」


谷本は、

溢れる涙が止まらなくなり、

面会時間が過ぎている事に気がつく事はなかった…


谷本は、

溢れる涙が止まらなくなり、面会時間が過ぎている事に気がつく事はなかった…

ここまで読んでいただきありがとうございました。


引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。

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