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記喪転我意 (きそうてんがい)―Lost Memory―  作者: Spumante Rock


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41/48

41話 再起動

いつも読んでいただきありがとうございます。

荒木が帰った後…

谷本は静寂の中にいた。


スマホを眺めて、OFFだったスイッチを

ONにした。


電源が入ると、LINEの着信音が止まらない…

〝Piron″ 〝Piron″ 〝Piron″ 〝Piron″…

これは、永遠に止まらないんじゃ…


数分後に止まった着信音

LINEを開くと、

荒木のLINEが200件を越えていた、

…あいつスタンプ連打しやがって…


その他にも、バレーボール部の八戸や永野

谷口先輩からも、LINEが入っていた。


それから、美織からのLINE

荒木の言葉が、まだ頭に残っていた。


今は、美織に好きな気持ちを

しっかりと伝えよう。

そんな気持ちで、

美織からのLINEを開いた。


美織→to谷本

今週どこかで会えるかな?

----------------


谷本は、イーゼルに置いてある

描きかけの美織の絵を見てLINEを返した


谷本→to美織

もちろん、

今は怪我で部活も行けないし、

伊東さんの都合に合わせられるよ。

----------------


〜 朝比奈高校吹奏楽部 〜

部活が終わって帰り支度をしていた。


「美織、一緒に帰ろーぜ!」

由依が肩を叩いた。

「うん、帰ろ〜」


二人は 駅前のファストフード店で

お茶することになり並んで歩いた。


「美織…谷本くんとは仲良くしてる?」

と、由依が声を掛けた…


「日曜日にバレーボールの地区予選大会応援に行ったんだけど、谷本くん土曜日の試合で足を怪我してしまって、一緒に観客席から観戦してた。」


「へ〜、大丈夫なの?」

美織は少しくちびるを噛んで、

「怪我はもちろん残念だったけど、

とても良い試合だったから、

コートに居られなかった事が、

結構ショックだったんじゃないかな…」


「あれから、LINEが中々帰ってこなくて…」

と、寂しそうな顔をした。


「それは、仕方ないんじゃないの?」


「わかってるよ…そんな事」


「愛ちゃんも文句言ってるの?」


「それが…バレーボールにハマっちゃって、

中学生になったらバレーボール部に入るらしい…」


由依はニヤニヤして、美織の顔を見た

「あんた…愛ちゃんより嫉妬深いんじゃない?」


「やめてよ!!」

と、笑っていた。


店内に入ると2人は、

谷本の話しをして盛り上がっていた。

盛り上がる2人の背後から、

「生田さん、伊東さん」

2人を呼ぶ声がした。


吹奏楽部の先輩

遠藤えんどう かい

浅見あさみ 雄介ゆうすけ

だった。


「良かったら、一緒してもいい?」

生田と伊東は、

「えっ、どうぞ…」

かろうじて由依が答えた…


「まぁ〜いいよね?」由依が美織を見た。


4人は、雑談とも言えない会話を交わした。


遠藤と浅見は、夏の

全日本吹奏楽コンクール予選を最後に、

受験勉強に集中する為

引退するらしい。


「そこでお願いなんだけど…」

遠藤が切り出した。

「今、僕が吹奏楽部の部長をやってきたけど、

引退後は生田さんにお願い出来ないかと…」


「えっ!私ですか?」

「無理ですよ、私はギターですよ、

吹奏楽部でギターパートの部長なんて

聞いたことないです。」


「良いと思うだろ、伊東さん。」

美織は由依の顔を見て


「良いと思います」


「美織まで…おかしいでしょ

吹奏楽部の部長が、ギターパートなんて…」


遠藤がもう一度推す。

「一番音楽に前向きに取り組んでいるから、

生田がいいって思ったんだ、面倒見も良いし…

何よりギター技術が圧倒的に高い!」

「でも、1番は人柄かな…」


由依は少し困った顔をしていた。


「少し考えてみてよ、今決断しなくても良いから…

ただ、僕は生田さんを推薦するつもりでいるから…」


「はぁ〜、ありがとうございます。考えときます。」

由依は静かにストローを口にした。


その時

美織のスマホにLINEの通知音


谷本からの返信だった


美織はスマホ画面を見て、

恥ずかしそうに微笑んでスマホをポケットに入れた。


「彼氏?」遠藤が美織に声を掛けた。


「えっ!」


「今、LINE見て嬉しそうだったから…」


「彼氏じゃない…です…」


「伊東さんは奥手なタイプかと思ってたから意外…」と、

言い掛かった時由依が立ち上がった。


「遠藤先輩!それは女性を敵に回す発言ですよ!」


「…」

一瞬、フロアーに静寂が広がった。


遠藤がニコっと笑い

「やっぱり生田は部長向きだよ。」


「ごめんね、伊東さん」

「からかうつもりは無かったんだ、ただ

スマホ見る顔が可愛いかったから…つい」


真っ赤になった美織には、

上がった体温を下げようと、

視線を落としたままストローを口にした。


ここまで読んでいただきありがとうございました。


引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。

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