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記喪転我意 (きそうてんがい)―Lost Memory―  作者: Spumante Rock


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42/49

42話  はじまりの歌

いつも読んでいただきありがとうございます。

美織からLINEの返信が来た。


美織→谷本

今週の土曜日、

由依が市街のフリーマーケットで、

路上ライブやるの。

一緒に行かない?

愛も一緒だけどいいかな…?



谷本→美織

もちろん!OK!!

何時に待ち合わせしようか?

駅前待ち合わせでも大丈夫かな?



美織→谷本

お昼からだから

11時に駅前待ち合わせ



谷本→美織

了解!楽しみ


〜 土曜日駅前待ち合わせ時間 〜

相変わらず、松葉杖の谷本

駅に向かうと、美織と愛ちゃんがもう待っていた。

「あれ!?早くない?僕、時間間違えてた?」

「いや、谷本くん待たせられないから早く来たんだよ…」


「ごめん…気を使わせてしまったね…」


「いいよ、行こ」

そう言って、改札を通り抜け

電車に乗った、

あれ?…

少しいつもと違う…


今まで、愛ちゃんを真ん中に

座った車内のシート

今日は、自分が真ん中に座っていた…


その事には触れないで、

3人は、久しぶりに会話を楽しんでいた、


愛がバレーボールに興味を持ったおかげで、

谷本は会話に困らなかった。


美織との会話は少なかったけど、

隣りに座った、距離感に満足していた。


3人は、フリーマーケット会場に到着すると、

カフェスペースで、座って休憩していた。


そこに、生田由依が現れた。

「今日はありがとうね、観客がゼロだと恥ずかしいからさ…」と、言って隣りの席に座った。


「由依さん、今日は頑張ってくださいね」

谷本は一声かけて、頭を下げた。


「谷本くんも、ありがとうネ…

足痛そうだねー」そう言って笑った。


すると、

「愛ちゃん、一緒にフリーマーケット見に行かない?」と、由依が声を掛けた。

「行く〜」と、愛が立ち上がった。

「美織、ギター見てて…」


そう言って、

愛と2人で、

フリーマーケット会場に消えて行った。


「僕の足の事を、気遣ってくれたんですよね?由依さん…」


「多分…私のことを気遣ってくれたんだと思う。」


谷本は心臓が破裂するくらい高鳴った…

「えっ…」


美織が谷本を見て、

「私…谷本くんが好きなの、

付き合ってほしい。」

そう言って、泣きそうな顔で谷本を見つめた。


谷本は記憶が飛んだ…

「それは、僕から言いたかったよ…

伊東さんが、好きだ…付き合ってほしい。」


二人は机の下で、手を握った。

以前、美織に好きだと伝えた時…夢か現実か

自信がなく、付き合ってほしいとは言え無かった…

美織も一緒だったと、

実感していた。

「ちゃんと、愛ちゃんにも伝えよう。」


「いいかな?」


美織も頷いた。

たった一声で、気持ちがスッキリした。


しばらくすると、

由依ちゃんと愛が戻ってきた…


「愛ちゃんにワッペン買わされた〜」

そう言って、由依が帰ってきた。


「ありがとうネ〜由依。今度お礼する!」

美織がウィンクすると、

由依は、「良かったじゃん」って、

谷本の背中を叩いて、

ギターを持って、歩きだした。

「あそこのステージで歌えるんだ〜」


そう言って、

小さな台に向かって行った。


もうすでに前に歌っている人がいて、

観客もちらほらしていた。


由依がステージを近づくと、

人が集まり出した、谷本と美織は愛を真ん中に

最前列に座った、


地面に座るので、

ギブスが邪魔だったが、周りの人達も

気を使ってくれて、広めにスペースが確保できた、気づけばステージ回りがいっぱいだった。


由依ちゃんのファン?かな…

美織に声を掛けた、

「由依ちゃんって人気あるんだね」

美織が、

「実は私も初めてなんだ、こーゆーの

いつもは、学校で歌ってくれるから…」


由依のステージが始まると、

周囲の人達がどんどん集まってきて、

最後の曲が終わった時


谷本の目に涙が溢れていた…

凄い!こんな感じ初めてだった…

「凄いね由依ちゃん…」

そう言うと美織の目にも涙が溢れていた。


愛が2人を見て、

「何二人とも仲良く泣いてるの〜」

と、笑った。


由依はステージを降りたが、

ファンの子達と写真を撮っていた。

「将来この子と一緒に過ごした時間があった事を

自慢できる日がきそうだね…」


谷本が言うと、

「そうだね。」と、美織も笑った。



ここまで読んでいただきありがとうございました。


引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。

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